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金融商品と税金

category: 節税所得税その他
第86号(2017年01月01日発行分)

中島 健雄

想定外の米国でのトランプ次期大統領当選以降、マーケットでは、円安・株高が続いています。思わぬ利益を得られた方、あるいは損失を被った方もいらっしゃると思います。 ところで、投資というものはなかなかやっかいなもので、投資する商品を良く理解しないと、しばしば損を被ります(もちろん商品を良く理解していても損をしますが)。そして、儲けた時について回るのが「税金」で、「税金」を考えないで投資を行うと後で痛い目にあうことが間々あります。また、金融商品に関する税制は複雑であるほか馴染みが薄いこともありわかりにくいと言われています。日経新聞に掲載された記事から金融商品と税金についてご説明していきたいと思います。

1 ニュース

『毎月分配型投信の分配金「過半は元本から」8割 低金利響き運用難

QUICK資産運用研究所の調査によると投資家に毎月分配金を払う投資信託のうち8割が原資の過半を元本の取り崩しにより充てていることがわかった。低金利で運用難の投信が多く、運用益だけでは分配金をまかなえないためであった。(平成28年12月1日付日本経済新聞より抜粋)』

2 解説

(1)毎月分配型投信とは

皆様の中には、投資信託を利用されている方も多いと思います。
 投資信託とは、投資家から資金を集め、集めた資金を専門の運用会社が株式や公社債等に投資し、得られた収益を投資家に分配する商品です。有価証券を主な投資対象とする「公社債投資信託」と、それ以外の「公社債投資信託以外の投資信託」に分かれています。
 毎月分配型投信とは、1か月毎に決算を行い、毎月、収益等から一定額を分配する投資信託です。つまり、投資信託ですが、毎月一定額の分配金を受けられるため年金等の補完目的で預貯金の代替商品として高齢の方の人気が高く、中には、「分配金利回り」が年率20~30%になるものもあります。代表的な商品としてグローバルソブリンオープン(毎月決算型)があります。通称「グロソブ」といい、2014年まで12年間にわたり国内投信で純資産残高1位だったので名前を聞いたことのある方も多いと思います。

(2)分配金について

分配金には、投資信託の元本の運用により生じた収益から支払われる普通分配金と元本の払戻である特別分配金の2つの種類があります。
 つまり、毎月の分配金には、本来の収益に係る部分と元本(投資金額)の払戻によるものがあり、前述の記事によると毎月分配型投信の8割は毎月の分配金の過半を元本の取り崩しにより支払っています。その結果、出資資金(投資資金)である投資信託の基準価格が減少し、一定額の分配金を支払うために(運用資産が減少するので)益々元本を払い出す必要が生じます。
 前述の記事によると投資者の中には、この仕組みを理解していない方も多く、(投資した金額は維持されているとの誤解から)いつの間にかあると思っていた投資額がなくなってしまったという事態になる恐れがあります。

(3)投資信託と税金

さて、投資信託と分配金の仕組みについてご説明しましたが、投資信託に関する税制も複雑できちんと理解しないと思わぬ損失を被ることになります。
 投資信託の税制は、投資対象(上場株式、非上場株式、公募社債、非公募社債等)により異なっており、原則として投資対象としている商品に適用される税制と同様の取扱いとなっています。また、元本の運用収益の分配金である普通分配金は課税されますが、特別分配金には課税されません。
 例えば、上場株式等を投資対象とする公募株式投信の分配金は、配当所得と同様に選択により「源泉分離」(税率20・315%)か「申告」(申告分離または総合課税)を選ぶことができます。
 従って、所得の多い方は「源泉分離」を選択された方が有利で、株式売買で損をされた方や所得が高くない方は「申告」を選ばれた方が有利になります。この仕組みを理解せずに投資すると払わなくてもすむ税金を払うことにもなりかねませんのでご注意ください。

税務総合戦略室便り 第86号(2017年01月01日発行分)に掲載

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