探偵事務所・興信所による「いじめ実態調査」というサービスをご存知でしょうか? 私は先日、テレビのニュースで初めて知りました。学校は頼りにならないし、子供も思春期特有の親に知られたくないという感情から、いじめられていることを話さないことも多いので、親御さんとしては自分の子供がいじめを受けていないか大きな不安を抱えていらっしゃるようです。そのため、探偵事務所・興信所が依頼を受け、いじめの事実がないか子供の尾行調査を行っているという内容でした。
このニュースを聞き、「子供の尾行が仕事なんて」と驚くとともに、今の世の中に必要とされているサービスなのだろうと感じました。今まで興信所の行っている業務と言えば、身元調査・素行調査・所在調査などを思い浮かべていましたが、子供を尾行するというような新しいサービスはどこの事務所が始めたのでしょうか? 最初に考えついた人はすごいと思います。ニュースではすでにこの事務所に数百件もの実態調査の依頼が来ているとのことでした。このようなサービスを必要とし、求めている人が多くいたという証拠でしょう。
私共、税務総合戦略室も今までになかった方法でサービスを行なっております。税務総合戦略室は国税庁・国税局の出身者で組織したチームです。国税庁課税部・国税局の課税部・調査部・査察部・人事課・国税不服審判所・税務大学校教授・税務署長などの経験者を揃え、現在は10名のメンバーで仕事をしています。
ご承知のとおり国税OBの税理士は世の中に大勢いますが、私共の特徴は各々の現職の頃の専門分野を活かした仕事をしているという点にあります。多様化するお客様のご要望にお応えするため、税務の各分野の専門家を揃えた総合病院的体制を目標としています。
税務の世界は非常に広範囲かつ複雑で、一人の税理士ですべての問題を解決することは困難です。国税のOBであっても現職当時に行ってきた職務に応じてそれぞれの専門分野・得意分野は異なっており、発生した税務問題に対し最高のサービスを提供するためには、その問題に対応した専門家が対応するべきだと考え、現在の体制となりました。
税務総合戦略室のサービスメニューの一つである「予防税務調査」は、複数の元国税調査官が実際の税務調査と同様の手法で模擬的にお客様の財務・税務状況を確認し、本番の税務調査の際に問題点がないかどうかを調査するサービスです。
予防税務調査サービスの内容をお客様にわかりやすくイメージしていただくため、「会社の健康診断」に例えさせていただきご説明いたします。
通常の決算・申告作業において顧問税理士は当然に税務の専門家としての監査・チェックを行っています。税務上問題とならないために法令解釈を行い、税務申告書を作成しているはずです。それなのに何故、我々の予防税務調査というサービスにニーズがあるのでしょうか?
医療の世界ではかなり前から「セカンドオピニオン」が常識となっています。普段はかかりつけの医師に診てもらっていても、何か特別の病状が見つかった場合、手術を要するような状況が発生した場合には別の専門医に「セカンドオピニオン」として診察を受け意見を聞きます。病状に合った担当医が別の視点から診断を行うことで異なる結果が導き出されるかもしれないからです。
税務問題には法律に書いていない「グレーゾーン」が存在することは皆様ご承知のとおりです。「グレーゾーン」の事実認定は人によって異なります。我々税務総合戦略室のメンバーは課税当局に在籍していた経験を活かし、「課税当局側の立場で」「国税調査官の視点で」取引の事実認定を行うことにより、顧問税理士先生とは別の視点で税務調査における課税リスクを発見することが可能となります。
冒頭の「いじめ実態調査」のようなサービスは、昔は存在していませんでした。それが現在は子供を守るためのひとつの手段として生まれ、必要とされるようになりました。世の中は刻々と変化しています。進化論で有名なイギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンは、『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である』という名言を残しています。
我々も生き残っていくためには、変化する世の中に順応したサービスをご提供し続けていかなければならないと考えています。
税務問題も日々変化しています。毎年税制改正が行われ、以前は認められていた処理が認められなくなるケースがあります。社会・経済情勢の変化に応じて課税当局の取り組みも変化します。組織再編税制・国際取引をめぐるタックスヘイブン税制や移転価格税制などの問題・租税回避行為をめぐる諸問題など、税務問題はますます複雑・多様化しています。変化する税務問題にも万全の対策を取っていただけるよう、安心して税務調査に臨んでいただけるよう、私たちも税務の専門家として変化・向上し続けなければいけないと考えています。
税務総合戦略室便り 第42号(2012年10月01日発行分)に掲載
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