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金融商品と税金(2)

category: 節税所得税その他
第87号(2017年02月01日発行分)

執筆者9

前回は、日本経済新聞の記事から、投資信託について仕組みと税制を簡単にご紹介しました。投資信託の税制は原則として投資対象の商品と同様ですが、対象とする商品が多岐にわたるため税制もそれに応じて複雑なものとなっています。
 また、外国投資信託(海外の株式や債券等を対象とする投資信託)については、対象国での税制や租税条約の有無に加え購入方法(国内での購入か海外からの直接購入か等)によっても取扱が異なるなど非常に複雑です。そのため、今回は、国内投資信託で一般的な、株式投資信託、公社債投資信託、J-REITおよびETFに関してご説明いたします。

1 株式投資信託(株式投信)

株式投信には49人以下の特定の投資家を対象とする私募株式投信と不特定多数を対象とする公募株式投信があります。私募株式投信の税制は原則として未上場株式と同様の取扱いになります。左記、公募株式投信について説明します。

①収益分配金

普通分配金は、20・315%源泉徴収されますが、特別分配金は元本の払戻のため課税されません。分配金は配当所得に分類されます。

②買取・解約・償還

買取・解約・償還の場合には、「換金価額(償還価額)」と「取得価額」との差額が「譲渡所得(損失)」とされ、利益が発生した場合には20・315%の税率で課税されます。

③申告

収益分配金については、申告不要ですが、申告分離課税または総合課税の選択も可能です。買取・解約・償還は、申告分離課税となります。申告分離課税を選択した場合は、上場株式等との損益通算が可能ですが配当控除は受けられません。

2 公社債投資信託(公社債投信)

公社債投資信託に係る税制は、平成28年1月から改正され、売却益へ課税されるようになったほか償還差益の所得分類が利子所得から譲渡所得に変更されました。また、上場及び公募公社債投信と私募公社債投信とでは取扱が異なります。左記、改正後の取扱について説明します。

(1)上場及び公募公社債投資信託
①収益分配金

 収益分配金は、20・315%の税率で源泉徴収されます。分配金は利子所得に分類され、配当控除は受けられません。

②買取・解約・償還

買取・解約・償還等により受け取った全金額(利子所得等とされる収益部分も含む)が、「譲渡所得(収入)」とされ、利益が発生した場合には20・315%の税率で課税されます。

③申告

収益分配金は、申告不要ですが申告分離課税の選択も可能です。買取・解約・償還で利益が発生した場合は申告分離課税となり、20・315%の税率で課税されます。申告分離を選択した場合は、上場株式等の譲渡損益との損益通算が可能です。

(2)私募公社債投資信託
①収益分配金

収益分配金は20・315%の税率で源泉徴収されます。

②買取・解約・償還

解約・償還により受け取った金額のうち、元本に達するまでの金額(利子所得等とされる収益部分は含まない)が、「譲渡所得(収入)」とされます。元本を超える部分は、利子所得とされ20・315%の税率で源泉徴収されます。買取の場合は、「譲渡収入(譲渡所得)」とされます。なお、譲渡損益については、一般株式等グループの売却損益と損益通算することができます。

3 J-REIT及びETF

(1)J-REIT

J-REIT(上場)は、会社型不動産投資信託として組成されており、税務上は、上場株式等(=公募株式投信)と原則として同じ取扱となっていますが配当控除は受けられません。

(2)ETF

ETFとは、契約型の公募株式投資信託で日経平均や東証株価指数等の株価指数に連動するように組成・運用されている商品です。税務上は、上場株式等(=公募株式投信)と原則として同じ取扱いとなっています。国内株価指数連動型の商品は配当控除を受けることができます。

以上、代表的な投資信託の税制についてご説明しました。投資する場合には、余分な税金を払わないですむように税制についても良くご検討ください。

税務総合戦略室便り 第87号(2017年02月01日発行分)に掲載

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