巷には様々なダイエット法が溢れかえっています。有名なところでは炭水化物抜きダイエット、食べる順番ダイエット(最初に野菜や海藻などを食べる)、レコーディングダイエット(食べたものをノートに記録する)、8時間ダイエット(8時間のうちにすべての食事を済ませ、食べない時間を16時間作る)など多種多様です。
ダイエットの難しいところは、ある人にはすごく効果があって1か月で数キロやせたという方法が、他の人には全く効果がなかったというところにもあるようです。
なぜ、そのような違いがあらわれるのでしょう。人はそれぞれ体質や生活習慣が異なっており、その人に合ったダイエット法でなければ効果が薄い、それどころか合わない方法を続けていると体調を崩してしまう原因にもなりかねません。
王道は適度な運動と摂取カロリーを制限した食事療法を組み合わせることになるのかもしれませんが、自分自身の意思で継続して運動を継続し、なおかつ食べたいものを我慢し続けることは極めて困難です。だからこそテレビCMが大きな話題となっているライザップのように、付き添って叱咤激励してくれるトレーナーが必要となるのかもしれません。
ダイエット法の選択よりももっと重大で悩ましい問題があります。病気の治療法に関することです。仕事柄、多くの方からさまざまなお話をお聞きする機会に恵まれていますが、その中で意外と多い話題が病気の治療、とくにガンの治療方法に関することです。
それなりの年齢を重ねられた経営者様の中には、過去ガン治療のご経験のある方もいらっしゃいます。ご契約当初には知らなかったその事実をお付き合いの過程でお聞きすることとなり、現在の元気溌剌のお姿からは信じられない思いを持つことも少なくありません。
また顧問先様の中には、まさに最先端のガン治療に携わっておられる医療法人も数件あり、その理論と効果には、思わず税金の話をすることを忘れ聞き入ってしまいます。
標準治療と呼ばれる従来の外科手術、抗がん剤などの化学療法、放射線療法だけではなく、次々と新しい治療法が開発されています。いままでお聞きした事例だけでも遺伝子治療、免疫細胞療法、重粒子線治療などいくつもの先進治療があるようです。
このように日進月歩で次々と新しい治療法が生まれ、患者と家族の選択肢が増えたことは非常に喜ばしいことですが、その分どの治療方法を選んだらよいのか決められないというケースが出てきます。
さらに全ての治療法を最初に診断を受けた担当医が把握しているわけもなく、医師や病院によって最善と考える治療法に差があるという話も聞きます。
保険が適用されなければお金の問題で先進治療を受けられないというケースもあるでしょうし、効果が期待されたとしても副作用が痛みやリスクを伴うものであれば実行には躊躇します。いくら必死で調べても医療の専門家ではない一般人が、自分と家族にとって納得のいく最善の治療法を選択することは本当に難しいことです。
そのために医療の分野では別の専門家の意見を聞き、患者が十分に納得し最終的な判断を行うためのセカンドオピニオンを活用するというシステムが確立されています。現在の主治医との関係性の悪化を気にしてセカンドオピニオンを言い出せないという話も聞きますが、命にかかわることでそのようなことも言っていられません。
また、本当に患者さん思いの医師であれば、自身のプライドよりも患者さんの不安が解消されることを優先するはずです。最終的に当初の治療法を採用するとしても、できるだけ多くの情報を得て、広がった選択肢の中から決定することが、自分も家族も納得できるための重要なプロセスだと思います。
私達『税務総合戦略室』のサービスは、医療分野のセカンドオピニオンの考え方を税務会計の分野に取り入れました。現在の顧問税理士を変える必要はありません。長く付き合ってきて会社の状況をよく知っている税理士は「かかりつけの主治医」として企業を見守り、節税を考えながら適正な決算書・申告書を作成してくれるでしょう。
私達は、お客様や顧問税理士が判断に迷うような案件が発生した場合(税務のグレーゾーン)や、毎期の利益に対する対症療法的な節税対策だけでは解決できない事業承継・自社株対策・相続税対策などについて別の観点から助言を行い、お客様の最善の意思決定のお役に立ちたいと考えています。
現在の複雑で広範囲な税務問題を一人の税理士で解決することは非常に困難です。医療分野では病状に応じた各専門医が、それぞれの深い専門知識を生かし、患者固有の問題に対応しているように、税務の世界でもお客様ごとに異なる税金問題に応じた専門家が対応しなければ最高の結果を得ることはできません。
私達はどのような税務問題にも対応できる税務の総合病院を目指し、「税務調査対応」「法人税」「消費税」「資産税」「国際税務」「事業承継」「相続・贈与」「法令解釈」など各分野の専門家を採用してまいりました。現在は14名のスペシャリストが在籍しています。それぞれの分野の専門家が各々の知恵を出し合い、ベストな答えを導き出すために侃々諤々と話し合い(医療分野のカンファレンスのようなものです)、チームとしてお客様をお守りする体制をとっています。
税務調査や国際税務に関することなど現在の税務リスクに不安を抱える方、将来の自社株対策・事業承継や相続対策に関する選択肢を広げたい方はセカンドオピニオンとして『税務総合戦略室』をご活用いただければ幸いに思います。
ダイエット法が個々人の体質や生活習慣によって効果が異なるように、また病気の治療法も人それぞれであるように、税金の対策も会社や家族の状況によって方法が異なります。一般的な書籍に書いてあるような画一的な節税策で全ての方の税金の悩みを取り去ることは不可能です。
私達はお客様に最も適した税務対策を立案するために、ご契約当初に各税務分野の専門家を組み合わせた複数のメンバーによる「会社と個人の現状分析」を行っています。
現状分析では会社を深く理解するため、創業以来の歴史、ご商売の具体的内容、同業他社との差別化の要諦、社長と会社の貸借関係などについて掘り下げてお聞きしています。同じように個人の資産状況、ご家族の状況、趣味などもお伺いしています。
さらに人生を通じた最適なタックスプラン立案のため、これからの事業計画、人生計画、後継者へのバトンタッチの構想、退職金の希望額、引退後の夢など「未来」に対する想いもできるだけお聞かせいただくようにしています。本当に喜んでいただける提案を行うためには、お客様の夢とライフプランをよく理解することが必須であると考えているからです。
先日、あるお客様に対し、私達は奥様とお子様が永続的に安心して豊かに暮らせるために、プライベートカンパニーを活用し不動産収入が安定して得られる方法を対策案の一つとしてご提案いたしました。
ところが、その社長様は「若いうちから楽をさせると子供がダメな人間になってしまうから」という理由でその案は採用しないという選択をされました。私はそこに、子供をたくましく立派な社会人として育てたいという深い親の愛情を感じました。
納税額の圧縮を最優先に考えたスキームが会社と家族にとって最良の対策とは限りません。最善の税務対策はお客様それぞれの想いに対応したオーダーメイドのプランであるべきだと考えています。
本当の名医とはデータや画像ばかりを見て診断するのではなく、きちんと患者に向き合って、視診や触診をし、十分に話を聞いてくれる医師だと聞いたことがあります。
私達もお客様の現在そして将来のご希望を最大限お聞きしながら、そのご希望に沿ったご提案を考え続けてまいります。
税務総合戦略室便り 第85号(2016年12月01日発行分)に掲載
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