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税務総合戦略室 室長通信 第十六回 
あるオーナー社長A氏を悩ませる税務問題

第49号(2013年08月01日発行分)

執筆者1

去る7月16日、『税務総合戦略室』は「オーナー経営者のための戦略的税務対策と資産運用」と題した新しい税務対策セミナーを開催いたしました。
 当セミナーは、法人及び経営者の個人資産に対する税コストを削減し、保有資産を後継者に円滑に引き継いでいくために、相続や事業承継対策、海外を利用した資産運用などをはじめ、会社と個人を一体としてとらえた戦略的な税務対策を考えていく内容となっております。
 当日はおかげをもちまして大勢のお客様にお越しいただき、さらにNHKによるセミナーの取材も行われ、熱気に満ちた時間となりました。
 セミナー終了後、ご参加いただいた方々のお話をお聞きし、資産家に対する課税強化の流れが加速している状況の中、あらためて経営者の抱いておられる重税感や、今まで築き上げてきた資産をなんとか円滑に後継者に引き継いでいきたいという熱い想いを実感いたしました。

のしかかる重税 戦略的な税コスト削減を

上場企業の社長と、非公開企業のオーナー経営者とでは背負っている責任がまったく違います。非公開企業では金融機関からの借入れに際し、社長自身が個人保証をします。一方、上場企業の社長は個人保証などしません。また、会社が傾いたとき、雇われ社長は退職届一通で責任を取りますが、オーナー経営者の背負う責任はそんなものではありません。個人資産を全て売却し、最悪の場合、その一命を持って責任を取るケースさえあります。
 オーナー経営者はこのように会社の全責任を背負い、24時間、365日人生の全てを事業に捧げ、人の何倍も苦労して成功を収めてきた訳ですが、成功した結果、今度は高額な税金に悩まされることとなります。仮に同じ納税額だとしても、その所得を得るために苦労してきた道程の過酷さが異なるからこそ、オーナー経営者の抱く重税感は大きいのではないでしょうか。
 さらには、すでに高い所得税を納めたうえの残りで築き上げた財産にまで最終的には高額の相続税がかかることには、皆様大きな抵抗感を持っています。
 誰しも自分の人生をかけて築いた大切な財産を、次世代の子孫に目減りすることなく引きついでいきたいと考えますが、現状では相続により資産は大きく減ってしまいます。
 世界の中では、相続税はすでに税金を納めた上での財産にかかる、いわゆる二重課税の制度だとして、相続においては税を課さない、または低い税率とするという国も多いのですが、現在の日本の税制では真逆、すなわち相続税増税が加速している状況です。
 厳しい日本の財政状況が続く限り、資産家に対する課税強化の流れは変わらないでしょう。今までどおり何の対抗策もとらなければ、せっかく苦労して築き上げた財産の多くは税金として徴収され、後継者に継承していくことはできません。
 私共は、これからはもっと税コストの削減、資産運用に目を向けるべきだと考えています。そして、今までよりももっと戦略的な税務対策を行っていくべきだと思っています。

気づかぬうちに見込み相続税額が約7億円に

私共『税務総合戦略室』にご相談にいらっしゃったあるお客様の例をご紹介いたします。
 そのオーナー社長A氏は会社を創業して20余年、業績を順調に伸ばし、役員報酬に対する高額な所得税を納税しながらも個人資産を増やし、金融資産は1億5千万円超、不動産も同額程度所有しています。さらに自分の会社に4億5千万円ほど貸付をしています。
 毎期の決算は顧問税理士により適正申告を心がけ、数回の税務調査においても特段大きな問題となる事項はありませんでした。そのため法人の決算について特に心配はしていませんでしたが、年齢を重ね、ある日ふと「もしも相続ということになったらどのくらいの税金になるのだろう?」と不安に駆られ、相談にいらっしゃったのです。
 私共で法人の株式を評価し、個人資産の状況・ご家族の状況等を現状分析した上で相続税額を試算したところ、現時点での見込み相続税額は、なんと約7億円という結果になりました。今まで築き上げてこられた金融資産に加え、所有不動産を全て処分しても納税資金が足りないということになります。
 このような状況となった理由としては

  • 毎期順調に利益が計上されてきたことにより、会社の株価が上昇し、自社株の評価額はすでに12億円を超えている。
  • 総資産額は18億円あるが、そのうち自社株が総資産額の65%を占め、その自社株は換金性がなく、納税資金とはなりえない。
  • 会社に対する貸付金が総資産額の24%を占め、貸付金残高は額面で相続財産として評価されてしまう。

 ことなどが挙げられます。
 この現状分析の結果によりA社長は大変なショックを受けました。「相続税に対する漠然とした不安はあったものの、相続により今まで努力して築き上げた財産の大部分が税金として失われるとは……」「もっと早く何かしらの対策を講じておくべきだった……」。
 なぜ、顧問税理士による毎期の定期的な税務チェックを受けているにもかかわらず、このような問題が蓄積してしまったのでしょうか。

税務顧問契約の業務範囲とは

顧問税理士に依頼していながらこのような問題が蓄積してしまう原因として、会計事務所の業務範囲に対する認識の違いということが考えられます。
 お客様は、毎期の税務申告を任せておけば、税理士は当然にすべての税務リスクに対し専門家として適切な対応をしてくれるだろうと考えます。しかし、会計事務所が考えている通常の顧問契約の範囲で行う業務は、法人税の決算・申告業務であれば会計帳簿の作成を行い、法律の範囲内で諸制度を活用し、節税対策をしたうえで税務当局に否認されない内容の決算書・申告書を作成することです。
 業績が好調で毎期自社株の評価が高くなっていっても、毎期の決算で何も問題は生じませんし、税務調査で問題になることもありません。中長期的に将来のお客様の相続まで含めた対策を考えるのは、毎月の顧問契約でカバーする範疇から外れた問題だと考えているのが会計事務所サイドの認識なのです。その結果、20年、30年と年月が蓄積していく中で、実はひそかに膿がたまり始め、ある時、一気に問題が噴出するということになるのです。

戦略的税務対策で相続税額がゼロに

今まで繰り返し本稿でお話してまいりましたが、すべての税務問題に完全に対応できる税理士は存在しないというのが現実です。
 医療の世界には様々な専門分野が存在し、その分野に応じた専門医がいるように、税務の世界にも専門分野が存在します。法人の決算・申告を専門業務としている税理士にとって自社株対策は専門外の案件であり、自信を持って処理できないというのが実態なのです。したがって、将来の相続で自社株が大きな問題となることが想像できても、自分の専門外の案件に対しては見て見ぬふりをしてしまうということになります。
 私共『税務総合戦略室』では、税務の分野でも深い部分はそれぞれの案件に応じた専門家が対応するべきだと考え、国税庁・国税局などの専門部署出身の元国税調査官を集めました。お客様の税務問題に万全に備えるためには一人の税理士ではなく、各専門分野の税理士がチームを組んだ「総合病院」的な体制が必要なのです。
 前述したオーナー社長A氏の場合、自社株対策専門の税理士・相続税対策専門の税理士・法人税専門の税理士が知恵を出し合い、7億円の見込み相続税額を1億5千万円まで減少する対策、すなわち5億5千万円の税コスト削減策をご提案いたしました。さらに、併せて弊社の国際税務専門税理士のスキームを活用すれば、相続税額を0円とすることまで可能となります。
 お客様の蓄積してしまった税務問題を解決するために、私共はいわゆる会計事務所の顧問契約では補えない部分をセカンドオピニオンサービスとしてご提供いたします。不安を感じていらっしゃる税務問題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

税務総合戦略室便り 第49号(2013年08月01日発行分)に掲載

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