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法人における税務上の要注意項目①
~国税庁公表情報を参考に考える~

第92号(2017年07月01日発行分)

執筆者12

この原稿を書いている6月初旬といえば、税務署時代を思い返すと税務調査のまとめも終了し、7月の人事異動を楽しみにしながら、内部事務を行っている時期です。具体的には税務調査を実施していない会社の申告書を点検し、問題がなければ調査を省略する事務を行います。申告書内容をチェックするときには、全国統一の税務職員が使用するチェック表が存在します。税務職員がどのような観点で申告書をチェックしているのか興味があると思いますが、当然内部資料であり、公表されていませんでした。

国税庁の新たな試み

前号にも記載しましたが、平成27年3月に国税庁は『「申告書の自主点検と自主監査」に関する確認表の活用について』という情報を公開しました。その情報は国税局が管轄している法人に向けて公表されたものとなっており、確認表として次の2つが公表されています。

  • ①申告書確認表
  • ②大規模法人における税務上の要注意項目確認表

この確認表の具体的確認項目については、次回以降に紹介しますが、国税内部で以前から使用されていたチェック表とほぼ同じ内容であり、税務職員が申告書の内容を確認する項目及び税務調査でポイントとして確認する項目をまとめたものです。
 国税庁がこの情報を公開した趣旨は、申告書の自主点検や税務上の観点からの自主監査を行うことを奨励し、申告誤りの未然防止や税務調査での処理誤りが指摘されるリスクを軽減してもらうことです。
 以前から中小企業向けには日本税理士会連合会が監修した「自主点検チェックシート」がありました。この点検表を使用している会計事務所も多いと思いますが、この点検表は税務上の注意点というよりは、経理処理、保存書類等の基本的内容を確認するものとなっています。もちろんこの点検表も役に立ちますが、さらに今回公表された①②の確認表を活用することで各段に税務リスクは軽減すると考えます。

確認表の活用

①②の確認表の特徴は次のとおりです。

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①申告書確認表

法人税及び消費税の確定申告書を作成する上で誤りやすい項目をまとめたものです。内容としては、別表の記載金額、税率、対象期間等が正しいかどうかの形式的内容のチェック項目が多いです。各項目のポイントは次回以降に紹介しますが、この確認表をしっかりチェックすることで税務調査に行かなくても誤りを見つけることができます。実地調査件数を稼ぐためにこの形式的誤りを確認するだけに調査に行ったこともあります。内容によっては数千万円単位の誤りが見つかることもありました。税務職員にとっても重要な確認表であると私は思いますが、この確認表をしっかり見ているのは最終的に審査を担当する者だけであることが多いです。そのため、実地調査で多額の誤りを見つけたとしても申告書の形式的な誤りが後で発覚し、所得金額が大幅に減額となってしまい最終的に還付になるということもあります。

②大規模法人における税務上の要注意項目確認表

各勘定科目について、税務上誤りやすい項目を列挙し、確認すべきポイントについて法令等も併せて記載しています。売上げの計上基準から交際費等の内容、固定資産の取得価額、消費税の課否判定等内容は多岐にわたります。もちろんすべての内容を網羅しているわけではありませんが、税務調査で指摘される項目として上位にくるものばかりです。つまり、この確認表でしっかり準備することで税務調査もスムーズに進むことになります。

次号以降で①②の確認表で特に注意すべき項目について紹介したいと思います。

税務総合戦略室便り 第92号(2017年07月01日発行分)に掲載

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