自動車税が払えない場合の対処法|滞納した場合はどんなペナルティーがある?

「自動車税が払えなくて困る……」

このように感じている人もいるのではないでしょうか?

自動車を所有している場合、毎年必ず「自動車税」「軽自動車税」を納める必要があります。
排気量次第では10万円を超える高額な納税が必要です。

もし自動車税を払えない場合、どのようなペナルティが待っているのでしょうか?

自動車税とは

自動車税とは、自動車の排気量に応じて課される税金のことです。

4月1日時点のクルマの所有者が、1年間分の税金を納める義務があります。ほとんどの地域で5月中が納付期限です。

車検証の住所に宛てて納付書が送られるため、それを持って金融機関やコンビニで納税します。地域によっては電子決済も可能です。

普通自動車と軽自動車の違いや、排気量の違いによって納税額も異なります。

自動車税の税額一覧

2019年10月から自動車税が引き下げられています。自動車税の最新の税率と過去の税率の違いは以下のとおりです。

排気量引き下げ前の税率引き下げ後の税率
1,000cc以下29,500円25,000円
1,000cc超1,500cc以下34,500円30,500円
1,500cc超2,000cc以下39,500円36,000円
2,000cc超2,500cc以下45,000円43,500円
2,500cc超3,000cc以下51,000円50,000円
3,000cc超3,500cc以下58,000円57,000円
3,500cc超4,000cc以下66,500円65,500円
4,000cc超4,500cc以下76,500円75,500円
4,500cc超6,000cc以下88,000円87,000円
6,000cc超111,000円110,000円

引用元:経済産業省|大きく変わった、クルマの税。

納付期限

自動車税や軽自動車税の納付期限は原則として5月31日です。31日が土日の場合は6月初旬が納付期限になることもあります。

なお、青森県と秋田県は6月末が納付期限です。

5月初め(ゴールデンウイーク明け頃)に納税通知書が届くため、必ず月末までに納付が必要です。

期限までに自動車税を納税しないと起こること

自動車税を期限までに納められない場合、どのような事態が起こるのでしょうか?

延滞した場合の流れを解説します。

  • 延滞金の発生
  • コンビニ払いができなくなる
  • 車検がとおらない
  • 資産が差し押さえられる

延滞金の発生

期限までに自動車税を納付しない場合、滞納した期間に合わせた「延滞金」が発生します。

延滞金の金利は延滞期間が1ヶ月を超えるか超えないかで変わってくるのが特徴で、具体的な税率の違いは以下のとおりです。

  • 納付期限から1ヶ月以内は年2.6%
  • 納期限から1ヶ月を超えると年8.9%

延滞金のうち1,000円未満は切り捨てであるほか、1,000円以上は100円未満が切り捨てになります。

延滞金の計算方法は、東京都主税局によると以下のとおりです。

延滞金=【{税額×日数A×(延滞金特例基準割合(※1)(※2)+1%)}÷365日】+【{税額×日数B×(延滞金特例基準割合+7.3%)}÷365日】

※1 延滞金特例基準割合については、2 延滞金の率 参照

※2 令和2年12月31日までは「特例基準割合」と読み替えます。 日数A : 納期限の翌日から1月を経過する日までの期間の日数 日数B : 納期限の翌日から1月を経過した日から納付日までの期間の日数

引用元:東京都主税局|都税の支払方法について

滞納後1ヶ月を超えると税率が一気にあがるため、何とかして1ヶ月以内に完納する方法を考えましょう。

コンビニ払いができなくなる

自動車税を滞納した場合、一定期間を過ぎるとコンビニでの支払いができなくなります。
支払う際は「銀行」「税務署」「市町村の税務課の窓口」のいずれかまで足を運ばなくてはいけません。

移動に時間と手間、交通費がかかるため、延滞金以上に出費は膨らみます。これもペナルティの1つといえるでしょう。

車検がとおらない

車検を受ける際は、自動車税の納税証明書の提示が必要です。納税していない場合は車検が通りません。

自動車税を払わないことに対する制裁の1つです。

無車検で走行してしまうと道路交通法違反にあたり、免許の停止などの処罰の対象になります。具体的な罰則は以下のとおりです。

違反点数:6点 行政処分:免許停止 罰則と罰金:6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金 出典:e-GOV|道路運送車両法

仮に今まで違反したことがないとしても、一発で免許停止になります。絶対に無車検での走行はやめましょう。

資産が差し押さえられる

期限から20日を過ぎると、最初の督促状が届きます。文面には銀行口座の差し押さえの説明もあります。

それでも納税しないと9月頃に届くのが、財産の差し押さえが記載された最終通告となる「催告書」です。
それでも納付しない場合には財産の差し押さえが実行されます。

差し押さえられる資産

まず差し押さえの対象になるのは「銀行口座」です。

滞納分のみの差し押さえとなるため口座を使うことはできます。ただし、差し押さえられたことで口座の残高が不足し、ローンの返済用のお金が足りなくなるといった影響があります。

給与を差し押さえられる場合の差し押さえ金額は、最大で「手取り額の1/4」です。

もし預貯金がない場合、所有しているクルマが差し押さえになるケースもあります。
市役所などの担当者が立ち合い、タイヤのロックを行います。

こうなると所有者は自動車税を納めるまで自動車を動かすことができません。滞納者が不在であれば警察官が立ち会うこともあります。

それでも支払われない場合はクルマが回収されて競売にかけられます。
競売で得られた現金から、延滞金を含めた自動車税分の金額が差し押さえられるのです。

クルマを持っていないケースの場合は、株式等の金融資産や土地、ブランド品(腕時計、指輪など)が差し押さえられる可能性もあります。

会社へ連絡が入ることも注意

銀行口座のお金が差し押さえられても自動車税と延滞金の合計額に届かない場合は、最大で手取りの1/4の給与が差し押さえられます。

もし給与の差し押さえになった場合、会社に「債権差押通知書」が届きます。

これによって自動車税の滞納が少なくとも経理部や総務部などに知られてしまうでしょう。それによって解雇されることはないとしても、手続きが面倒で会社に迷惑になるのは間違いありません。

自動車税を払えない場合の対処法

クレジットカードによる分割払い

クレジットカードで自動車税を納めるのであれば、支払回数を選択することが可能です。
支払方法を分割にすれば、一括で払えなくても分割で納められます。

キャッシング枠が設定されたクレジットカードであれば、現金をATMから借り入れて一括で払ってしまうことも可能です。その場合も「リボルビング払い」によって毎月一定額で返済できます。

キャッシング枠がすでに設定されていれば申し込みや審査が不要で、急ぎの場合でもすぐに納税できる点がメリットです。

反面、いま現在キャッシング枠が設定されていない場合は新規の申し込みと審査が必要です。
審査を通過できたとしても、利用できるまでに1週間程度かかることもあります。

分割回数が多い場合は返済期間が長引き、余計な手数料・利息がかかることも覚えておきましょう。

税務署と交渉による分割

税務署に相談することで分割での支払いが認められることがあります。こちらは相談しても確実に分割にしてもらえるとは限りません。

また、分割ができても延滞金の支払いは必要です。

納付期限の猶予を相談する

自動車税に限った話ではありませんが、一定以上の収入が減ってしまったことを証明できれば延滞金不要で納税猶予を利用できます。

現在は新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減った人向けの納税猶予の特例がスタートしています。対象は「2020年2月以降の任意の期間に、1ヶ月以上収入が約20%以上減少してる場合」などです。

収入減少が新型コロナウイルスに関連しているのであれば、総務省のホームページで条件を確認してみましょう。

出典:総務省|新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方税における対応について

自動車税を抑える方法

古いクルマは買い替える

1台のクルマを長年にわたって乗り続けることは、エコであることは間違いありません。
しかし、税金の面では不利です。

新車登録から13年が経過すると自動車税・軽自動車税が約15%増額してしまいます。

自動車重量税も上がるため、車検時の負担も増えてしまうことも忘れてはいけません。
ディーラーで10年~13年をめどに新車への切り替えが推奨されているのは、このためです。

なお、ハイブリッドカーでは13年が経過しても税金が重くなりません。自動車税を抑える目的でエコカーへ乗り換えするのも有効な選択肢です。

エコカー減税の利用

エコカー減税とは、環境性能に優れたクルマに対する「自動車税」「自動車重量税」が軽減される優遇措置のことです。

減税率は年度ごとに設定された「燃費基準」にプラス何%を達成したかによって異なります。

条件が満たされれば、自動車税・軽自動車税は25%から最大で75%が軽減されます。
車検時に納める自動車重量税も軽減対象です。25~50%が減額になります。

購入時期を考える

自動車税・軽自動車税は購入時期によっても変わることがあります。

普通車では新車を購入した時期に応じて月割で自動車税を支払うため、いつ購入してもあまり変わりませんが、軽自動車は4月1日よりあとに購入するとその年度の軽自動車税は払う必要がありません。

消費者金融カードローンを利用する

消費者金融とは、「アコム」「アイフル」「プロミス」など CMでもおなじみの貸金業者です。

一度きりの借り入れであるフリーローンなどと異なり、契約時に設定された利用限度額まで何度でもお金を借りることができます。

銀行でもカードローンがありますが、それと比較しても消費者金融には以下のようなメリットがあります。

無利息期間の設定がある

銀行の金利のほうが割安な設定になってることが一般的ですが、必ずしも銀行の返済総額のほうが安いとは限りません。

消費者金融では初回の利用にかぎり「無利息期間」が設定されるためです。

例えばアコムでは「契約の翌日から30日」、プロミスでは「初回出勤日の翌日から30日」といった具合です。

レイクに至っては5万円まで契約の翌日から180日間と、他社と比べても圧倒的に長い無利息期間を設定することができます。

ただし、消費者金融なら全社で扱っているわけではありません。例えば「SMBCモビット」には無利息期間の設定がありません。

最短即日での融資が可能

銀行カードローンのデメリットとして「即日融資ができない」ということが挙げられます。

銀行がローンの申し込みを受けると警察庁のデータベースにアクセスし、反社会的勢力に関係していないかを確認する必要があります。この作業は1日以上の時間がかかるため、即日での融資はできません。

一方の消費者金融では、そのような決まりはありません。
申込者の情報を点数化する「スコアリング審査」によって審査時間は最短30分で完了するほか、申し込みから融資まで含めても最短1時間で完了します。

自動車税の滞納は少しでも早く解消したいはずです。
最短即日で融資を受けられる消費者金融であれば、スピーディに納税できる可能性が高まります。

ただし、返済能力や信用に疑問がある場合は時間がかかるほか、審査受付時間である21:00以降に申し込みをしてしまうと審査は翌営業日以降にずれ込みます。

最短1時間で融資を受けられないことを考え、できるだけ早いタイミングで申し込みましょう。

自動車税が払えない場合の対処法まとめ

自動車税が納付できない場合、延滞した期間に応じて延滞金が発生するだけでなく、最終的には銀行口座の預貯金や最大4分の1の給与が差し押さえられます。

最悪の場合はクルマを差し押さえられて競売にかけられることを覚えておきましょう。

そうならないためにも「分割払い」「納税猶予」などの対策で支払うようにしていきましょう。どうしてもお金がない場合「消費者金融カードローン」であれば即日で現金を借り入れられる可能性もあります。

クルマを所有している限り毎年1回、5月に必ず発生する税金です。直前になって困らないよう、自動車税分のお金はあらかじめ確保しておきましょう。