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法人における税務上の要注意項目
~申告書確認表②~

第94号(2017年09月1日発行分)

執筆者12

今号においても引き続き申告書確認表について具体的に解説したいと思います。

法人税額及び地方法人税額の計算〔No・7〕

別表一は実際に納付する法人税額を計算する別表です。ここで注意すべきは軽減税率の適用法人かどうかの判定です。
〔No・7〕当事業年度終了の時における資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の法人又は一若しくは完全支配関係のある複数の大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人等)に発行済株式等の全部を保有されている法人であるにもかかわらず、軽減税率を適用していませんか。
【解説】年800万円以下の所得金額については、15%の軽減税率を適用することができます。原則的には資本金の額が1億円以下の法人であれば適用可能ですが、資本金1億円以下であってもその法人が大会社の100%子会社である場合等には軽減税率を適用することができません。

次の甲社はいずれも軽減税率の適用はできません。

同族会社等の判定〔No・9〕

別表二の記載内容であり、いわゆる法人の株主構成を記載したものです。税務署時代も感じていましたが、記載誤りを含め判定に誤りが多かった印象があります。
 注意すべきは、特定同族会社の判定です。
〔No・9〕同族関係者1人あるいは1グループが法人の発行済株式等の50%超を保有しており、当事業年度終了の時における資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の場合又は一若しくは完全支配関係のある複数の大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人等)に発行済株式等の全部を保有されている場合、別表三(一)を作成していますか。
【解説】判定が複雑ですが、上位1グループの株主のみで50%保有されている法人で資本金が1億円を超えている法人は特定同族会社に該当します。特定同族会社に該当する法人が多くの利益を留保している場合には、別途税金が課せられることになります。資本金の額が1億円以下である場合においても対象となる場合があるため、注意が必要です。
 この特定同族会社の対する留保金課税の適用漏れの指摘は税務調査よりもむしろ「会計検査院」の指摘で発覚することが多いです。公務員以外の人は会計検査院の存在自体知らない人が多いかもしれません。会計検査院とは憲法90条に定められた機関で国の収入支出の決算を検査する組織です。国税庁の職員と同じ国家公務員の身分でありながら、同じ公務員に対して検査を行います。自己紹介でも以前記載しましたが、私も大学卒業後約3年間所属していました。この会計検査院が税務署にも検査に入り、税金の取り漏れがないかどうかをチェックします。税務署の職員が発見できないものを会計検査院の職員が発見できるのかと疑問を持たれるかもしれません。会社の帳簿を確認するわけではなく、申告書を形式的にチェックすることが中心です。したがって、この特定同族会社に該当するかどうかは別表二の株主構成を見て当たりをつけることになります。特に株主に法人がいる場合には、注意して検討していると思います。
 余談ですが、会計検査院に指摘されることを税務署は極端に恐れているため、必死で事前に見直しを行います。その過程で当然誤りが発覚することもあります。

税務総合戦略室便り 第94号(2017年09月1日発行分)に掲載

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