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税務総合戦略室 室長通信 第八回 
専門家を選んだ時点で結果は決まっている!?

category: 税理士税務署
第41号(2012年09月01日発行分)

執筆者1

先日、立て続けに2件同じようなご相談をいただきました。従業員による残業代請求に関するご相談です。税務の分野ではないので、ご相談の上、お付き合いのある社会保険労務士さん、弁護士さんをご紹介させていただき、幸い2件とも無事解決に至りました。

 その際、いただいた依頼の内容がとても印象に残っています。お二人とも同じように『労務問題に強い先生を紹介してください』とおっしゃいました。すなわち、お客様は社会保険労務士や弁護士でも得意分野・専門分野が異なるということを十分認識され、今回の案件に最もふさわしい専門家を探されているということなのです。

税理士をどのように選んでいるか

争いになりそうなある問題が発生すると、お客様は民事事件・刑事事件・労務問題・破産手続き・知的財産分野など発生した問題に強い弁護士を探そうと考えます。問題に合致した専門家に依頼したほうがより良い結果を得られることがわかっているからです。
 さらにできるだけ「腕の良い」先生を選びたいと考えるでしょう。

 同じような視点でお客様は税理士を選んでいるでしょうか?「たまたま会社の近くの事務所だったから」「先代の社長の頃からの付き合いだから」「取引先に紹介されたから」「ホームページで料金を比較したら一番安かったから」といった理由で現在の税理士を選んだという話しをお聞きする機会が多くあります。

 なぜ税務の分野でも心配な分野に強い専門家を探すという発想にならないのでしょうか? 企業によって国際課税・事業承継・消費税・税務調査等々固有の懸念事項は存在するはずなのに……。もしかしたら、そもそも税理士業界にも得意分野・専門分野が存在するということが認知されていないのかもしれません。

税理士業界の得意分野・専門分野とは?

先日、相続に関する書籍(雑誌)の取材を受けました。宝島社から9月に発行された『相続が危ない!』という書籍で、相続税の税務調査についての取材です。税務総合戦略室のメンバー全員で座談会形式でインタビューに応じさせていただきましたが、その際、税務の専門分野についてあらためて考えることがありました。
 我々税務総合戦略室のメンバーは皆十数年間、国税当局に在籍しておりましたので、こと税務調査に関してはプロフェッショナルであると自負しております。しかし、例えば私は法人税系統の職員でしたので、相続税の税務調査を行った経験はありません。国税当局という組織は、配属され仕事の区分(法人税・所得税・資産税・管理徴収など)が決定すると、基本的には退職まで同じ系統の仕事を続けていく組織だからです。逆に、弊社の黒崎は相続税・贈与税・資産評価など資産課税ひとすじの仕事を20年以上続けてきた経歴です。今回のインタビューで黒崎の話す相続税に関する税務調査のエピソードを聞いていて、私自身も知らないことが多く、(言葉には出しませんでしたが、実際は)「へー」「なるほどー」の連続でした。私は法人税の調査の内容に関しては熟知していますが、実際に行った経験のない相続税の調査については【申告をした人のうち何割くらいが調査対象となるのか】【どのような観点で調査対象を選ぶのか】【相続税調査の初日にはどんな行動をとるのか】【家族名義預金を否認するためのテクニック】など、やはり調査経験者に多く学ぶところがあったのです。
 このように、何十年も税務の世界に身をおいてきた国税OBであっても実は得意分野・専門分野は異なるのです。
 税務総合戦略室では異なる専門分野の国税OBを集め、案件に応じた最適な担当者がサポートをさせていただく体制を採っております。例えば、相続に関するご相談があれば黒崎に自信を持って任せることができます。また、国際税務のご相談があった場合には、国税局で長年国際課税に特化した調査を行ってきた玉川や吉田に対応を任せます。我々は税務の世界にも専門分野があることを知っており、各分野において経験の長い専門家こそが最適な答を導き出せるということを知っていますので、このような対応を取っているのです。
 もし、税理士事務所にご相談案件に最適な専門家が在籍していなかった場合どうするでしょう? 正直に「自分の専門外なので対応できない」と回答するケースもあるかもしれません。しかし通常は税理士としてのプライドもありますし、お客様が離れてしまう恐れもありますので、わからないとは言わず調べて対応しようとすると思います。お客様に対して「わからない」「できない」とお答えすることはなかなかできないことですから、そのことが税理士業界にも実は専門分野が存在することが一般的に認知されていない原因かもしれません。

予防税務調査における専門性のエピソード

何度かお伝えさせていただいておりますが、私共のサービスメニューの一つに「予防税務調査」があります。複数の元国税調査官が実際の税務調査と同様の手法でお客様の財務・税務状況を確認させていただき、本番の税務調査における指摘リスクを診断するサービスです。おかげ様で多くのお問い合わせ、ご依頼をいただけるようになりました。今年上半期に行った予防税務調査において、専門分野を活かしたリスク発見のエピソードをご紹介したいと思います。
 国税局・税務署に【情報技術専門官】というポストがあります。弊社の野原は国税局調査部の情報技術専門官を勤めていた経歴があります。情報技術専門官は、IT専門官という通称もあるように税務調査において企業のパソコンやサーバ内のデジタルデータ・基幹システム・会計データなどの電子情報を解析することにより、通常の帳簿調査では発見できない誤りを見つけ出す仕事をしています。
 今回、野原は情報技術専門官の経歴を活かした調査手法を採りました。販売数量に関するコンピュータのデータをダウンロードし、仕入数量と在庫数量を論理的に解析したものと照合検討したのです。その結果、本来は一致するはずのデータ数量に差異が認められ、企業様も気づいていなかった基幹システムのプログラム誤りを発見することが出来ました。
 このような監査は通常税理士は行いません。請求書と帳簿のチェックでは絶対に発見することはできない誤りです。また、普通の税務調査でもこういったIT調査を行うことはあまりありません。【情報技術専門官】という特殊なポストに在籍していた野原の専門性によって発見できた事項だと考えています。
 このエピソードは一例ですが、私共の予防調査では企業様が心配されている税務リスクの検討は当然として、企業様が気づいていなかったリスクを発見することも目的としています。特に消費税・印紙税・国際税務などの分野で思っても見なかった税務リスクが見つかる例が多いように感じていますが、このような分野も実は一般の税理士が苦手としている分野ではないかと思います。

選んだ時点で結果は決まっている?

健康診断などで手術を要するような重大な病気が見つかったらどうするでしょう? 生死に関わるような問題だったら一生懸命調べて、いわゆる名医と言われるようなお医者さんに診断・手術をしてもらいたいと考えます。その際、どのような基準で名医かどうかを判断するでしょうか。いろいろな本やインターネットの情報がありますが、私だったらまず発見された病気の専門医を探します。心臓外科、脳外科など病気に応じた専門医です。そして、その中でさらに経験の豊かなお医者さんを探すと思います。執刀実績や診てきた症例数の多い方です。自分の身体にメスを入れるのに経験のない研修医にお願いしたい人は誰もいないでしょう。
 知識・技術はやはり培ってきた経験とともに向上していくように思います。勉強によって知識は得られますが、本当の深い部分はやはり実務経験の長い専門家に一日の長があるのではないでしょうか。
 税務の世界も選んだ専門家によって結果が異なるというのが私達の考え方です。土地の評価に関する事項、税務調査の立会いなど、税理士によって結果が違うと言われています。
 私共は多くの専門家を取り揃えることで複雑化する様々な税務問題に対応できるよう、そしてお客様が本当にお困りの時に、最もふさわしい専門家として選んでいただけるよう、「総合病院的体制」でこれからも精一杯サポートしてまいりたいと思っています。

税務総合戦略室便り 第41号(2012年09月01日発行分)に掲載

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