コンテナを器具備品、容器・金庫として利用する場合、その耐用年数は大型コンテナ(長さ6メートル以上)であれば7年、6メートル以下であれば、その他の金属製のもの3年が適用されます。コンテナを容器として利用してファイナンス・リース契約を行う場合には何ら問題はありません。
しかしながら、コンテナには様々な利用の仕方があります。例えば、コンテナハウスとして利用される場合、ファイナンス・リース契約であるからこその様々な問題が想起されます。
先ずは、対象となるコンテナのリース契約が税務上、所有権移転外リース取引として取り扱われるのかが問題となります。そして、「所有権移転外リース取引」として取り扱われるのか否かについての判断は大きくは(1)「専属使用のリース資産」に該当するのかの判断に左右されます。次に、リース期間の中途等において、(2)「著しく有利な価額」により買い取る権利が与えられているのかも判断要素となります。
仮に、コンテナハウスは減価償却資産「建物」であると判断された場合、原則として法人税基本通達7-6の2-3(専属使用のリース資産)(1)の本書きに言う建物ということになりますので、所有権移転外リース取引とはなりません。
この本書きの例外であるカッコ書きを適用できるか否かが判断ポイントとなります。
○ポイントとなるカッコ書き
(建設工事等の用に供する簡易建物、広告用の構築物等で移設が比較的容易に行い得るもの又は賃借人におけるそのリース資産と同一種類のリース資産に係る既往のリース取引の状況、当該リース資産の性質その他の状況からみて、リース期間の終了後に当該リース資産が賃貸人に返還されることが明らかなものを除く。)
仮に、賃借人がリース期間の終了の時又は中途でリース資産を買い取る権利を与えられている場合、法人税基本通達7-6の2-2「著しく有利な価額」に該当しないことが条件となりますので、契約に際してはこの点にも注意が必要です。
金属製のコンテナを仮設ハウス等として使用するためにコンテナに加工を加えた場合、器具備品のコンテナ(6m以下のものであれば耐用年数は3年)として取り扱われるのか?という問題です。
仮に、コンテナに改造を加えてはいなくても、コンクリートブロック等により土地にキチンと固着させている場合、建物と判断される恐れもあります。固定資産税の取り扱いではそのような場合、建物として取り扱う旨の例示も見受けられます。
コンテナをハウスとして利用するために改造を施した場合、「建物」と判断されるリスクは増大します。では、建物と判断された場合、所有権移転外リース取引の取り扱いを受けられないのか?というとそうとも限りません。
コンテナを改造して仮設の建物としてリース対象物件とする場合、所有権移転外リース取引の取り扱いを受けられない=「専属使用のリース資産」に該当する恐れもあります。
というのは、建物、建物附属設備又は構築物を対象とするリース取引は、原則として法人税基本通達7-6の2-3(専属使用のリース資産)の(1)本書きの「専属使用のリース資産」に該当することになるからです。ただし、同通達のカッコ書きに定める建物等に該当する場合、所有権移転外リース取引として取り扱われることになります。
このカッコ書きの適用については、他の状況等との関係で総合的に判断されることになるかと思われますが、微妙な判定になることが予想されますので、この点は国税庁に予め事前相談・確認をしておくことが肝要となります。
所有権移転外リース取引とならない場合、賃貸人と賃借人との間のWin-Winの関係を構築できなくなります。そして、借り手であるお客様にも迷惑をおかけすることになります。
税務総合戦略室便り 第87号(2017年02月01日発行分)に掲載
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