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プライベートカンパニーの利用

category: 節税法人税
第79号(2016年06月01日発行分)

その他

1 プライベートカンパニーとは

プライベートカンパニー(以下「PC」という)とは個人の資産管理を目的とする会社のことをいい、収益不動産を法人で管理する不動産管理会社とは異なり、不動産以外の金融資産等も会社に保有させ、タックスメリットの最大化を図るために設立することが一般的です。また、将来の相続を見据え、設立時点でPCの株主を、お子様等の承継者にしているケースが多いということも特徴です。

2 PCのメリット

(1)収益不動産を保有した場合の法人税と所得税の税率の差異

PCを保有する者は、PCとは別の事業会社の主宰者であることが多く、その会社からの報酬だけで高い所得税率(住民税を含め最高55%)が適用されていることが一般的です。    したがって、これらの者が個人で収益不動産を保有し、不動産所得が発生した場合、高税率での所得税が課されることになるため、法人に所有させた方が、税率のメリットを享受できる可能性が高くなります。ちなみに、現状、法人税率実効税率は約31%程度です。

(2)自宅を保有させた場合の各種経費の損金計上

自宅を個人で購入した場合、住宅ローン控除の特例はありますが、所得3千万円以下の者に限られている点等、使い勝手が悪い部分もあります。また、個人保有の場合、所得税の申告上、各種経費を必要経費に算入することはできません。  一方、自宅を法人で保有し、社長が会社から自宅を賃借する方法を採用した場合、法人側で不動産取得税や固定資産税等の各種税金、減価償却費、リフォーム費用、借入利息等が損金計上できるため、法人税の申告上、有利な面があります。  この場合、社長は会社に賃借料を払う必要がありますが、世間相場よりは低い金額(一定の算定式あり)であっても、税務上認められるため、その点もメリットです。

(3) 損益の相殺の利用

個人で不動産や有価証券を保有し、売却損が発生した場合、これらの売却損は申告分離課税となっているため、他の所得との損益通算はできません(不動産譲渡所得内、有価証券譲渡所得内での損益の相殺は、原則可能です)。  一方、法人の場合は、所得の種類に関係なく、損益の相殺をすることができますので、上記売却損を利用して、本業の利益を圧縮させることができます。  ただし、個人保有で売却益が生じる場合は、短期の不動産譲渡を除き、20%の分離課税で課税関係が終了しますので、含み益が大きい資産については、法人に移転せず、個人での所有を継続した方が有利になる可能性があります。

(4)家族への所得分散、退職金の損金計上

個人事業の場合、家族に給与を支払う場合、青色専従者給与等の制度がありますが、支給する際又は支給金額を変更する際に、事前届出が必要である点等、面倒な部分があります。  一方、法人の場合、事前に届出をすることなく、株主総会で決定した役員報酬を家族に支給することができます。過大役員報酬の制度がありますが、勤務実態がない場合を除き、税務調査で否認されるリスクは少なく、比較的大きな金額を合法的に家族に移転させることができるため、生前贈与効果があります。  また、所得税の申告では、自身や身内に対する退職金は、必要経費に算入できませんが、法人の場合は、過大な部分を除き、損金に算入することができます。

(5)生命保険

個人の場合、多額の保険料を支払ったとしても、保険料控除額は、最大12万円で頭打ちになります。一方、法人で保険に加入する場合、損金計上可能な保険であれば、上限はありませんので、全損保険や半損保険に加入することにより、法人の所得を減少させることができます。

(6)繰越欠損金の利用期間

過去から繰り越された欠損金は、当期の所得と相殺することができますが、個人の場合は3年間、法人の場合は9年間となっているため、欠損金額の利用期間が長い法人の方が有利です。

税務総合戦略室便り 第79号(2016年06月01日発行分)に掲載

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