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事業の承継・自社株の対策とは

category: 自社株
第41号(2012年09月01日発行分)

執筆者11

未上場の優良な中小会社の株式(自社株式)は、評価額が高額になっていて、オーナーの所有株式数がそのまま残ってしまっていることが多いです。  この事業会社を相続で後継者が承継しますと、多額な自社株財産は換金処分も容易ではないために物納も難しく、相続税の納税が困難になってしまいます。さらに、多額な自社株財産をめぐって遺産分配のトラブルが起こるケースも多くなっています。
 また、後継者が子ではなく、親族や他人である役員等であっても、オーナの所有株式の移譲には多額の贈与税や買い取り資金が必要となり、株式の移動が困難になってしまいます。
 以上のような、子の相続税の納税問題と遺産分けのトラブルを回避し、事前に解決しておくことが「事業承継対策」であり、「自社株対策」なのです。そして、株式の贈与や、譲渡と買い取り資金、贈与税の負担問題などを解決して、会社を承継するための対策なのです。後継者の教育問題などを除きますと、ほとんどの「事業承継対策」は「自社株対策」といえるでしょう。

 

驚愕する株式の評価額

私が事業承継・自社株問題の解決業務に取り組んだのは昭和58年からであり、以来約30年間この分野を中心にやってまいりました。
 先日、ご相談にみえられました会社オーナーの株式評価額には驚愕させられました。日本の高度経済成長期に取得した東京都新宿区の土地の評価額が膨大となり、株式の評価に反映されてしまったのです。

オーナーは高度経済成長期を経て、40数年試練と努力を重ね、機械の製造を手がけてこられました。利益金額は5千万円前後としても、40数年で内部留保を高め、無借金でやってきました。
 株式の計算をしましたところ、一株500円の株価が66400円(132.8倍)になっていました。オーナーが100%所有していますから、株式の財産額は税法上33億2000万円となりました(相続税総額は約16億円強)。

このような驚愕の株価の原因は、土地の相続税評価額(一般的には路線価と言われ、相続税を計算する基になる評価です)にありました。なんと、土地の評価が43億円(含み益が40億円)なのです。株価の計算上、土地の含み益に対し、58%が会社資産に上積みされます。また、土地の相続税評価額が会社の全資産の70%(税法上の大会社の場合)以上の割合を占めている場合は、株価の計算上、類似業種比準価額方式が採用されず、純資産価額方式のみの採用となります(一般的には類似業種比準価額方式の方が税率が低い)。
 16億円強の相続税の納税に際し、会社が自己株式(金庫株)で買い取るにしても20億円(譲渡所得税等が20%かかります)の資金が必要となり、債務超過の会社になってしまいます。

自社株対策のすすめ

今回の事例のように、普通、会社オーナーは株価について詳しくはありませんから、専門家に依頼し、株価計算する必要があります。
 そして、会社承継にあたって相続税や遺産分けの問題を検討します。また株式の移動では、贈与税や買い取り資金の検討を行います。検討の結果、様々なところで問題があれば、事前に自社株の評価を引き下げたり、贈与を生前中に行うなどの対策を講じるのです。
 この事前(相続前)の対策をお奨めします。

税務総合戦略室便り 第41号(2012年09月01日発行分)に掲載

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