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自社株対策とは何か(II)

category: 自社株
第47号(2013年06月01日発行分)

執筆者11

4 自社株式の生前贈与対策(その一)

(1)自社株式の相続税評価額を引き下げて贈与する

前述しましたように、自社株式の評価額を引き下げる方法としては、高収益部門の分離や営業部門の分割がありますが、毎年の利益金額が2億円から3億円くらいの会社で、かつ内部留保金(純資産額)が多額になっている事業年度が長い場合も、株価が相当に高くなってしまっています。

(事例)
・課税所得金額         3億円
・1株あたりの簿価純資産価額
 (資本金の100倍)   5000円
・1株あたりの配当金       5円
・発行済株式総数(1株50円)  20万株
・類似業種の株価(化学工業) 190円

(2)課税所得が低くなる事業年度の翌期に後継者に生前贈与する

①通常、課税所得が最も低くなる事業年度はオーナーの退職時です。すなわち、オーナーへの生前退職金の支給のタイミングになります。  社長から会長になって会社に留まる場合は、退職したと認められませんから留意して下さい。しかし、いずれは社業から完全に引退するはずですから、その時期に株価が大幅に下がります(生命保険を解約して退職金に充当する予定の場合は、一期ずらして退職・引退の前後に解約します)。  また、役員退職金の打ち切り支給の損金処理については、分掌変更等の条件が大変厳しくなっておりますのでご注意下さい。さらに、 退職金の適正額についても、役員退職金支給規定を作成して準備します。

②課税所得を低くする方法には、法人税法上に認められている「損金性の高い生命保険」や、「オペレーティング・リース」があります。また、含み損のある資産の売却や、不良債権の償却なども考慮します。

③オーナーの生前退職金を2・5億円支給し、課税所得が5000万円になった場合の株価

(3)自社株式を生前贈与する

①株価が最も低くなった翌期に贈与します。株式20万株全てを後継者一人に贈与するとしますと、贈与税は次のようになります(直系尊属からの贈与)。

②譲渡制限付株式の後継者等への贈与の取締役会の承認  株式の譲渡とは、売買、贈与、交換、代物弁済という株主の意志に基づく株式の所有権移転を言います。したがって、オーナーが後継者等への生前贈与を行う場合は取締役会の承認が必要になります。

③贈与手続きと関係書類
・贈与する株主は、贈与前に会社に対し、贈与しようとする相手方、贈与する株式の種類および数、贈与の承認を求める旨を記載した「株式贈与承認請求書」を提出します。
・贈与承認の請求があった場合、会社はすみやかに取締役会を開催し、贈与を承認するか、もしくは別途相手方を指定するかを決議します。
・贈与承認の請求のあった日から2週間以内に、「株式贈与承認書」または「贈与の相手方指定通知書」により通知します(次号へ続く)。

税務総合戦略室便り 第47号(2013年06月01日発行分)に掲載

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