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輸入する貨物の消費税納税義務

第89号(2017年04月01日発行分)

執筆者3

1 貨物を輸入する

そもそも〝輸入〟とは何かというと、外国から我が国に到着した貨物又は輸出の許可を受けた貨物を我が国に引き取ることを言います。
 輸入する貨物については、その貨物を保税地域から引き取る時に(輸入取引として)消費税が課税されます。
 誰に課税されるのかというと、「その貨物を保税地域から引き取る者」に消費税の納税義務が生じます。通常、「その貨物を保税地域から引き取る者」が「輸入申告者」となります。
 そして、通関業務を他に委託して輸入貨物を引き取る場合の納税義務者は、その通関業者ではなく、通関業務を委託した者となります。
 参考までに、関税法上、関税を納める義務のある者(納税義務者)は、原則として「貨物を輸入する者」とされています。この場合の「貨物を輸入する者」とは、通常の輸入取引により輸入される貨物については、請求書(インボイス)に記載されている荷受人(コンサイニー)となります。

2 消費税課税時期

輸入する貨物については、その貨物を保税地域から引き取る時に(輸入)消費税が課税されることになります。このため、国外で購入した資産の国内の保税地域への搬入は消費税法上の国外取引=「不課税」取引として取り扱われます。
 では、国外で購入した貨物を保税地域から引き取る前に転売した場合(保税地域における貨物の譲渡)の消費税の取り扱いはどうなるのかというと、輸入許可を受けた貨物であると、国内において行った資産の譲渡に該当しますから「課税」となり、輸入許可を受ける前の貨物であると「免税」取引に該当します。
 ちょっと寄り道します。国外で購入した貨物を保税地域から引き取らず(輸入手続きをしない)、第三国の業者に有償で譲渡し国外に搬出した場合、その譲渡は国内における資産の譲渡等に該当しますが、輸出「免税」取引となります。
 この辺りの、消費税法上の取り扱いには注意が必要です。

3 輸入貨物を転売する

では、請求書(インボイス)に記載されている荷受人(コンサイニー)がその貨物を保税地域から引き取らない=通常の輸入取引ではない場合どうなるのか。

【事例】

例えば次の取引ように、業者Aは輸入貨物を保税地域内で業者Cに転売し、業者Bが通関業者Cに委託して輸入貨物を引き取った場合、輸入者となるのは誰なのかというと、保税地域から貨物を引き取った業者Bが「輸入申告者」となります。
 また、このような取引の場合、業者Bに代わり輸入業務を代行した通関業者C(乙仲)は、業務代行料金・輸入消費税等の立替金をまとめて業者Bに請求しています。
 ところが、このような取引を経理処理するに際して、業者Bは業者Aからの仕入「免税」取引を国内において行った資産の譲渡「課税」取引と勘違いし、代金総額から内税扱いで仮払消費税を算出してしまった例もあります。加えて通関業者Cへの支払額全体を国内における役務提供の対価の支払いと勘違いし、内税扱いで仮払消費税を算出していた例もあります。
 海外取引の絡む消費税の取扱いは難しいので注意が必要です。
 なお、業者Aの、輸入した貨物を保税地域から引き取る前に転売した売上取引は消費税法上の「免税」取引となり、国外で購入した資産の国内の保税地域への搬入(仕入取引)は国外取引ですから、消費税法上「不課税」取引となります。

税務総合戦略室便り 第89号(2017年04月01日発行分)に掲載

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