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法人における税務上の要注意項目
~申告書確認表①~

第93号(2017年08月01日発行分)

執筆者12

前号において国税庁が公表した①申告書確認表と②大規模法人における税務上の要注意項目確認表について紹介しました。今号以降具体的にそれぞれの確認表について解説したいと思います。

申告内容の自動チェック

早速、申告書確認表の具体的検討項目について紹介しようと思いましたが、6月23日に国税庁から「税務行政の将来像~スマート化を目指して~」という情報が公表されました。そこにはAI(人工知能)等を活用した今後の税務行政についての将来像が示され、申告書の検討等についても言及されています。
 現在でも国税庁のシステムにより、金額記載誤り等については自動的にエラーが出ます。その後は、職員が確認し、納税者に接触して処理をしています。しかし、将来像としては、各法人の所得・資産の有無等から税法の適用誤りを把握し、自動的に納税者に照会することとしています。さらに、明らかに誤りがある場合には、自動的に納税者に是正の依頼をすることとしています。その際の応答事績も当然自動で作成されます。
 つまり、現在職員が行っている作業をすべてシステムで自動的に行うことを想定しています。

税務調査への影響

将来的には、現在税務署内部で事務処理をしている職員の多くが必要なくなり、違う仕事へとシフトさせることになります。
 つまり、税務調査に多くの人員を割くことになり、税務調査の件数が大幅に増加するのではないかと思います。
 さらに税務調査においてもAIを活用することにより、調査の効率化もさることながら調査後の処理も自動化されることで1件当たりの処理日数はかなり短縮されることが予想されます。調査手法も職人感覚で調査する職員が少なくなり、データを参考にした形式的な調査が多くなるのではないでしょうか。調査を受ける納税者側にとっては対策が取りやすくなると思いますが……。

具体的検討項目

 将来自動的に申告書内容をチェックしてくれるとはいえ、何がポイントなのかは知っておかなければならないと思います。そこで申告書確認表のポイントを税務調査でも問題となる部分も合わせて解説します。
 申告書確認表の確認項目はNo・1~96まであります。法人税と消費税の内容が織り込まれており、作成する別表ごとに記載されています。

共通事項〔No・1~4〕

〔No・1〕

当事業年度に適用される別表を使用していますか。
 【解説】税制改正の影響を受けて別表の内容も変わります。ただし、手書きで申告書を作成している場合のみの誤りであり、今はほとんどありません。

〔No・2〕

各別表に記載している前事業年度からの繰越額(期首現在利益積立金額、期首現在資本金等の額を含みます)は、前事業年度の申告書の金額と一致していますか。
 【解説】システムを使用すれば金額が不一致になる可能性は低いですが、修正申告があった場合等、意外と誤りが多い項目です。特に別表五関係が多いです。

〔No・3〕

法人税関係特別措置の適用を受ける場合、適用額明細書を添付していますか(租特透明化法第3条参照)。
 【解説】措置法の優遇措置を適用する場合に添付が必要ですが、システムで自動作成されるため問題ありません。

〔No・4〕

組織再編成がある場合、組織再編成に係る契約書の写し及び主要な事項に関する明細書を添付し、適格判定を行っていますか。
 【解説】合併等の組織再編があった場合には、必ず作成しなければなりません。添付もれも多く、記載内容の誤りも多いです。また、明細書だけで適格判定の誤りが発見される可能性があります。

税務総合戦略室便り 第93号(2017年08月01日発行分)に掲載

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