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平成27年分相続税申告状況

第88号(2017年03月01日発行分)
元国税調査官・税理士
黒崎 俊夫

平成27年分の相続税の申告状況が国税庁より発表された。平成27年から基礎控除額が従来の60%に引き下げられたため、課税割合がどの程度上昇するのか興味深かった。
 表1のとおり、申告者数は前年の5万6239人から10万3043人と約4万6800人、83・2%の増加となり、死亡者数に占める課税割合は8%(昭和33年以降最高)に達した。表には記載していないが、課税価格1億円以下の申告者数は約6万人と全体の60%を占め、明らかに基礎控除引下の影響によるものである。なお数値には、配偶者控除や小規模宅地特例を適用し、税額のない申告件数は含んでいない。
 課税割合の伸び率を出すと、2倍以上となった地域が半数あるところ東京局は1・7倍に過ぎず、課税割合が20%を超える可能性も予想していたので意外だった。ただし、愛知県が単独で13・8%の課税割合なので、東京都に限れば20%超えているかもしれない。
 国税局によっては県別のデータを公表しているところもあり、抜粋して表2にまとめた。
 課税割合では、秋田県が一番低く2・2%。同県は平成26申告者数が138人(0・9%)と極端に少なく(全国最低)、それは荒川税務署(荒川区のみ管轄)の141人にも及ばない。また、同県の一人当たり県民所得は246万円(全国38位)だが、秋田より同所得の低い青森、熊本、宮崎、鹿児島の課税割合が各々2・9、3・3、3・2、3・1%なので、県民所得と課税割合は必ずしも正の相関にないことがわかる。
 典型例は沖縄県で一人当たり県民所得210万円と全国最低であるのにかかわらず、課税割合は5・6%、1件当たり課税価格1・46億円は東京局に次いで2位である。このことから同県においては富裕層割合が多く、県民間の資産格差が相対的に大きいことが想像できる。

  • ①課税割合低いが一人当たり納税額 が低くない。→財が富裕層に集中。福岡局
  • ②課税割合普通だが、一人当たり税 額低い。→とびぬけた富裕層少ない。北陸3県
  • ③県民所得低いが課税割合高い。納 税額高い。→財が富裕層に集中。沖縄、岐阜
  • ④県民所得低くないが、課税割合低 い。→富裕層少ない。県民格差少ない。福島、宮城

その他ここに記した数値以外も国税庁ホームページ上に公開されているので、興味のある方はご覧になってください。

税務総合戦略室便り 第88号(2017年03月01日発行分)に掲載

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