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税務見聞録~多税に無税~第5回 
古き良き時代

category: 税務署
第50号(2013年10月01日発行分)

執筆者4

税務職員を取り巻く環境は社会経済情勢に合わせて変化してきています。私が入局した昭和55年(1980年)から、退官した平成23年(2011年)の約30年間でも大きく変わりました。
 最大の変化は、平成元年4月に施行された消費税ではないでしょうか。物品税が廃止され、消費税導入後の平成3年7月には機構改革により間接税部門が消滅し、現在の組織体系になりました。
 毎年のように税制が改正されたり、時々、新たに税法が制定されたりすることがあります。「税制が悪い」「税法が間違っている」などの苦情はあるものの、税務行政を執行していくうえで、特に税務調査においてなんら混乱することはありませんでした。しかし、国家公務員倫理法と情報公開法が制定された時は、何だかんだで色々縛られたのではないでしょうか。実際、この二つの法律の制定により、制定前と後では実務上におおきな変化があります。

【制定前】

規制はないわけではないが、おおらかであり、また、大目に見てくれていた時代ではなかったのではないでしょうか。

飲食

仕事終わりにチョッと一杯なんてことは日常茶飯事。それも、調査関連資料がどっさり詰まったカバンを持って居酒屋へ、一軒のつもりがもう一軒なんてことも。よくもまぁ、何もなかった? ……なんてことはなく、紛失事件もあったと思いますよ。

交通事故

死亡事故はマスコミ報道されたでしょうが……と言いつつ、報道されていないものもあったのではないでしょうか。飲酒および酒気帯びでの違反は新聞報道されていなかったのではないでしょうか。

書類管理

持ち出しの規制はありませんでした。簡単に言えば持ち出し自由。ただし、自己責任です。紛失した場合は探すのが基本姿勢? これもマスコミ報道はあまりなかったようです。

調査事務

かなり強行的。やや強引に実施していたのではないでしょうか。無予告調査なるものがあります。連絡せずにいきなり会社に行く。簡単には帰らない。実際、自分でやっていたころは何もできずに帰った事案はほとんどありませんでした。

情報公開

ほとんどなし。統計的な発表も一部しかしていませんでした。

【制定後】

ルール第一。どんなに仕事ができても、ルール違反はダメ。昔なら敗者復活もあり得たが……。

飲食

仕事関連の資料を持っての酒は御法度。書類紛失したものならそりゃもう大騒ぎさ。紛失物の内容により関係各所へ謝罪。紛失がなくてもルール違反で処分。OBとの飲食も規制されています。

交通事故

事故の度合いにもよるかもしれないが自発的に発表しています。死亡事故しかり、飲酒、酒気帯びや幹部の起こした事故など、厳しい処分が待っています。

書類管理

これが一番ルール化されたものではないでしょうか。庁舎内書類の庁舎外持ち出しの原則禁止。必要な場合は許可制。それも極力最小限ということ。そして、持ち帰り確認。当然、執務は庁舎内。自宅への書類持ち出しも禁止。ルール違反は処分が待っている。許可なく持ち出したり紛失したりは即マスコミ発表。

調査事務

調査より書類管理。さらに、平成25年1月1日から通則法改正により、税務調査手続について法令化。
 確かに法令化したことにより明確になったと言えます。反面、お役所仕事的になってしまったように感じます。どのように感じるか、思うかは、受け取る側の問題ではありますが、法律を逆手に取って入口で争う者もでてくるでしょう。世知辛い世の中になっていくのでしょうか。

税務総合戦略室便り 第50号(2013年10月01日発行分)に掲載

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