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税務総合戦略室 室長通信 第十七回 
「主治医」と「専門医」の活用法

第50号(2013年10月01日発行分)

執筆者1

弊社『税務総合戦略室』のサービスはセカンドオピニオンを基本としています。すでに医療の分野では、主治医との良好な関係を保ちながら、他の複数の専門家の意見を聞き、十分に納得したうえで患者が最終的な判断を行うシステムが出来上がっています。
 私達は、医療の世界のセカンドオピニオンの考え方を税務会計の分野にも取り入れることで、お客様の最善の意思決定のお役に立ちたいと考えています。現在の顧問税理士を変える必要はありません。長年付き合ってきて会社の状況をよく知っている税理士は「かかりつけの内科医」「主治医」として企業を見守り、財務状況や企業体質に変化が生じた際にはいち早く異変に気付くかもしれません。
 『税務総合戦略室』は複数の専門家を揃えた総合病院的な立場で、主治医である顧問税理士と力を合わせてお客様をお守りすることを目指しています。私達は、お客様や顧問税理士が判断に迷うような案件が発生した場合や税務調査で思いもよらなかった指摘を受けた場合に、その診断内容(=事実認定)や治療法(=法令解釈)に関してセカンドオピニオンとしての助言を行い、複数の意見を聞いた上でお客様が最善と考える結論を導くためのお役に立ちたいと考えています。

セカンドオピニオンが必要な理由

経済取引の複雑化・広域化・国際化に伴い、税務問題も多様化しており、より専門的で高度な判断が求められるようになっています。多様化するお客様のニーズにお応えし、税理士本来の業務である税務判断を的確に行っていくためには、専門家として個々人が研鑽を重ね努力していくしかないのですが、現実問題として現在の広範囲な税務問題を一人の税理士で解決するのは困難な状況にあります。
 『税務総合戦略室』は、多様化するお客様の税務問題を解決するためには、税務の世界も医療の世界と同様、発生した問題に応じたプロフェッショナルが対応すべきだと考え、「税務調査」「国際税務」「移転価格税制」「相続・贈与」「事業承継」「消費税」「法令解釈」など各分野の専門家を揃えました。

セカンドオピニオンへの障害

弊社のセカンドオピニオンサービスについて共感され、ご興味を持っていただいた経営者の方から、「他の専門家に相談すると、今の税理士が機嫌を損ねるのではないかと心配で……」「今の税理士を信頼していないように思われるので、契約したことがわからないようにできませんか?」というお話をいただくことがあります。
 その一方、顧問税理士については「海外取引が増加し、外国法人も設立したが、今の税理士は国際税務の知識がないので」「うちの先生は会社の決算はきちんとやってくれるが、相続の相談には対応してくれない」「経費計上について考え方の相違が多く、いつも納得できない気持ちを持っている」「前回の税務調査では、まったく頼りにならなかった」とおっしゃるのです。
 お客様は税理士に対し、そんなに気を使う必要はないと思います。
 大切な会社と個人資産を守るためには、案件に応じた専門家を活用していくべきです。

お客様第一主義の専門家がとるべき行動

再び医療の分野で考えてみましょう。かかりつけの主治医(内科医)が、患者に対し、自分の手に負えない病気の疑いを持ったときにどうするでしょうか? 間違いなく総合病院などの専門医に紹介状を書き、専門的な立場からの診察を勧めます。患者の命、健康を考えれば当然の処置だからです。
 また、弁護士が顧問契約をしているクライアントに自分の得意分野以外の事件が発生した場合、どうするでしょうか? やはり、発生してしまった事件に強い別の弁護士を紹介すると思います。問題をより良く解決するためには、その問題に強い専門家が対応するのがベストだからです。
 私達、税理士業界も本当にお客様のことを考えるのであれば、同じような行動を取るべきではないでしょうか。自分自身で解決できない問題が発生したのならば、その問題を「解決できる人」に任せるしかありません。
 複雑な税務問題に関しては、この問題は自分の事務所の専門外であると説明し、内容に合致した専門家によるコンサルティングを勧めるのが本当のお客様第一主義だと思います。

ある税理士先生の事例

先日、西日本のある税理士先生が『税務総合戦略室』に相談にいらっしゃいました。クライアントに税務調査が入り、すでに半年以上が経過しているが決着にいたらない。税務署の指摘が正しいものなのかどうか教えてもらいたいという用件でした。
 争点となっているのは過大役員報酬、つまり会社が支払っている役員報酬の額が不相当に高額であるという指摘です。会社が適正だと考えて支払っている報酬について、税務署が高すぎるだの、安すぎるだの(安いという指摘は行われませんが)言う筋合いのものでもないと思いますが、税法では「その法人と同種同規模の事業を営む他社の役員に対する報酬と比較して過大と認められる部分」は過大報酬として費用にできないことになっています。
 ご相談にみえた税理士先生としては、同種同規模の法人と比較といわれても、税務当局と違って数多くの比較対象を持っているわけではなく、税務署が高額だと指摘していることを受け入れざるを得ないのかどうか判断できないということです。至極もっともなことだと思います。
 『税務総合戦略室』では国税当局勤務の経験を生かし、会社規模・業務成績から判断した適正額の相場観や、税務調査時に提示すべき資料、説明方法などをお話しさせていただきました。するとその後、その税理士先生はクライアントの社長に今回のご相談の顛末を報告され、セカンドオピニオンとして弊社を活用することを提案してくださいました。
 結果、私共は主治医であるこの税理士先生とタッグを組んで次回の税務調査の立会をし、共にお客様をお守りする体制を築くことができました。
 この一件で私は大いに感激しました。通常は自分自身のプライドが邪魔をして、本来得意でない分野も知ったふりをしたり、他の専門家に相談したとしてもそのことを自分のクライアントには伏せておいたりする税理士も多い中、この先生はとにかく今回の税務調査からお客様を守りたいという一心で、同業他社のセカンドオピニオンを顧問先に進言してくれたのです。これこそお客様のことを一番に考える素晴らしい先生だと思いました。
 「自分の顧問先を取られてしまうのではないか」という不安から、セカンドオピニオンの活用に消極的な専門家が多い中、このような行動がとれるのは、クライアントとの関係性が良好だからこそできることだと感じています。

力を合わせてお客様をお守りする

社会・経済情勢の変化に応じて税制も改正が行われますが、法律に記載のある部分であれば税務のプロとして対応することは可能です。
 しかし、全ての経済取引を法律に記載することは不可能ですから、どうしても税務問題には事実認定・解釈に迷う部分、いわゆる「グレーゾーン」が発生します。
 確たる正解のない部分について、自分ひとりの考えで答を出すのは不安なものです。自分の出した結論が課税当局に認められるものなのかどうか……。税務調査でお墨付きをもらうまでは常に不安が残ります。
 私達は、医師や弁護士の例と同じように、これからは税理士も同業同士力を合わせてお客様をお守りしていくことが必要な時代になったと考えています。
 『税務総合戦略室』は、顧問先の税理士(主治医)と力を合わせ、発生した問題に対しての専門家(専門医)として、国税当局のOBとしての経験を活かしながら問題を共に解決し、お客様に最高の安心を感じていただくことを使命として活動していきたいと考えています。

税務総合戦略室便り 第50号(2013年10月01日発行分)に掲載

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