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中国四千年の歴史じゃなくてたった三〇年の歴史~第4回 
~調査~

第37号(2012年04月01日発行分)

執筆者4

初の税務調査

税務調査なるものに初めて行ったのは、税務署に配属された一年目の秋も終わり、初冬のころだったと思います。
 当時、私は法人源泉第一部門の事務官で、内部事務は月半ばが閑散時期となるため、指導担当である総括上席と調査へ行くようになりました。そのほか、調査部門の上席の事案に連れて行ってもらうようになっていきました。
 このころは、調査に対して非常に軽く考えていました。提出された申告書をチェックする程度にしか思っていませんでしたね。ですから、売上を検討しなさいと言われたら、請求書や領収書の控えと帳簿をチェックするという作業だけをしていたものです。
 そのため、あるときに外注費から売上を検討しなさいと言われた時はちんぷんかんぷんでした。究極は、資料調査課事案に動向するときの現況調査です。現況調査って何? 一件か二件しか調査経験がない時期に、資料調査課事案に同行。できるわけありません。結局、最後にのこったのは無予告調査というものがあるということぐらいでした。
 当時は税務調査に対する思いというものが欠落していたのでしょうね。
 十年近く時が経ったときに分かったことがありました。せっかく先輩が調査した事案の調書を、読んでいたというより眺めていただけだったということです。そうはいっても、後々、先輩諸氏の調書という作品は役立つことになりました。この一年の過ごし方が違っていたら、その後、もっと違う税務の道を歩んでいたのかもしれません。この一年だけではなく、その後、もっと早く意識の変化があったらと思うこともありましたが、後悔はしていません。今の人生は自分で作ったものですから。

単独での調査へ

配属して三年後に調査部門へ。この調査部門への異動を期に、ひとりで税務調査へ行くことになるのです。
 一般的な調査はひとりが基本的です。ひとりで税務調査に初めて行ったときは緊張しました。準備調査して統括官の指示を受け、事前通知して会社と税理士との日程を調整し、そして会社に臨場です。初日、会社概況、帳簿組織、取引状況などを聴取。帳簿調査を開始します。でも、実際にどんなことを聞けばいいかよくわからず。こんなこと聞いてもいいのか、聞いたら「そんなことも知らないのか」なんて言われるんじゃないかと思いながら進めていきました。売上関係を中心に検討していくことにしました。受注はどのような方法なのか、その記録はあるのか。納品は、その際の納品書、請求書は、決済は……。
 あれやこれや考えながらも、なんとか一日目が終了。特に何もありませんでした。税務署へ帰ると統括官に復命。その日一日の調査してきた事項を報告しました。すると言われたのが、「ある書類を見ていてはダメだ」。何を言っているのだろう。ない書類はないじゃないか。要は、提出された書類だけ見ていても何も問題点はでない、提示されているものは会社に都合のいい書類だということだったのです。それでも二日間が終わり、多少の期間損益の否認で終了しました。
 二年間、同じ統括官のもとで調査をしましたが、指示通りにやるだけではダメだと言われ。それならと考えてやってくると、何でそんなところ見るんだと言われ。どうすればいいんだ? 面白くないなぁ。そのうちに、二年目の下半期は報告もしなくなっていました。
 そのときに、ある先輩に言われました。どんなに嫌な上司、気の合わない上司でも最低一年、最長でも二年、我慢すれば異動がある。我慢しなさいと。
 その言葉は、この時より後々、二十数年後に必要な言葉となりました。
 またあるとき、副署長に言われました。一人前になるには十年かかる。気長に考えることにしました。そして、税務の職場が、税務調査というものが、本当に面白いと思えるようになったのは十年後でした。
 まわりは人のことなど気にせずにいると思っていたが、ちゃんと見ていてくれている人がいる。
 この職場も捨てたものじゃない。もうしばらく、居ようと思ったときでした。

税務総合戦略室便り 第37号(2012年04月01日発行分)に掲載

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