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保険の選び方は、シンプルが一番

第30号(2011年08月01日発行分)
エヌエムシイ税理士法人 代表社員・税理士
佐藤 修一

8月決算のS社長に2回ほどご来社をいただき、私どもの事務所の”節税対策サービス”「決算前検討会」を、次のようなタイミングで実施いたしました。
〔第1回目 6月中旬実施〕 … 期首から5月までの9ヶ月間の経営実績の確認と6、7、8月の数値予測及び節税対策の検討。
〔第2回目 8月初旬実施〕 … 第1回目の内容を踏まえ、7月までの経営実績を確認。残り1ヵ月の数値予測をしたうえで、節税対策を最終決定。
S社長との毎年の恒例行事なのですが、今年は数千万円の利益が見込まれる関係で、複数の節税策をミックスし、その中の一つに保険商品も組み入れました。
 ※決算前検討会の内容につきましては、第26号(6面)で紹介させていただいております。

それぞれに特徴を持っている保険商品

今回利用した保険商品は、病気やケガに対する保障というよりはむしろ節税がメインの目的であり、加入を継続するかぎり法人税を減額する効果があります。ただし、解約した決算期に支払保険料が会社に戻ってくる際、一気に法人税が課税されるという、いわゆる「法人税の課税年度を先送りする」効果を持った商品といえます。
 このような保険商品を節税に利用する場合には、解約時の保険返戻金の使途に計画性を持たせること(例えば、社長退職金や設備投資等)、そして最大限の節税効果を生出すためにある一定期間保険料を支払い続けるだけの財務力、つまりは会社の資金繰りへの影響を考慮する必要があります。
 また、今回の節税プランの設計を依頼した保険代理店さんと話をする中で、おもしろい情報を入手いたしましたので、その内容をご紹介したいと思います。それは、「会社からオーナー社長様にボーナスが入る」効果を持った、個人資産の形成を目的にする保険商品でした。図①をご覧ください。

〔ポイント解説〕

  • 毎月の保険料50万円は、保険料及び役員給与(それぞれ25万円ずつ)として会社の経費に算入できる。
  • 5年後に社長が受取る3000万円のボーナスは、給与所得ではなく一時所得扱いとなる。
  • そのため、1500万円(役員給与としての負担分:25万円×12ヵ月×5年)と50万円(特別控除)を控除したうえで、さらに1/2に圧縮したものが課税対象になる。

悩ましい税制改正の影響

ところで、税務会計のプロである私どもが、保険商品をお客様にご案内する場合、常に細心の注意を払うことの一つに、毎年繰返される税制改正があります。
 簡単に申しあげれば、今まで節税効果があった保険商品が、税制が変わることでその効果が半減したり、商品によっては効果がゼロになってしまうケースがあるのです。
 現に、平成23年度税制改正の中にも、図①で解説した「一時所得の金額から控除できる保険料を明確にする改正」が盛り込まれております。この改正により、結果として納税者の所得税負担は増えることになります。

利用目的を明確にすることが大切

巷には、じつに様ざまな保険商品が流通しており、一般の方には内容が複雑すぎてわからない保険が多いように感じます。
 大切なのは、節税、資産づくり、保障など、保険商品の利用目的を明確にすることです。三つの目的をいっぺんに満たすようなうまい話は、何かカラクリでもあるのではないか?と思ったほうが良いのではないでしょうか。
 “シンプルが一番”、節税目的ならそれだけに絞り込んだ保険、という考え方が重要な気がいたします。

税務総合戦略室便り 第30号(2011年08月01日発行分)に掲載

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