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税よもやま話 第十三回 
宗教法人伊勢神宮

category: 法人税
第54号(2014年04月01日発行分)
元国税調査官・税理士
松井 孝榮

昨年末に伊勢神宮にお参りに行ってまいりました。  伊勢神宮は、「お伊勢さん」「大神宮さん」と地元では親しく呼ばれており、辞書などでは「伊勢神宮」と紹介されていますが、単に「神宮」(じんくう)というのが正式な名称だそうです。  外宮を参拝してから内宮に参拝するのが正しいとされているため、まずは外宮からお参りいたしました。  昨年、20年に一度の神宮式年遷宮が行われ、境内には新旧の本殿が並んでいました。旧本殿は今年の3月までに取り壊されるそうですが、外宮内には本殿の他に、いくつもの真新しい神社が建てられていました。  外宮の参拝後は、3キロほど離れた内宮までバスで移動。内宮には、太陽を神格化した天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)が祀られています。  宇治橋を渡り、五十鈴川の水辺でしばし休憩。内宮への参道は小石が敷き詰められており、毎年お正月にお参りする明治神宮を歩いているような錯覚に陥ります。  長い参道を歩いていくと、古木に覆われた真新しい本殿に行きつきます。ここも新旧の本殿が並んでおり、真新しい本殿と比べ、20年の歳月を経た宮殿は予想より古色を帯びた感じです。  参拝を済ました帰りの参道で、パワースポットらしき石積に参詣客が手をかざしていたため真似てみると、なんと……何にも起らない。……と思いきや、手が熱くなってきました。伊勢神宮のパワースポットには確かに何かがあるようです。

神宮式年遷宮の費用について

神宮式年遷宮は、飛鳥時代の天武天皇が定め、持統天皇4年(西暦690年)に第一回が行われました。その後、戦国時代の120年以上に及ぶ中断や幾度かの延期などはあったものの、平成25年の第六十二回式年遷宮まで、およそ1300年間にわたり挙行されています。  神宮式年遷宮は、原則として20年ごとに、内外両宮の正宮の正殿を始めとする別宮以下の諸神社の正殿を作りかえて神座を移し、宝殿、外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計65棟に渡る殿舎等の全社殿を作りかえる他、装束・神宝、宇治橋等も造り替えるとのことで、今回の遷宮にかかる費用は約550億円といわれます。この費用は昔は国費で行われていましたが、今では国民からの募金によってすべてまかなわれているそうです。  クフ王が建設したギザの大ピラミッドの再取得価額が現在の日本円で1250億円相当と言われますが、神宮は1300年間に3兆円以上の維持費を費やしていることになります。「スクラップ&ビルド」「継続は力なり」。日本人の素晴らしさは神宮から発せられているのかもしれません。

宗教法人の税務について

伊勢神宮は正式には「宗教法人神宮」であり、宗教法人であれば当然源泉所得税と法人税・消費税の納付義務があります。(源泉所得税)  宗教法人においても、その代表役員(住職、宮司等)や職員等に給与や退職手当を支払う場合、あるいは税理士等の報酬・料金、講演料等を支払う場合には、源泉徴収義務者として、その支払の際に所定の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収して納付する必要があります。

(法人税)
 株式会社のように営利を目的として設立された法人には、各事業年度の全ての所得に対して法人税が課税されますが、宗教法人のように公益を目的として設立された公益法人等については、収益事業を行う場合に、その収益事業から生じた所得に対してのみ法人税が課税されます。

(消費税及び地方消費税)
 宗教法人も消費税及び地方消費税の納税義務があります。

なお、伊勢神宮の式年遷宮への奉賛金は法人税法上の指定寄付金に該当し、申告により一般の寄附金とは別枠で全額損金に算入することができます。

税務総合戦略室便り 第54号(2014年04月01日発行分)に掲載

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