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訪問型と来社型

category: 税理士その他
第79号(2016年06月01日発行分)
エヌエムシイ税理士法人 代表社員・税理士
佐藤 修一

いわき事務所で勤務していた頃、私は約30件の企業様を担当し毎月1回必ず現場に赴き、帳簿チェック・財務内容の報告・税務相談等を行っていました。
お客様によっては、月1回の訪問を心待ちにされていて、税務会計の話しはもとより、それ以外にも社長様や奥様の悩み相談にのったり、美味しいコーヒーを何杯も入れていただいたり手作りの食事でもてなしていただいたりと、今となってはもう20年以上も前の懐かしい思い出です。
 その当時は、極論すれば、税務会計に関する用事がなくとも「とにかく毎月1回お客様を訪問する」という行為自体に価値があり、お客様もわざわざ足を運ぶ会計担当者に満足して頂いている、という信念がありました。そして、それが顧問料の対価であると思い込んでいました。

ある疑問が芽生える

そして、この考え方は東京事務所を開設してからも、毎月、2ヵ月に1回、3ヵ月に1回と、訪問回数に応じて顧問料が変動する契約形態として、当たり前のように踏襲されてきました。
 ところが、私どもの事務所に税務顧問サービスをご依頼される経営者様の話を伺うなかで、〝ある一つの変化〟が気になり始めました。それは、私どもの会計担当者が企業様の現場を定期的に訪問すること自体に、あまり魅力を感じてもらえないということです。経営者様の言葉をお借りすれば、「別にわざわざ来ていただかなくても結構ですよ、何か聞きたいときはメールしますし、会計資料なら郵送しますから」、といった具合です。
 一方、1件の企業様へのサービス提供時間の内訳を考えた時、現場との往復移動時間が最大のウェイトを占めているという現実。他にもっと価値あることに時間を割いた方が良いのでは、時間も原価と考えれば一番のムダ使いではないか、という疑問。

来社型だからこそ

そこで東京事務所においては、5年ほど前から、思い切って「訪問型」から「来社型」へ180度サービス形態を変える試みを始めました。5月末日現在、約7割の企業様が「来社型」スタイルにご賛同いただいております。
 そしてご来社して頂くことで、次のような効用が出ております。

  • 担当者のみならず必ず税理士同席の もと税務相談等に臨めるため、より 的確なアドバイスが即座にできる。
  • 複雑な税務相談については、法人税、 相続税など各専門分野の税理士が対 応できる。
  • 来社スペースが充実しているので、 現場と違い、取引先の連絡や他の従 業員の目を気にせず、集中して遠慮 なく相談ができる。

お客様第一という原点

先日、飲食店を多店舗展開されているA社長がご来社されるということで、例によって、プロジェクターで大スクリーンに会計データを投影できる会議室をご用意しお迎えしました。
 担当税理士である私と会計担当者が、様々な角度から第1四半期の財務状況・経営成績を説明させていただきました。「会計データの見方・活かし方」というテーマのもと、『変動損益計算書』を中心に経営数値をご説明すると、大変興味を示され様々な質問が飛び交いました(『変動損益計算書』は、売上に連動して増減する変動費と増減しない固定費に経費を大別し経営成績を表わすのが特徴で、経営者感覚の会計データといえます)。
 お客様をお見送りした後、担当者が私に話したことが、とても印象に残り嬉しく感じました。「所長、次の来社に向けてテーマを決めないといけないですね。また満足して頂き、来社を楽しみにしていただかないと…」。
 「来社型」スタイルだからこそ実現できるサービス、現場では不可能なことがあります。最近では、ご来社時の相談内容を議事録形式にまとめ、WEB上で報告するサービスも開始いたしました。帰られた後で、お客様が相談内容をより確実に理解していただけるように、言った言わないというトラブルがないように、と。(第73号 議事録サービスの開始を参照)
 「来社型」スタイルの税務会計サービスにより、お客様の満足度をいかにアップするか、そこに集中してスタッフ一同あらゆる知恵を絞りだすことが求められています。

税務総合戦略室便り 第79号(2016年06月01日発行分)に掲載

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