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個人が自動車を 売却した場合の所得税

category: 節税所得税
第96号(2017年11月01日発行分)

執筆者6

2017年もはや11月となり、個人の所得税の決算期(12月末)も近づいてきました。そこで今回は、個人が所有する自動車を売却した場合の所得税の取扱いを整理してみました。
 法人が所有する自動車を売却して生じた損益は、法人の所得額に単純に反映するのに対し、個人所有の場合は、その自動車の用途・利用状況によって、売却した場合の所得税の取扱いが大きく異なってきます。
 具合的には、まず売却する自動車を業務用か非業務用かに区分します。

業務用の場合

業務用自動車の売却した場合は、総合譲渡所得になります。そして、その損益は、他の総合課税所得(事業・不動産・雑・給与所得等)と合算して課税されます(総合課税)。
 譲渡利益がある場合には、50万円を限度とする特別控除額を差し引き、その残額を他の総合所得と合算しますが、譲渡した自動車の所有期間が5年を超える場合には、長期譲渡所得として特別控除後の残額を2分の1にし、その金額を他の総合所得と合算します。
 この場合に、他の総合所得に赤字があり、譲渡所得金額と損益通算するときは、譲渡所得金額から特別控除をした後(長期譲渡所得の2分の1にする前)の金額から差し引きます。
 次に、譲渡損失がある場合(この方が多いと思います)には、特別控除はなく、その損失額を他の総合課税所得から差し引くことができます(詳しくは、税理士等にお聞きください)。

非業務用の場合

非業務用の自動車、すなわち自家用車等の場合には、売却した自動車が「生活に通常必要な資産」か「生活に通常必要でない資産」のどちらに属するかがポイントになります。

・生活に通常必要な資産の場合

いわゆるマイカーで、個人の日常の通勤用や生活用に使用する自動車を売却した場合は、所得税法上非課税となります。非課税ということは、譲渡利益が出ても課税されない反面、譲渡損失が出ても他の所得との損益通算もできないことになります。

・生活に通常必要でない資産の場合

この場合の譲渡利益は非業務用資産の場合と同様に課税されますが、一方で、損失が生じた場合には損益通算不可となるという、誠にシビアな課税制度になっています。

生活に通常必要でない資産とは

生活に通常必要でない資産は、次のように規定されています。

①競走馬(事業を除く)その他射幸的手段となるもの

②通常、本人及び本人と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で、主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するもの

③生活の用に供する動産のうち次の資産
 ・家具、什器、通勤用の自動車、衣服等以外のもの
 ・1個又は1組の価額が30万円を超える宝石等、貴金属、書画、骨董及び美術工芸品等

④主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外のもの(①・③の動産を除く)

いかがでしょうか。自動車は、通勤用以外のものは「必要でない資産」であるとしていますが、会社員に限定するものではないでしょう。
 ここで問題になるのは、「必要な資産」になる自動車の範囲です。専門書などには、通常の自動車とは別に所有するオフロードカーやキャンピングカーを売却した場合など、分かりやすい事例しかなく、いずれも「必要でない資産」であるとしています。

高級外車を日常車とした場合

事例によれば1台目の自動車は、自家用に使用しているのであれば、「必要な資産」であると第一義的には考えられます。レクサスはOKでメルセデスはダメというのは変ですし。
 それでは、フェラーリを自家用にしている場合はどうでしょう?「自家用の程度」が主なポイントになるでしょうか。正に事実認定の問題ですが、紙面が尽きたので今回はこれで。いずれ検討したいと思います。

税務総合戦略室便り 第96号(2017年11月01日発行分)に掲載

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