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税務総合戦略室 室長通信 第十一回 
税制改正によって今年から税務調査はどう変わるのか?

第44号(2013年01月01日発行分)

執筆者1

平成23年度税制改正において、税務調査手続の明確化等を内容とする国税通則法の改正が行われ、平成25年1月1日から施行されることとなりました。

 この改正により、調査手続の透明性と納税者の予見可能性を高めるなどの観点から、税務調査手続について現行の運用上の取扱いが法令上明確化されるとともに、全ての処分(申請に対する拒否処分及び不利益処分)に対する理由附記の実施等が定められています。

安心して税務調査に臨むために

今般の改正に伴いどのように税務調査が変わるのか? 改正のトピックスが出て以来、昨年は多くのお客様、税理士からご質問をいただきました。
 税務調査の手続については、

  • 調査の日時などを納税者に連絡する「事前通知」の原則義務化
  • 課税庁の説明責任を強化する観点から、追徴課税の理由を説明するよう義務化
  • 帳簿書類の提示または提出、預かりと返還

などが定められています。

 法律の内容や国税庁のホームページなどを見る限り、私は基本的に従来と比べて税務調査が大きく変化するとは考えていません。税務調査立会いの際、調査官に今後の調査のやり方について質問したところからも、あくまで今まで行ってきた運用上の取り扱いを法的に整備したということだと思っています。
 国税庁では、今回の改正に伴い、一般納税者向けの税務調査手続に関するFAQを発表し、調査の実施に当たっては、

  • 法令に定められた税務調査手続を遵守するとともに、
  • 調査はその公益的必要性と納税者の方の私的利益とのバランスを踏まえ、
  • 社会通念上相当と認められる範囲で、納税者の方の理解と協力を得て行うものであることを認識し、その適正な遂行に努める

 としています。
 この広報資料からもわかるとおり、税務調査は法律に定められた手続に則って、納税者の権利利益の保護を図りつつ、申告のあった所得金額が正しいものであったかどうかを確認するだけのことですから、過剰に恐れたり、忌み嫌ったりする必要もないものですが、依然として多くの方にとって税務調査アレルギーは大変強いように感じます。

なぜ税務調査に対する不安感が強いのか

国税局に入局し、税務大学校で学んだ頃、次のような言葉を教わりました。「正直者には尊敬の的、悪徳者には畏怖の的」。これは昭和24年、国税庁の発足に重要な役割を果たしたアメリカ内国歳入庁ハロルド・モス氏の言葉ですが、今も国税庁の道標として語り継がれています。
 現在の日本の税制は申告納税制度です。これは、納税者が自ら税額を計算し、申告納税するというものです。この制度を維持するためには、国民の税に対する意識、すなわち「納税コンプライアンス」の向上がかかせませんが、過去実際に税務調査を行ってきた経験、更に現在税理士として多くのお客様とお会いしている経験から、ほとんどの方々は真面目に適正な申告をされていると感じています。このことは日本人の国民性、「真面目さ・正直さ」によるものだと思います。
 税務調査が申告納税制度を担保するもの、「正直者がバカをみないためのもの」であるならば、多くの善良な納税者にとって必要以上に不安を覚える必要はないはずですが、実際には、正しい申告をされているはずの方でも、税務調査の連絡があっただけで食事も咽を通らないとか、夜も眠れないなどという声をお聞きします。何故でしょうか?
 日々経理スタッフにより正確な記帳を心掛け、税理士事務所による監査・チェックを受けて決算書・申告書を作成しているのに、過去の税務調査において思ってもみなかった指摘を受けたことがトラウマになっているのかもしれません。
 さらに、全ての経済取引を網羅的に税法がカバーすることは難しいため、どうしても税務問題において事実認定・解釈に迷う部分、いわゆる「グレーゾーン」を排除することは困難です。自分自身が解釈に迷っていた部分が税務調査の際、課税庁との事実認定の考え方の違い、いわゆる「見解の相違」によって否認されるのではないかという恐れも不安の原因となります。

税務調査への不安を解消します

非常に高い「納税コンプライアンス」を有しているはずの上場企業においても税務調査により多額の追徴課税を受けてしまう例が多いことは、新聞報道等を見ても明らかです。上場企業のように十分なチェック体制を採ることができない中小企業では税務調査における否認リスクが更に高まります。
 では、安心して税務調査に臨むためには、どうしたらよいのでしょう? 判断に迷っている事例、不安に思っている事項について、事前に当局側の見解を聞いておくことができれば安心です。
 私共、『税務総合戦略室』では医療の世界と同じような「セカンドオピニオン」を行っています。現在の複雑化・多様化した税務問題に対し、一人の税理士が単独で的確な判断を行うことは困難な状況にあります。
 取引の事実認定は人により意見が異なるからこそ「グレーゾーン」「見解の相違」が生じます。我々税務総合戦略室では国税庁・国税局などの様々な部署を経験してきた複数のOBが、『課税当局側の立場で』『国税調査官の視点で』事実認定を行い、セカンドオピニオンとしての判断・意見をいたします。
 確たる正解のない分野に最適な回答を導き出すために、『税務総合戦略室』では各税法の専門家を揃え、複数のメンバーが過去の経験による十分な議論を交わした上で、結果を求める体制を採っています。

更なる安心のために

『税務総合戦略室』では「税務予防調査」というサービスを行っております。複数の元国税調査官が実際の税務調査と同様の手法で模擬的にお客様の財務・税務状況を確認し、本番の税務調査における指摘リスクを調査するサービスです。
 この「税務予防調査」により得られる効果は次のとおりです。

  • 課税当局の調査官の視点で重点的に検討される項目を抽出し、想定問答や原始記録の確認を行い、本番の税務調査における指摘リスクを分析いたします。
  • 発見された税務リスクを軽減するためのサポートを行います。
  • 実際の税務調査と全く同じ流れで、ヒアリング~帳簿調査~現場確認などを行い、さらに模擬的な練習を実施することにより、税務調査に対する不安感を軽減することができます。
  • 社内の内部牽制制度(相互チェック体制)が充実しておらず、従業員による社内不正リスクを抱えている企業が実は多く存在します。漠然とした不安を抱えていても、確実な証拠のない段階で社内調査を行うことは、会社の雰囲気・人間関係を壊してしまう恐れもあり、非常に困難です。
    税務監査という入り方をしながら、実際の税務調査同様の抜き打ち監査・現物確認調査などを行うことにより、社内不正の発見に至る場合があります。

 私共は、潜んでいる病気を発見するための健康診断のように、事前の税務診断を行うことで、安心して税務調査に臨んでいただくことを目指しております。
 お客様が不安に感じられていた、または、全く気づいていなかった内容について病状(税務リスク)が発見された場合には、最適な治療(リスク軽減処置)を行うため、その問題に応じた専門医(法令解釈・国際税務・事業承継・相続対策・調査対策など各分野の専門家)が対応策をお客様とともに考えさせていただきます。

税務総合戦略室便り 第44号(2013年01月01日発行分)に掲載

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