弊社では7月から「オーナー経営者のための戦略的税務対策と資産運用」と題し、新しい税務対策セミナーを開催いたします。
オーナー企業においては会社と個人資産が一体化しており、切り離すことが難しいため、会社と個人を一体としてとらえた税務対策を考えていく必要があります。
私共は、これまでも様々な税の各分野に特化したセミナーを行ってまいりましたが、この新セミナーでは法人税及び経営者の個人資産に対する税コストを削減し、保有資産を後継者に円滑に引き継いでいくために、相続や事業承継対策、海外を利用した資産運用などをはじめ、会社と個人を一体としてとらえた節税対策を網羅的に解説していく予定です。
弊社の代表である野本も、会計事務所を開業して今年で42年、現在は税理士法人と財務システムの開発および会計事務所に特化したコンサルティング会社などグループ5社の経営をしているオーナー経営者です。
20年、30年、40年といった長い経営の中で、オーナー経営者は皆一様にある悩み、苦しみと格闘していると野本は言います。
その悩み、苦しみの原因は、
という3つの問題です。
懸命に目をかけ、厳しく、優しく、時にはアメとムチを使い分け、情熱とお金を投じて手塩にかけて育ててきた幹部社員が、ある日突然、辞表一枚で辞めていく。表向きはプロジェクトの失敗の責任等という理由であっても、実はライバル会社に転職する人もいれば、顧客を持っていき独立する人もいる。
そのときに経営者は思います。「あんなに期待して目をかけていたのに」「恩をあだで返された」と。
また一方では逆のことも考えます。「あの時の対応がまずかったのか」「次はあの社員も裏切るのではないか」。
そして、こうも考えるのです。「こんな風に疑心暗鬼になり、未練がましく考える自分はなんて小さいのか……」。
このように、従業員について経営者は葛藤するものだそうです。この苦しみ、悔しさは、決して一般社員やサラリーマン社長にはわからないと言います。
しかし、最後に別の苦しみが待っています。税金の問題です。事業が成功し、黒字企業へと成長していくと、法人税のみならず、経営者個人にかかる税負担もはね上がります。
従業員の問題、お金の問題、他にも様々なアクシデントに対応しながら、365日、24時間、人生をすべて事業に捧げ、自分をすり減らし格闘してきて、やっとそれなりの報酬を手にするようになったとき、今度は重い税負担がのしかかってきます。
稼いだお金の半分近くが徴収されるような税負担に対しては、従業員の離職や資金繰りの問題と同様、自分という存在の一部を切り取られるかのような感覚に陥るものだそうです。
結局のところ、従業員やサラリーマン社長とは異なり、オーナー経営者にとっては、会社の財布も個人の財布も一緒くたになっているというのが本当のところだと思います。
もちろん表向きは会社には会社の帳簿があり、個人とは財布が別になっています。しかし、人生を事業に捧げてきた経営者にとって、現実はそのようなものは机上の空論です。前述したように、資金繰りに行き詰まったときには、経営者は個人資産を会社に貸し付けて窮地を凌ぎます。
会社が軌道に乗り、利益をあげるようになるとオーナー経営者が車や家などを会社名義で所有することがあります。すると、「会社を私物化している」と目くじらを立てる社員がいます。しかし、逆に会社がピンチの際に経営者個人の財産を会社につぎ込んでいることを社員は知らないのです。
さらには、その会社に対する貸付金が、将来においては経営者個人の相続財産として課税対象になることなど、考えるはずもありません。
今日まで事業を継続されているということは、創業以来、何十年と会計事務所と顧問契約を結んでいらっしゃるということです。顧問契約の中で会計事務所は、会計帳簿の作成を行い、諸制度を活用し、税金をできるだけ少なくし、決算書・申告書を作成します。また、会社のみならず経営者個人の報酬や配当などを処理し、確定申告も行います。いずれも、最終的には税務当局から否認されないように適正な処理をしているのです。
したがいまして、会計事務所と顧問契約を結んでいれば、税務当局との間に特に問題は生じません。しかし、表面的には問題なくても、10年、20年、30年と年月が蓄積していく中で、実はひそかに膿がたまり始め、ある時には一気に問題が噴出することもあるのです。
それではこの膿の正体はいかなるものでしょうか。例を挙げれば枚挙に暇がないのですが、ひとつには自社株の問題があります。創業期には従業員や兄弟や親戚、知人などいわゆる身内に対して自社の株を分け与えることがあるかと思います。
しかし、年月を経て会社の業績があがると、ある時「もっと配当を」と声をあげる者が出てきたりします。また、高騰した自社株の買取要求などの問題に発展することもしばしばです。
他にも、
といった顧問税理士による毎期の定期的なチェックを受けていてもなかなか解決できない問題が、つまり膿がたまっていくものなのです。
そして、最終的にはオーナー経営者に対する税金という形で問題が表面化するのです。
このように書くと「顧問契約を結んでいるのに何故に会計事務所は膿を取り除いてくれないんだ」とお思いになるでしょう。これは、こうした膿を毎年取り除いていくのは、帳簿の作成やチェックなどの毎月の顧問契約でカバーする範疇から外れた問題であるととらえている会計事務所が多いためではないかと考えています。
事実、これらの問題を放っておいても毎期の決算において特に問題はなく、税務当局からも指摘されることはありません。そして、最終的にはオーナー経営者にしわ寄せがいってしまうのです。
このような背景があり、弊社の代表である野本は、会社と経営者個人を一体としてとらえた、戦略的に税コストを低減していく対策の必要性を痛感し、数年前から元国税調査官の税理士を税目や専門分野ごとに集め、税務総合戦略室というチームを立ち上げました。
税務総合戦略室では、国税庁・国税局の総務部・課税部・調査部、国税不服審判所・税務大学校などで活躍していたスペシャリストがチームとして年間を通じて、戦略的税務対策を実行します。
結果、会社のみならず経営者個人も常に最大の税コスト削減効果と大きな安心を感じていただけるのです。
今までの税理士は変える必要はありません。毎月の帳簿作成、決算・申告は顧問契約を結んでいらっしゃる会計事務所に引き続きお任せください。私どもは会計事務所の顧問契約では補えない部分をセカンドオピニオンサービスとしてご提供いたします。
このたび新たに企画したセミナーでは、自身がオーナー経営者でもある代表の野本と3名の元国税調査官が、各々の専門分野を活かした戦略的税務対策についてお話をさせていただきます。
私共の新しいセミナーが、成長に伴い膨らんできた問題解決のための一助となりますことを願っております。
税務総合戦略室便り 第48号(2013年07月01日発行分)に掲載
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