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公示価格と路線価について

第89号(2017年04月01日発行分)

執筆者6

この原稿を作成時には、まだ公示価格は公表されていませんが、本誌の配布時には、公表されていることになります。
 公示価格が公表されますと、その地価動向について、毎回本誌で触れられているようではありますが、それはそれとしまして、今回は、公示価格と路線価の関連性及び活用法について触れてみることにします。

公示価格とは

公示価格は、「地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示(平成28年地価公示では、25270地点で実施)するもので、社会・経済活動についての制度インフラになっている(国土交通省ホームページ参照)」ものです。その主な役割は次のとおりです。

  • ①一般の土地の取引に対して指標を与えること
  • ②不動産鑑定の規律となること
  • ③公共事業用地の取得価格算定の規準となること
  • ④土地の相続税評価及及び固定資産税評価についての規準となること⑤国土利用計画法による土地の価格審査の規準となること

公示価格と路線価格

ここで、公示価格等と路線価格の関連性について触れます。路線価は公示価格の80%水準であるとされています。
 では、インターネットで公示地点と公示価格を調べて、それに80%を乗じた価格と公示価格が同額となるでしょうか。
 実際にやってみると、同額になる公示地点もありますが、同額にならない公示地点も多くあることが確認できます。
 いったいなぜなのでしょうか。
 これについては、公示価格と路線価の前提が異なっているためです。公示価格は、その評価する地点(土地)の更地価格を鑑定評価したものです。
 そのため、土地の形状や道路との接面の状況等が当然に織り込まれています。
 これに対して路線価は、その地域における標準的な4角形の土地を仮定した価格を評価したものです。実際に相続税評価額を算出するときには、角地であるとか、不整形地であるとか、セットバック部分がある等の様々な要素を加味したところで評価することになります。 
 したがって、国税では公示価格が公表されると、それに基づいて路線価の改定作業を行います(もちろん、国税では、公示地等だけでなく、はるかに上回る独自の標準地を設定して、きめ細かい路線価の評定に努めています)が、その公示価格の個別的要素を取り除くための逆算を行い、後に80%を乗じて路線価を評定しております(極めて簡略した説明になりますが)。

税務における路線価の活用

これまでの説明で路線価を0・8で割り戻した価格は、公示水準の価格であることが理解できたと思います。このことから、税務において時価の算出を求められる場合に、わざわざ費用をかけて不動産鑑定を行わなくて済む場合も多いのです。
 例えば、個人や法人の土地(固定資産)の交換を行う場合に、親族間、同族会社とオーナーの間等での交換のように、当事者間の利害上、食い違いが生じることがないのであれば、この路線価を0・8で割り戻した金額を時価として計算することで、税務上の問題はありません。
 なにせ路線価格は、国税が評定したものですから。

地価が大きく変動した場合等には不動産鑑定が必要なことも

路線価は、1月1日時点での評価ですから、例えば、年の後半に交換を行った場合に、その土地の一方で1月以降大幅な地価の変動があり、路線価を基に計算すると利益供与が認定されるような危険性があるときには、不動産鑑定を行う必要があるとは思います。
 しかし、一般的には、このようなケースは多くないと考えられます。

非上場株式の時価額の算出でも

オーナー会社の株式を法人に譲渡するなどの場合には、相続税評価額ではなく、時価ベースの評価額が必要になります。
 この場合にも、土地(固定資産)の時価額の算出上、大いに活用できることは、
言うまでもありません。
 今回は、ここまでとします。

税務総合戦略室便り 第89号(2017年04月01日発行分)に掲載

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