税務総合戦略室便り

HOME >  税務総合戦略室便り >  第47号 >  税務総合戦略室 室長通信 第十四回 税務の専門家によるセカンドオピニオンサービス

税務総合戦略室 室長通信 第十四回 
税務の専門家によるセカンドオピニオンサービス

category: 税理士その他
第47号(2013年06月01日発行分)

執筆者1

本年4月より、税務総合戦略室メンバーは千葉県の秀明大学で客員教授として税に関する講義を年間30回受け持たせていただくこととなりました。
 租税教育の目的は、租税に関する意義、役割、機能、仕組み等の租税制度を知るとともに、申告納税制度の理念や納税者の権利及び義務を理解し、社会の構成員としての正しい判断力と健全な納税者意識を持つ国民を育成することにあります。
 日本の将来を担う若い学生の皆さんに、租税についての正しい知識と理解を深めていただくため、お話をさせていただくことは大変責任の重い仕事ですが、社会貢献の一環として非常にやりがいのあることだと一同、気の引き締まる思いでいます。

秀明大学での講義の様子

税務総合戦略室の特徴

今回、客員教授のご依頼をいただいた理由のひとつには、『税務総合戦略室』が様々な分野の専門家を揃えていることが挙げられます。
 経済取引の複雑化・国際化に伴い、税務問題も多様化し、より専門的で高度な判断が求められるようになっています。私達は多様化するお客様のニーズにお応えするために、税務の世界も医療の世界のような専門性が必要になってきたと考えています。かかりつけの内科医では歯の治療や心臓手術や脳外科手術を行うことができないように、税務の世界も現在の広範囲な税務問題を一人の専門家だけで解決するのは困難な状況にあります。
 「国際税務」「相続対策」「自社株対策」「組織再編税制」「税務調査対策」など高度な専門的知識が必要なジャンルでは、やはりその分野のプロフェッショナルに診断・対策を依頼しないと最適な結果は得られません。それどころか、場合によっては誤った診断・提案により、取り返しのつかない大怪我を負ってしまうようなことにもなりかねません。
 『税務総合戦略室』では「税務調査」「国際税務」「移転価格税制」「相続・贈与」「事業承継」「消費税」「法令解釈」など各分野の専門家を採用しています。
 このたびの秀明大学における全30回の講義においても、各講座の税法に関する深い部分は、税務総合戦略室メンバーの各専門分野に応じて担当させていただく予定です。

セカンドオピニオンの活用

複数の専門家を上手に活用する方法として、すでに広く行われている例としては医療の分野でのセカンドオピニオンがあります。
 セカンドオピニオンとは現在の主治医を変更することではありません。主治医との良好な関係を保ちながら、他の複数の専門家の意見を聞くことです。
 ご承知のとおり、医療は日々進歩し、様々な新しい治療法が生まれています。そのため、医師によって病気に対する考え方・治療法も異なることがあります。例えば癌が発見されたときに、切除手術を行うのか、放射線治療を行うのかというケースなどです。また、医師や病院によって、医療技術や診療の質に差があることも考えられます。
 患者としては、治療を行う際に「ほかにどのような選択肢があるのか」「その治療方法にはどんなリスクがあるのか」を知った上で、最終的な判断を行うことが非常に重要であり、納得のいく方法です。
 私達『税務総合戦略室』のサービスはセカンドオピニオンを基本としています。しかし、税務の世界では医療の世界ほどにはセカンドオピニオンが活用されているとは言えません。医療の世界でさえ日本ではセカンドオピニオンが十分に普及しておらず「いままでの主治医に失礼に当たるのでは」といった心配をされる方も多いようです。
 まして税務の世界においては、「今の顧問税理士とは違う専門家の意見を聞いてみよう」という経営者の方はまだごく一部に限られているといった印象を受けます。
 なぜでしょうか?

現在の顧問税理士をかえる必要はありません

税務の世界では税法の解釈は誰が行っても同じだと考えられているのかもしれません。しかし、医療の世界の進歩と同様に、税の分野も日々変化しています。毎年、税制改正が行われ、いままでの判断では対応できないケースも生じてきます。
 また、税務当局と見解の相違が生じるような案件では、事実認定のとらえ方によってそれぞれ答えが違ってきます。あらゆる経済取引を法律で規定することは不可能ですから、ある取引のとらえ方、事実認定の仕方によって、そこにあてはめる法律の解釈も異なることになります。事実、税務総合戦略室メンバーで複雑な案件について税務上の取り扱いをディスカッションすると、様々な異なった意見が生まれます。
 判断に迷うような複雑な税務問題が生じた時に、確かな正解のない部分について、自分ひとりの考えで答えを出すのは専門家であっても不安なものです。(自分の出した結論が税務当局に認められるものかどうか……)(もし税務調査で否認されたらどうしよう……)。自然と税務調査で否認されないようにと保守的な考えで処理することが多くなるかもしれません。その結果、本当は、より税コストを最小化できたかもしれないのに、その機会を逸している可能性もあります。
 私達は、医療の世界のセカンドオピニオンの考え方を税務会計の分野にも取り入れることで、最善の意思決定に役立てたいと考えています。現在の顧問税理士をかえる必要はありません。長い間付き合ってきて会社の状況をよく知っている税理士は「かかりつけの内科医」「主治医」のように企業を見守り、財務状況や企業体質に変化が生じた場合にはいち早く異変に気づくかもしれません。
 『税務総合戦略室』は、複数の専門家を揃えた総合病院的な立場で、主治医の税理士と力を合わせてお客様をお守りすることを目指しています。私達は、お客様や主治医である顧問税理士が判断に迷うような案件が発生した場合に、その診断内容(=事実認定)や治療法(=法令解釈)に関してセカンドオピニオンとしての助言を行い、複数の意見を聞いた上でお客様が最善と考える結論を導くためにお役に立ちます。

さらに進んだ税務リスク防衛策

問題が起きた場合、判断に迷う事案が発生した場合に、セカンドオピニオンを活用し、最適な答を求めることはもちろん有効なことです。しかし、さらに進んだ税務リスク防衛策があります。
 医療の分野には定期的な健康診断や人間ドックというものがあります。病気が見つかってから対応するよりも、より能動的に病気が隠れていないかチェックしようという考え方によるものです。人間ドックによる早期発見によって、重大な結果になることを避けられたという例は多いと思います。
 私共『税務総合戦略室』では、税務における定期的な健康診断として「税務予防調査」というサービスを行っております。年に一度、複数の元国税調査官が実際の税務調査と同様の手法でお客様の財務・税務状況を模擬的に調査するサービスです。実際の税務調査の際に問題点を指摘されるリスクを早期に発見し、対応策を検討することで、万全の体制で安心して税務調査に臨んでいただけるものと考えております。より積極的な税務リスク防衛策としてご活用いただければ幸いです。

税務総合戦略室便り 第47号(2013年06月01日発行分)に掲載

お電話でのご相談・お申込み・お問い合わせ

全国対応いたします。お気軽にお問い合わせください。

03-5354-5222

PAGE TOP