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自社株対策とは何か(後編VI)

category: 自社株
第51号(2013年11月01日発行分)

執筆者11

5 持株会の活用と自社株対策(その三)

(1)自社株を社員持株会へ売却する

①社員持株会への放出対策の考え方
オーナー個人の所有する自社株の一部を社員持株会に放出することにより、株式数を減少させ、相続税の課税財産を減少させる対策です。  その際、オーナー会社における事業承継の重要な要素の一つとして、経営支配権の問題があります。もともと経営基盤の弱い非公開会社である中小企業において、株式分散による多数株主の存在は問題が多いと考えられます。したがって、オーナー一族で最低議決権数の50%以上、できれば株主総会での特別決議に必要な3分の2以上の議決権数が望ましいことになります。  例えば、オーナーが100%の株式数および議決権数を保有している場合、社員持株会に議決権のある普通株式を所有させる場合のオーナーの放出数は30%の範囲になります(70%が残る)。  しかし、株主総会での主要な決議に参加できない議決権制限株式(無議決権株式等)に変更しておいてから社員持株会に所有させるならば、オーナーは何%でも株式を放出できることになります(議決権制限株式等については次回)。

このように、オーナーの減らしたい自社株式財産額によって決めることになります。
②社員持株会の社員株主への売却価額
社員持株会の会員株主は、同族株主以外の株主でありかつ少数株主ですので、例外的な評価方法である配当還元価額で売却しても問題ないとされています。  例えば、年間10%の配当率であれば、売却価額は1株あたりの資本の額(旧額面)になります。したがって、1株あたりの資本の額以上で売却すればよいことになります。  ただし、売却価額が1株あたりの資本の額以下であっても、社員1人あたりの贈与額が非課税範囲の110万円以内であれば、贈与税は課税されないことになります。
③完全無議決権株式による対策と効果
・オーナーの所有する株式5万4000株のうち、2万株(発行済株式総数の3分の1)を完全無議決権株式に変更する(手続きについては次回)。
・社員持株会に売却する。  ※売却価額  500円×2万株=1000万円  ※株式譲渡金 1000万円-1000万円=0
・オーナーの保有財産額  ※2万円×3万4000株=6億8000万円⇒4億円の減額・オーナーの議決権割合
④社員持株会への放出による自社株財産減少のまとめ
オーナーの所有株式を議決権制限株式に転換する(社員のモチベーションアップも含めて配当優先株式を検討する)。
オーナーは転換した株式を社員持株会加入予定の社員へ売却する(または、現金拠出で社員持株会を設立しておき、その持分に応じて持株会へ売却する)。
株式を取得した社員は、株式を拠出して社員持株会を設立する(先行設立もあり)。
オーナーの株式財産額が減少する。ただし、オーナー一族の議決権割合に注意が必要。

税務総合戦略室便り 第51号(2013年11月01日発行分)に掲載

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