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生産性向上設備促進税制の対象となる資産

category: 節税法人税
第85号(2016年12月01日発行分)

執筆者3

生産性向上設備促進税制の適用期限となる平成29年3月を間近にして、新規に取得する太陽光発電設備に、この税制を適用して節税を図ろうと計画されている方は多いかと思います。太陽光発電設備を新設する場合、発電設備本体のほかに門扉・フェンスといった構築物、更には開発行為を行う必要のある地域に設置する場合、排水路、貯水池、緑化施設といった構築物を設ける必要もあります。  問題は、これらの構築物を税法にいう生産等設備を構成する機械及び装置~構築物並びにソフトウェアに含めることができるのかという点です。
 結論的には対象資産となりそうですが、以下の手順に従って検討してみたいと思います。

1 税法では

生産性向上設備促進税制の適用対象資産である特定生産性向上設備等の範囲について、税法(租税特別措置法)は生産等設備を構成する機械及び装置・工具、器具及び備品・建物・建物付属設備・構築物並びにソフトウェアで、①産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等に該当するもののうち、②設備の種類ごとに設定された取得価額要件を満たすものをいうと規定しています。
 したがって、構築物であっても適用対象資産となり得ますが、税法では更に縛りをかけ、産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等に該当するものとしております。ここが重要です。
ここからは、②設備の種類ごとに設定された取得価額要件を満たすものをいう要件はクリアしているという前提でお話を進めます。

2 生産性向上設備に該当するのか

では、問題の①産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等とは何かというと、商品の生産若しくは販売又は役務の提供に要する施設、設備、機器、装置又はプログラムであって、事業の生産性の向上に資するものとして、経済産業省令で定めるものをいいます。
 経済産業省の規則5二号において、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」とは法人が策定した投資計画に記載されたものと規定しています。更に、経済産業省は「生産性向上設備投資促進税制Q&A集」を公表しており、その内容のうち、生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)に関して、左記の質疑応答があります。
 先ず、そのNo・B-8には次の質疑があります。

(質問)対象設備の範囲はどのように判断すればよいか。
 (回答)本税制適用の対象として申請書に添付する投資計画において、その投資の目的を達成するために必要十分な設備が対象となります。対象となる設備の金額が大きいほど本税制の適用金額が大ききなる一方、投資利益率は規定値(注:中小企業の場合5%)を達成し辛くなるため、投資目的達成に必要な設備のみが対象となっており……(以下省略)

次に、同No・B-9では、

 

(質問)取得価額の範囲はどのように判断すればよいか。
 (回答)申請した投資計画に基づいて取得する設備のうち、本税制の対象となる設備の取得価額の合計額です。なお……(以下省略)

ともあるとおり、申請書に添付する投資計画に記載されており、投資計画に基づいて取得した設備が対象となります。

3 結論

したがって、構築物が生産性向上設備促進税制の対象となる資産となるのか否かについては、そもそも投資計画に記載されているのか否かがメルクマールとなります。
 具体的(実務的)には、提出した申請書類の様式1の5設備投資の内容、6基準への適合状況及び同別紙の投資利益率を算出する際の設備投資額に構築物が記載されていることが必須となります。
 もう一度、太陽光発電設備投資を行う際に必要不可欠となっている構築物を、生産性向上設備を構成する構築物として、その範囲に含めて50%償却の対象資産することが可能となるのか、申請書類から再検討してみてはどうですか。

税務総合戦略室便り 第85号(2016年12月01日発行分)に掲載

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