税務総合戦略室便り

HOME >  税務総合戦略室便り >  第59号 >  自社株対策とは何か(XVII)

自社株対策とは何か(XVII)

category: 自社株
第59号(2014年10月01日発行分)

執筆者11

9. 株式交換による株価対策

(2)株式交換の税務の概要

株式交換の税務上において、適格株式交換に該当すれば、完全子法人(会社法の完全子会社)の資産の移転に伴う課税関係は生じません。非適格株式交換であれば、特定の資産が時価評価され、その評価損益が益金または損金に算入されることになります。

①適格条件の概要

(i)100%のグループ法人の場合の要件
 株式交換前に同一の者(個人の場合、配偶者、6親等以内の血族および親戚内の姻族など)により、完全親法人(会社法上の完全親会社)となる法人および完全子法人となる法人の発行済株式等の全部を直接または間接に保有される、完全支配関係にある場合

  • 完全親法人の株式のみが交付されること
  • 株式交換後、100%の完全支配関係が継続する見込みであること

(ii)資本の支配関係が50%超~100%未満のグループ法人の場合の要件

  • 完全親法人の株式のみが交付されること
  • 完全子法人の主要な事業の継続が見込まれること
  • 完全子法人の従業者の概ね80%以上が引き続き業務に従事する見込みがあること
  • 株式交換後、50%超の支配関係が継続する見込みであること

(iii)共同で事業を行う場合の要件
 資本の支配関係が0%から50%以下の企業グループに該当しない場合であっても、次の要件をすべて満たせば適格株式交換となります。

  • 完全子法人の株式のみが交付されること
  • 完全子法人の主要な事業と親法人の事業が相互に関連すること
    (相互に関連するとは、同種の事業を営んでいる場合や、同一の製品の製造と販売を行う場合、商品、資産、サービス、経営資源が同一または類似する場合等を言います)
  • 両法人の規模が概ね1対5の範囲であること。または、完全子法人の常務以上の役員が一人も退任しないこと
  • 完全子法人の従業者の概ね80%以上が引き続き業務に従事する見込みがあること
  • 株式の継続保有が見込まれること(ただし、株主が50名以上の場合は不要)
  • 株式交換後に100%の完全支配関係が継続する見込みであること

②非適格株式交換の税務上の扱い

完全子会社となる法人の株式交換直前において有する特定の資産(土地等、その他の固定資産、有価証券、金銭債権、繰延資産)について時価評価を行い、株式交換の日の属する事業年度の所得の計算上、評価損益を益金または損金の額に算入します。
(資産の評価益の益金不算入規定および資産の評価額の損金不算入規定は適用されません)

③完全親法人の完全子法人株式の取得価額

(i)適格株式交換の場合

  • 完全子法人の株主が50人未満
    完全子会社となる株主の株式交換直前の帳簿価額(株式が個人の場合は取得価額)の合計額に、その株式を取得するために要した費用を加算した金額が完全親法人の取得価額となります。すなわち、完全子法人になる株主の取得価額を承継することになり、含み損益も承継することになります。
  • 完全子法人の株主が50人以上
    完全子法人となる法人の株式交換直前の税務上の簿価純資産(資産の帳簿価額-負債の帳簿価額)に、株式を取得するために要した費用を加算した価額が完全親法人の取得価額になります。

(ii)適格株式交換の場合

  • 非適格株式交換の場合
    完全子法人株式を取得するために通常要する価額が取得価額になります。すなわち、税務上の「時価」となります。

④完全親法人の資本金等

(i)適格株式交換の場合
 完全子法人の株式の取得価額から、株主に交付した金銭、株主以外の資産を減算した金額(株式の取得に要した費用を加算している場合はその金額を除く)。

(ii)非適格株式交換の場合
 株式交換により取得した完全子法人の時価取得価額から、株主に交付した金銭、株式以外の資産を減算した額(株式の取得に要した費用を加算している場合はその金額を除く)。

税務総合戦略室便り 第59号(2014年10月01日発行分)に掲載

お電話でのご相談・お申込み・お問い合わせ

全国対応いたします。お気軽にお問い合わせください。

03-5354-5222

PAGE TOP