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グループ内組織再編

category: 自社株法人税
第92号(2017年07月01日発行分)

執筆者3

幾つかの会社をオーナー様が直接100%支配している形態の法人グループがあります。
 これら同一企業グループ内の法人を、ある目的のため、一つの法人の100%支配の下に組織再編しようとする場合、色々な手法があります。

1 株式譲渡による手法

その1つに、同一企業グループ内の法人が他の法人の株式を購入し、100%支配下にするという手法があります。下記の【例示】に示した手法です。グループの子会社となる他の法人のその時点での株式評価額が額面以下である、あるいは、グループの親会社となる法人の財務内容に余裕があるのであれば、可能な手法です。

この場合、(1)時価と著しく相違しない価格での売買取引でなければ、税務上の問題は生じません。とはいえ、法人対個人の売買取引ですから、各々に適用される法人税法と相続税法の時価算定方法には違いがあります。ここが悩ましい。この違いから、異なる株価(時価)が算定されます。このため、売買価格がどう課税に影響するのかリスクを各税法に従って予め検討しておくことをお勧めします。

(2)また、A社は株式取得後において、「株式保有特定会社」に該当する恐れはないかの検討も忘れずに行ってください。該当すると、相続時の株価評価額は大きくなる恐れがあります。

2 株式交換による手法

大きくは2つの方法があります。(1)既存の法人A社をグループの親会社とする手法と(2)新設法人を親会社とする手法です。
 どちらもよく使われている手法ですが、ここは(1)の手法による場合を紹介します。
 なお、このような「一の者」の完全支配下にある同一企業グループ内の組織再編の場合、無対価による株式交換が一般的です。何たって無対価ですから、株価の算定はしなくて済みます。また、会社法に規定された手続き上でも、一般的には、「債権者保護手続き」をしなくて済みますから、簡便に行うことができます。
 税法上の取り扱いはどうなるのかというと、既存の法人A社をグループの親会社とする同一企業グループ内の組織再編の場合、無対価株式交換であっても適格株式交換となります。

3 適格株式交換か

先ず、無対価株式交換とは何かというと、その株式交換により株式交換完全子法人の株主に株式交換完全親法人の株式その他の資産が交付されないものをいいます(法令4の3(14)一)。
 100%グループ内(完全支配下)において、「一の者」が株式交換完全子法人及び株式交換完全親法人の発行済み株式等の全部を保有している場合(兄弟関係の場合)、無対価株式交換後においても、株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に同一の者による完全支配関係が継続する見込みがあるときは、「完全支配継続要件」を満たしており、適格交換となります(法令4の3(14)二)。
 但し、無対価の場合、「一の者」が個人である場合、対価のある株式交換とは異なる取り扱いを受け、この「一の者」には特殊関係のある個人(親族)は含まれないこととされています。つまり、オーナー個人(一人)が全株を保有していることが要件となります。ご注意ください。

税務総合戦略室便り 第92号(2017年07月01日発行分)に掲載

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