税務総合戦略室便り

HOME >  税務総合戦略室便り >  第91号 >  金融商品と税金(6)

金融商品と税金(6)

category: その他
第91号(2017年06月01日発行分)

執筆者9

前回は、投資の基本であるリスクとリターンについて説明しました。投資の世界では「ノーリスク・ノーリターン」でリスクを取らなければリターンは得られません。しかし、やみくもにリスクをとっても、必ずしも期待したリターンを得られるかはわかりません。リスクを的確にコントロールしながらリターンの獲得を目指す必要があります。
 今回は、投資に伴うリスクの基本的なコントロール手法である分散投資について説明いたします。

卵は一つのかごに盛るな

投資の基本的な考え方で、投資を行う場合には、一つの商品に集中して投資するのではなく複数の商品に分散して投資を行い、リスクを分散することを意味しています。「財産三分法」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、これは、リスク分散のために、財産を「現預金」「株式」「不動産」の3種に投資するという投資手法で分散投資の基本的な考え方を示しています。「相場は相場に聞け」ともいいますが、投資はマーケットの先行きは誰もわからないという前提で考える必要があります。
 そのような誰もわからないマーケットに大事な資産を投資するのですから、マーケットが予想外に変動しても被害を最小限に抑えられるように資産を分散して投資することが重要になります。

どのように投資すべきか

「財産三分法」でも良いのですが、現代の多様な商品を前提とするとおおざっぱすぎるため分散投資の考え方について説明いたします。
 資産はその種類によって値動きが異なります。例えば、物価が上昇するインフレ時には、土地や金等の実物資産は、実質価値が減価しにくいためインフレに強いと言われています。一方、預貯金は、物価の上昇に伴い実質価値が減価するためインフレに弱いと言われています。また、同じ株式でも円安は、通常、自動車等の輸出関連株にはプラスの影響があり、逆に円高の場合には、食品や医薬品等の内需関連株が輸出関連株と比べ総じて底固い動きを示します。物価や為替相場の先行きの動きがわかるならば、一つの商品に投資を集中したほうが効率よくリターンを獲得できますが、先行きがわからない以上、投資を集中することは危険です。そのため、投資先資産の分散=リスクの分散が重要となるのです。
 分散投資を考える場合に良く使われる「相関係数(注)」という指標があります。これは2つの値の関係の強さを示す数値で、マイナス1以上1以下の実数値をとります。AとBの2つの商品の価格を例にとると、相関係数が「1」の場合には、AとBの価格は全く同じように上下することを意味します。相関係数が「マイナス1」の場合には、AとBの価格は、全く逆の動きをすることを意味します。また、相関係数が「0」の場合には、AとBの価格の動きには、何の関係もないことを意味します。相関係数がプラスの数値の場合には順(正の)相関といい、AとBが同方向に動きます(Aが上がるときはBもあがり、下がるときは同様に下がること)。反対に、相関係数がマイナスの数値の場合には逆(負の)相関といい、AとBは、逆方向に動きます(Aが上がるときはBが下がり、Aが下がるときはBが上がること)。
 なお、相関係数を求めるためには、AとBのそれぞれの標準偏差や共分散を求める必要がありますが、エクセルのCORREL関数を使うことにより、データさえあれば簡単に計算することができます。
 左の表1の商品A及びBは順相関、表2の商品C及びDは逆相関となっています。表1の組合せは、相場の見通しが当たればリターンを効率よく獲得できますが、見通しを誤った場合には損失が大きくなります。一方、表2の組合せは、相場の見通しが当たっても効率的なリターンの獲得は望めませんが見通しを誤った場合でも損失を抑えることができます。

税務総合戦略室便り 第91号(2017年06月01日発行分)に掲載

お電話でのご相談・お申込み・お問い合わせ

全国対応いたします。お気軽にお問い合わせください。

03-5354-5222

PAGE TOP