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太陽光発電は個人の「事業所得」か?

category: 法人税所得税
第60号(2014年11月01日発行分)

執筆者3

1. 事業所得の認定要素

事業所得の「事業」の意義について直接定めた規定はありませんが、「自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」(56年最高裁判決)と解されています。
 その後の平成11年10月15日名古屋審判所裁決で示された判断基準として、「事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無、自己の危険と計算における事業遂行の有無、その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度、人的・物的設備の有無、その取引の目的、その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点を総合して、社会通念上、事業といい得るか否かによって判断する」とあります。言葉ではわかり辛いヨネ。
 早い話、“総合勘案”なので、すべての項目に百点満点を要求されているわけではないということです。

2. “争い”に見る過大退職金とは

1. 事業規模
 太陽光発電事業では、1発電設備あたり50kW/h以上の出力であると、電気事業法では管理者を設けなければならないことから、50kW以上であれば事業的規模であると一応判断されていました。
 しかしながら、ここで重要な点は、事業であるか否かは、電気事業法に掲げられた設備単位の発電能力(50kW以上)のみで判断されているわけではないことです。事業遂行の内容も認定要素となります。
2. 事業遂行の内容
 事業と言われるためには、本人の従事状況、つまり、事業を遂行するにあたって何をしているのかも問われます。自己の計算と危険において独立して営まれているか否かが事業性の判定要素となっているので、丸投げ(業務を全て一括委託している)はまずダメでしょう。
 事業所得と認められる条件である、「事業遂行を自らのリスクと計算において行う」ということは、汗をかきいろいろとやっている、その結果として、収支計算書に様々な事業活動の痕跡(多様な支出)が認められる方が、より良いに決まっています。

3. 資源エネルギー庁のホームページでは

今年の2月(確定申告前)、資源エネルギー庁は個人が行う全量売電に係る売電収入が事業所得に該当するか否かの判断目安をホームページ上で公表しました。
 その“目安”として、出力50kW以上の場合は一般的には事業所得に該当するとし、50kW未満でも、例えば、設備の周囲にフェンス設置している、除草や除雪をおこなっているといった「一定の管理」をおこなっている場合は、一般的に事業所得に該当するとしています。資源エネルギー庁は、事業規模と事業遂行の内容を事業所得か否かの判断目安として、このことを示したと言えるでしょう。
 ただし、あくまでも判断目安と位置付けており、最終的には税務署に相談することを促していますので、確定申告に際しては、未だに要注意ダ。とは言っても、この〝目安〟が一人歩きをしていそうダネ。
 最後に。
 ここに来て、太陽光発電設備の“即時償却”による節税策(グリーン投資減税の活用)は人気を博しており、27年3月期限に向けて日本中で品不足状態に陥っています。
 そこに、経済産業省から期限延長(1年)の税制改正要望が8月29日に提出されました。一方では、九州、四国、東北電力による契約の受入れ中段が相次ぎ9月末にかけて発表され、騒ぎを引き起こしています。
 平成27年3月が、本当にこのブームとも言える現象の終わり(再延長なし)となるのか否か、経営者にとってはホットな情報が欲しいところです。

税務総合戦略室便り 第60号(2014年11月01日発行分)に掲載

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