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減価償却資産の単位

category: 法人税その他
第94号(2017年09月1日発行分)

執筆者3

減価償却資産の単位というと、法人税基本通達7-1-11(少額の減価償却資産又は一括償却資産の取得価額の判定)の文中にある「取得価額が10万円未満又は20万円未満であるかどうかは、通常1単位として取引されるその単位、例えば、機械及び装置については1台又は1基ごとに、工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごとに判定し、構築物のうち例えば枕木、電柱等単体では機能を発揮できないものについては一の工事等ごとに判定する」を先ず思い起こすかと思います。
 税法には、その適用に当たって、金額基準を設けている場合があります。その場合、資産の単位は重要なポイントとなります。
 例えば、特別償却の適用に当たっては、対象資産に取得価額基準が設けられております。またグループ税制では、譲渡直前の帳簿価額が1千万円に満たない資産は譲渡損益調整資産から除かれています。この資産が1千万円未満か否かの判定にあたって、資産の単位をどのように捉えるのかが問題となるので、法令により減価償却資産(イ)建物であると1棟ごとに、(ロ)機械及び装置であると一の生産設備又は1台若しくは1基ごとに、土地等であると1筆ごとに区分することと決められています。
 税法において資産の単位は重要なのです。

1 機器の管理について

ある製造会社の測定機器を管理・保管する製造管理部において、機器の取得管理の現状をお聞きしたところ、機器については保守点検を要する①構成機器(セットで機能を発揮する)と②一般機器とに区分して管理されていました。①の構成機器については、一つ一つの機器ではなく、セットで管理されていました。
このこと自体は、1組又は1そろいごとに区分しているので取得価額の判定においては正しいのですが、セットを構成する個々の機器の取得・除却状況について、「管理台帳」上では必ずしも1個の機器ごとに明確に区分されて記載されてはいませんでした。
 このため、「新たに取得し、セットに追加した機器」の現物があることは、現場で確認できましたが、「管理台帳」上では明確に区分された管理がなされてはいないため、いつ1個の機器を追加取得したのか、いつ1個の機器を除却したのか等に関して、セットを構成する個別機器単位では明確な管理記録が残されていないという社内管理上の問題が生じていました。
 個別の機器単位で管理がなされてはいないため、仮に、一部を入れ替えのため除却処分したとしても、管理記録がないため、経理部への連絡はなく、会計処理(資産の除却)には反映はされてはいかないのではないかと危惧されます。また、経理部で除却処理したくても、除却処分した機器の未償却残額を算出することができないという問題を生じていました。

2 税務上の取り扱い

経理部において、減価償却額を算出するときに適用する償却資産の耐用年数表の区分では、測定機器は器具・備品に該当します。
 総合償却資産となる機械・装置とは異なり、器具・備品は「個別償却資産」として税務上は取り扱われます。
 そうすると、器具・備品の除却場面では、法人税基本通達7-7-6(個別償却資産の除却価額)が適用されます。
 この通達の適用を予め見越して、経理での資産管理の単位と現場での資産管理の単位は同一であり、かつ、償却費の額が個々の取得資産に合理的に配賦されている状況での資産管理「管理台帳への記入」を行なっておくのがベターです。

3 構成分析機器の管理対策

会社が取得した機器の保守・点検、一部入れ替え、追加、除却(有姿除却を含め)という長い使用期間(資産の歴史)の中で、適切な現物管理と一部入れ替え、追加、除却という事実に基づいた適切な会計処理を行う必要があります。
 そのための対策として、資産管理台帳上では、構成機器を構成するそれぞれの機器ごとのシリアルナンバーに基づいた、個別の機器単位での管理を行うことをお勧めします。機器の横流しなど社内不正の防止にも役立ちます。

税務総合戦略室便り 第94号(2017年09月1日発行分)に掲載

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