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プライベート カンパニーについて考える①

category: 節税自社株
第85号(2016年12月01日発行分)

執筆者7

はじめに

よく「プライベートカンパニー」という言葉を耳にします。
 巷にも「プライベートカンパニーで○○」「今こそプライベートカンパニーの○○」などのタイトルを冠したハウツー本があふれています。
 弊社でもお客様から、この類に関する質問・相談が増えてまいりました。
 はたして、プライベートカンパニーとは何なのか。その現状とは。節税効果はどのようなものか。
 今までは初期コストを抑える意味からも、なるべく既存法人(関連法人)を活用して、様々な提案をしていきたいというのが、個人的な意見でした。
 しかしながら、既存法人一辺倒では、各種税制の目まぐるしい変化において、全てのオーダーに応えられなくなってきたように思います。
 最近は、休日に色々な書籍を漁って、プライベートカンパニーを勉強していることもありますし、また、自分自身の再検証も兼ねて、この機会に「プライベートカンパニー」について触れてみたいと思います。

プライベートカンパニーとは?

まず、「プライベートカンパニー」をインターネットで検索してみました。
 結果的としては、非公開会社であり、少数の特定株主により会社化所有されている状況を現す言葉として使われており、会社の定義らしいものは見られませんでした。
 これは、プライベートカンパニーが持つ多様性のせいかもしれません。
 何故なら、不動産所有を目的とするものもあれば、株式所有を目的とするもの、生命保険を活用するものなどたくさんあるからです。
 また、節税面においても、所得税と法人税との税率差に着目し節税をはかるもの、自社株対策を中心とした相続税節税を主たる目的とするものなど様々です。
 唯一言えるのは、プライベートカンパニーは「節税」(脱税ではありません。当然ながら、法律に則っての話です)を切り口としたものが多いということです。
 しかしながら、プライベートカンパニーに「節税」というイメージが先行し、いたずらに設立しても、①登記費用や出資金がかかる、②設立した法人が赤字続きになったとしても法人税等(均等割り)の費用がかかる。などかえって損をしてしまいます。
 事実、いざプライベートカンパニーを設立しても、その法人の事業規模が追い付かず、そのまま休廃業になってしまった。ということも聞かれます。

本当に設立した方がいいの?

では、プライベートカンパニーは、設立するべきなのでしょうか? それとも、無用の長物なのでしょうか?
 プライベートカンパニーを設立する、しないという一つの分岐点として考えられることは、所得税あるいは将来の相続税において負担感があるかどうかです。端的に言えば所得税・相続税納付ができるか否か。また、できたとしても、納税後に財産が残るかどうか。
 例えるならば、ガラケーで用事が足りる人であれば、わざわざスマホに買い替える必要がないということです(ガラケーで用事が足りてもスマホを買った私みたいな者もいますが)。
 所得税では、ついつい最高税率55%(地方税を含みます)に目が行きがちです。しかし、それは一部の限られた富裕層です。
 また、相続税においても、その人の生活に密着する「居住用宅地」「事業用宅地」「不動産貸付用宅地」などは、50%~80%の相続税評価減額が認められています。小規模宅地であれば設立する必要はないと思います。
 しかし、一方においては、所得税及び将来発生する相続税の負担感がかなり重く、プライベートカンパニーを活用しながら、あらゆる可能性を考えなければいけない方がいます。
 従いまして、このシリーズでは「プライベートカンパニーを設立する」前提で展開したいと思います。
 なお、選択肢がたくさんあっても、(自分を含め)混乱してしまうので、今回のプライベートカンパニーについては、持株会社としての節税効果と、不動産貸付をすることでの節税効果に的を絞って検証してみたいと思います。
(次号に続く)

税務総合戦略室便り 第85号(2016年12月01日発行分)に掲載

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