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金融商品と税金(3)

category: 節税所得税その他
第88号(2017年03月01日発行分)

中島 健雄

今回は、平成29年1月1日から加入対象者が大幅に拡充された個人型確定拠出年金制度(以下iDeCo(※1))についてご説明したいと思います。iDeCoについては、新聞や雑誌等で色々と取り上げられておりご興味をお持ちの方も多いと思います。iDeCoについて、税制上の優遇措置やメリット、デメリット及び加入に際して注意すべき点等をご説明いたします。

1 iDeCoとは

iDeCoとは、その名のとおり個人単位で加入する確定拠出型の年金制度です。年金制度には、従来型の企業年金のように給付額(年金支給額)が決まっている確定給付型年金と拠出額(保険料)は決まっているが、給付額は拠出された資金の運用成績次第で変動する確定拠出型年金の2通りがあります。また、確定拠出型年金には、事業主が会社単位で加入する企業型確定拠出年金制度と個人単位で加入するiDeCo(個人型確定拠出年金制度)があります。すなわち、iDeCoとは、個人が毎月一定額を拠出し給付額は拠出された資金の運用成績次第で変動する年金制度のことを言います。
iDeCoには、平成28年12月末までは、自営業者や企業年金に加入していない者しか加入できませんでしたが、平成29年1月から対象者が大幅に拡充され企業年金加入者や公務員等の共済年金加入者及び第3号被保険者である専業主婦も加入できるようになりました。(※2)

2 税制上の優遇措置

(1)掛金拠出時の優遇措置について

iDeCoへの拠出金は、支払額を所得から控除することができます。控除限度額は、自営業者等は月額6万8千円まで、企業年金制度に加入していない者及び専業主婦の場合には月額2万3千円まで、企業型確定拠出年金制度に加入している者は月額2万円まで、確定給付型年金制度や共済組合に加入している者は月額1万2千円まで、拠出額の全額を所得から控除することができます。すなわち、年間最大81万6千円から14万4千円まで所得からの控除が可能で、生命保険料控除が、限度額計算を行った上で最大12万円であることと比べても控除額が大きくなっています。
例えば、税率が30%(住民税等含む)、毎月2万円拠出している場合には、年間7万2千円(2万円×12×30%)税額が軽減されます。

(2)拠出金運用時の優遇措置

iDeCoは、自分で投資信託等の金融商品を選び拠出した資金を運用しますが、運用益には課税されません。例えば、投資信託の運用益には、NISA等の場合を除き20・315%課税されますが、iDeCoの場合には課税されません。また、預金の場合でも利息は非課税となっています。選択した金融商品は、複利(運用益も運用資金に算入し、運用すること)で運用されるため、運用益が非課税の場合と課税される場合とでは、運用期間が長期にわたる場合には、結果が大きく異なってきます。
例えば、30万円を3%の利率で30年間複利運用すると、非課税の場合は、運用益が約42万8千円、元利合計で約72万8千円となるのに対し、運用益に20%課税される場合には、運用益は約31万1千円、元利合計で約61万1千円となり、差額は、約11万7千円となります。実際には、掛金は毎月拠出されており、運用資金は年々増加するため、運用益が非課税の場合と課税される場合とでは、年金受給時の資金残高(元利合計額)の差額は、上述の例の場合よりも大きい額となります。

(3) 年金受給時の優遇制度

iDeCoは、加入者が60歳以上で加入期間が10年以上の場合に年金または一時金として給付金を受けとることができます。
 給付金を年金として受けとる場合には、厚生年金等の公的年金と同様に公的年金控除を適用できます。また、給付金を一時金として受けとる場合には退職所得として課税され退職所得控除を適用できます。
生命保険等の私的年金の場合には、雑所得として課税されるのに対し有利な取扱いとなっています。 (次号へ続く)

  • (※1)iDeCo=individual―type Defined Contribution pension planの略で「イデコ」といいます。
  • (※2)但し、国民年金保険料の未納者や一部の企業型確定拠出年金の加入者等は、加入できません。

税務総合戦略室便り 第88号(2017年03月01日発行分)に掲載

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