税務総合戦略室便り

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ある1日

第81号(2016年08月01日発行分)

執筆者7

今号では相続税担当をしている熊田原の弊社での1日の流れを簡単に紹介します。この機会にお客様に私達の仕事を理解していただければ幸甚です。

「♪~」朝5時セットしていたアラームが鳴り、一週間が始まる。おもむろに朝のニュースをチェック。原油が高騰?S社長の所に影響はないか?円高?K社長の会社の売上に響くのでは?我々のお客様であるオーナー社長は毎日が真剣勝負だ。
 自分に何かしてあげられるとするならば、それは税金からの解放だ。少しでも会社のことに専念してほしい。切に願う。
 家内が朝食を食卓に運ぶ。「今日はあれとあれを仕上げるか」食事をしながらのイメージトレーニング。いつもの日課だ。電車に揺られ会社に到着。パソコンの立ち上がる音で静かにゴングがなる。

先週から仕掛かっていたお客様の株価を算定し始める。会社が所有している不動産については国会図書館⇒ブルーマップ⇒現地確認と調べあげている。
 だが、地番と本当に一致するのか?疑念がよぎる。自分はどちらかというと臆病者だ。民間登記情報とグーグルマップでそこをクリア。これでひと安心だ。確かにこの会社の所有だ。国税庁のホームページで路線価をチェック。よし相続税評価額も大丈夫。
 しかし……違和感が残る。もしかすると……慌てて取得日を見直すと、やっぱり。この土地は3年以内取得物件じゃないか!時価に換算しなければならない。危ないところだった。冷や汗が滲む。

次にもう一波乱。建物に見合う土地がない。借地権。帳簿に出てこない。B/Sのファントム(幽霊)……(と私は呼ぶ)。事前に入手した賃貸借契約書で借地面積をカバー。よし大丈夫。ひととおり株価の算定が終了する。
 ここまでは序章にすぎない。今回の社長は若い。相続はまだまだ先だ。では将来発生する相続税をいかに節税するか?シンプルではあるが贈与での節税をまず考える。贈与は暦年課税と精算課税の二つに別れる。
 「こっちに進めば近道です」そんなナビゲーターシステムないかなぁ。
 熟慮の結果、今回は暦年課税に軍配が上がりそうだ。しかし長い。全部子供に移動するまで15年かかってしまう。本当は精算課税で一挙に株を移動し楽になりたい。本音が出る。でもそれがお客様にとってベストか。自問自答。いやここは我慢だ。今回は社長の年齢が若いからコツコツやって後できく漢方薬(暦年課税)を処方しよう!

次は社長が貸し付けている本社敷地の見直しだ。株のみの対策だけではない。(貸地は)本当にこのままで良いのか?相続税評価額はいくらになる?地代改定した場合のリスクは?社長の不動産所得にかかる税金は?税率表を見て、電卓を壊れるかと思うくらい激しく連打する。「法人税、所得税、相続税、贈与税、消費税、固定資産税、地方税」のありとあらゆる税金の全てのコストをトータルで見たときにお客様にとって一番効果があるかを提案する。それが他社にはないわが社の売りだ。
 専門書を見る。確かに相続税では節税が図れるが、法人税のことが書いていない。逆もしかり。トータルのコストダウンを具体的に数値化している指南書は、なかなかお目にかかれない。

従って沢山の専門書に目を通し、それぞれのメリットデメリットをかき集め自分で糸を紡ぐしかない。そうパズルの世界。そうやってお客様に最も適したオーダーメイド型提案を作り上げてゆく。職人の世界だ。「よし!今回はこれで提案してみよう」
 次は提案書の検討会だ。これが最後の関門。いきなりA税理士が「地代家賃の改定をするのはいいが、この家賃とする根拠が薄い」B税理士から「(将来の)退職金の算定根拠のメルクマールは月額役員報酬、したがって、(提案した)金額は現実味に欠ける」皆手厳しい。想定節税額をたたき出すのでさえ大変なのに……。噛んだ唇から血が滲む(ような気がする)。
 皆「お客様に最高のプレゼンを」との思いがあるから仕方ない。
 「片手落ち」……。「ふー」深く深呼吸。もう一回やり直しだ。お客様の「ありがとう」を聞くために。

税務総合戦略室便り 第81号(2016年08月01日発行分)に掲載

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