投資信託の種類について
投資信託は、投資対象地域(注1)や投資対象資産(注2)及び購入可能期間(注3)等により様々に区分され、その種類を説明するだけで1冊の本ができるほど多くの種類があります。また、本数についても公募株式投信だけで5953本もあります(平成29年5月末)。
今回は投資信託について、「投資」という観点からポイントについてご説明いたします。
市場の平均を上回る超過収益を求めるファンドをアクティブ型といい、市場平均(指数)に連動する運用を目指すファンドをパッシブ型といいます。アクティブ型のファンドは信託報酬等の運用管理費用が高く、パッシブ型は低くなっています。また、前回説明したとおり効率的市場仮説が成立すると、アクティブ型ファンドでも超過収益は得られないことになります。
アクティブ型のファンドは、投資対象とする株式によりグロース型とバリュー型に分けられます。
グロース型の投資信託は、将来的に高成長(高収益が)見込める企業の株式を投資対象とします。すなわち、将来的にPER(一株当たりの利益)の高い成長が見込まれる銘柄を主に対象とします。
バリュー型のファンドとは、株式の価格がその企業の価値に比べて割安と思われる銘柄を投資対象とします。例えばPBR(1株当たり純資産倍率)が1を下回る企業は株価が企業の解散価値を下回っているため割安と考えられます。
「人間」のファンドマネージャーが投資対象とする銘柄を選定するものがマネージャー・アクティブです。一定の投資理論に基づきあらかじめプログラムを作成し、そのプログラムに基づいた運用を行うことをクオンツ運用といい人間の恣意性を排除した運用が可能となります。最近ではAIが発達してきたため、クオンツ運用はAIによるロボット運用にとって代わられています。
中小型株の方が大型株よりも株価が上昇しやすいというアノマリー(注4)に基づき、中小型株を投資対象とするファンドです。成長性の高い企業が中心となるため通常はグロース型のファンドになります。
大型株ファンドとは、文字通り大企業等の大型株を中心に投資するファンドで企業価値に比べ株価が割安な企業を対象とすることが多いため通常はバリュー型のファンドとなります。
AIとかロボットとか特定のテーマ性のあるセクターの銘柄を投資対象とするファンドで証券会社等の営業戦略上設定される場合が多いようです。短期的には人気が過熱する場合もあり、テーマが適切であれば短期の値幅取りには良いかもしれませんが、人気が一過性となる場合も多く長期投資には不適切な商品と言えます。
バランス型ファンド
バランス型ファンドとは、投資対象の資産が株式と債券や内外等のバランスをとり構成されており、分散投資によりリスクが低減されているファンドです。特定資産の値上がり(値下がり)等により資産構成が変化した場合にはリバランスと言って当初の資産構成に戻します。すなわち、結果的に高く売って安く買うことになり資産構成が適切であれば長期的に安定した収益が得られます。運用管理費用はパッシブ型よりも高くなりますがアクティブ型ほど高くはなく長期投資に向いたファンドと言えます。
税務総合戦略室便り 第94号(2017年09月1日発行分)に掲載
お電話でのご相談・お申込み・お問い合わせ
全国対応いたします。お気軽にお問い合わせください。
03-5354-5222