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税務総合戦略室 室長通信 第四十九回 
全国を回る

第82号(2016年09月01日発行分)

執筆者1

国税局勤務時代の出張

国税局に勤務していた頃は多くの場所に出張しました。私は関東信越国税局の採用でしたので管轄都道府県は、埼玉・栃木・茨城・群馬・新潟・長野の6つです。管轄内には63の税務署が存在しますが、そのほとんどは何らかの業務で訪問したように記憶しています。もちろん税務署への出張だけにとどまらず、その六つの都道府県内の様々な会社の税務調査を行ってきました。
 さらに反面調査などで訪れた場所を思い返してみると、北は北海道から、山形・岩手・宮城・愛知・大阪・広島・香川・高知・長崎・宮崎・南は沖縄まで様々なところを旅してきました。中には長崎県の五島列島に早朝フェリーで乗り込み、船酔いと二日酔いのダブルパンチで散々な目(自業自得)にあったことや、愛知県の湾岸石油コンビナート地区へ真夜中に到着し、煌々と光る工場の夜景に束の間の感動を覚えたことなどが懐かしく思い出されます。
 振り返れば、普通の税務職員よりは多くの遠隔地に出張してきた公務員人生だったように感じています。
 7年前に国税局を退職し、税理士として仕事をするようになった時には「もう今までのように仕事で全国を訪れることはないだろうな」と考えていました。

全国から予想以上の反響

ところが予想に反して今は以前にもまして全国各地を飛び回っています。
 この1年余りを振り返ってみても、北海道・青森・岩手・福島・茨城・愛知・大阪・山口・熊本・沖縄……多くの会社をご訪問させていただきました。さらには上海・香港と海外出張の機会にまで恵まれています。
 数年前にはまさかこのような状況になるとは考えていませんでした。通常、税理士事務所はその事務所所在地を中心とした近隣のエリアのお客様と契約させていただき、毎月の税務相談や監査などにご訪問するという業務スタイルがほとんどだと思います。
 『税務総合戦略室』が立ち上がる5年前までは私も主として都内の顧問先をご訪問する日々でした。
 ところが、『税務総合戦略室』が発足して、各種税務セミナーのご案内を全国に送付し、日本経済新聞の全国版に広告を掲載し始めてから、少しずつ全国のお客様企業とのご契約が増加し始めました。その傾向が加速したのは、昨年秋、新しい私達の税務サービスメニュー「税金ストレスフリーパック」を始めてからです。この1年間に、新しいサービス内容に共感をしていただき、ご契約を結んでいただけた会社数は62社ですが、そのうち実に30社が東京都以外、しかも北海道から九州、沖縄まで幅広い地域となっているのです。

全国の経営者のニーズ

「会社と個人を一体として考え、未来に向かってオーナー社長の税金ストレスをゼロにする」という私達の新サービスにご興味をいただき、お忙しい中、日本全国からセミナーに参加し、話を聞いてご契約いただける。本当に嬉しく幸せに感じています。その一方で、わざわざ遠方の税理士法人を探してまで必要とされている事柄に対する期待・ニーズを正しく把握しなければなりません。多くのお客様との面談でお聞きしている内容などから感じることは、皆様現在の顧問税理士の税務サービスに何かしらの「物足りなさ」を感じて、弊社を訪ねてこられたということです。
 その物足りなさはお客様によって様々です。税務調査での対応に関することであったり、通常の税務相談における節税提案の選択肢の少なさであったり、気付かないうちに高騰してしまっている自社株に対して今まで何の問題提起もしてもらえなかったことに対する不満であったりします。
 かといって私達に対する期待は、決して不正な取引を介在させることによる脱税プランニングの策定ではありません。皆様、法の範囲において税金を最小化するために専門家の知恵を活用した「合法的なタックスプランニング」を求めていらっしゃるように思います。これは報酬をいただいている税理士として行わなくてはならない当然の行為ですが、その当然のサービスを受けられていないという感覚(経営者の感性は驚くほど研ぎ澄まされているものです)が、常に漠然たる物足りなさにつながっているのではないかと感じています。

目はつけられない

東京の税理士法人だからといって、地方の税理士には考えつかないウルトラCの税務対策を提案できるということではありません。そもそも毎年の税制改正によって様々な税の抜け道を塞いでいる現状において、税金の分野では合法的なウルトラCはほとんどなくなっています。奇をてらった危険なスキームを実行するのではなく、コツコツと様々な方向から常に税負担を減少するための方法を検討しつづけていく、その不断の努力が結果として大きな節税につながり、さらには将来に向けた税金のストレスまでも解消できることになると考えています。

ところで何人かのオーナー社長のお話を伺っている中で、地方の顧問税理士に対し、「税務署寄り」だという意見を多々お聞きします。
 私自身、地方出身者であり、地方の税務署経験もありますので、その意見にはうなずける部分があります。そしてそこには構造的な理由があります。
 東京をはじめとした大都市圏は権利意識の強い納税者で構成されていると言われます。そのため税務署も無理をして理屈に合わない課税は行いません。納税者の反発があることがわかっているからです。それと比べて地方都市は昔ながらの「役所の言うことは正しい」といった感覚がいまだに強いようにも感じます。税務署は反発が少なければ少々強引な課税に踏み込みます。
 自分の事務所管内の税務署にクライアントが集中している税理士は、その税務署と摩擦を生むことを極端に避けようとします。その結果として、私の大嫌いな言葉「税務署に目をつけられるから……」という理由で、大切なクライアントの税金を少なくすることよりも、自分自身の保身を優先させてしまうのです。
 「目をつけられる」などということを恐れていては良い仕事はできません(実際は、脱税指南でもしていない限り税務署が目をつけることなどないのですが)。
 税の専門家として、積極的にクライアントに適した税務対策を考え、その税務対策に税務リスクが存在するのか否かを正確に測り、どうすればそのリスクを軽減できるのかまでを検討して正しくお客様にお伝えする。それが報酬をいただいているプロとしての最低限の義務ではないでしょうか。

現地を訪ねて知る

全国各地のお客様と仕事をする機会が増え、あらためて、すでに距離的な制約はまったく問題にならないと感じています。IT技術の進歩によってメールのやりとり、添付ファイルの活用で資料の送受信は容易となり、情報交換にほとんど不都合はありません。
 先日はパソコンに付属しているカメラを活用したテレビ会議で大阪のお客様に報告会を実施させていただきました。現在の技術では画像も音声も明瞭であり、その場で顔を合わせてミーティングしているのと何の遜色もないコミュニケーションをとることが可能です。
 しかし、それでも私達は実際に現地をご訪問させていただくことを大切にしたいと考えています。
 実際にその土地の空気と町の雰囲気を感じ、工場や店舗を見学させていただき、従業員の皆さんの働く姿を拝見し、自分の目で商品が完成し販売するまでの課程を確認させていただく。その作業により表面的に帳簿を見ているだけではわからない生々しい会社の姿が浮かび上がって見えます。また資産税を担当する税理士は実際に土地の形状や近隣の状況などを確認することで、より正確な不動産評価を行うことが可能となります。
 この数か月内では東日本大震災の大津波に襲われた石巻市を訪れ、その壊滅的な被害の大きさに思わず息をのみました。そして力強い復興の息吹を感じることもできました。
 最近では震度7の大地震に見舞われた熊本へもご訪問させていただきました。当日は記録的な豪雨のさなかに、増水し濁流となった球磨川を見て自然の驚異を恐ろしく思いました。これらの例をとってもテレビニュースで観ているのと実際に現地で体感するのとでは、感じ方に天と地の差があります。
 私達はこれからもよりお客様のことを深く理解し、より良い税務コンサルティングのために全国を回り続けます。

税務総合戦略室便り 第82号(2016年09月01日発行分)に掲載

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