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税務見聞録~多税に無税~第18回 
不正Ⅱ

第66号(2015年05月01日発行分)

執筆者4

すべての道は売上から(65号より続く)

                

「全ての道はローマから」ではありませんが、調査の基本は売上・収入除外を把握する調査です。何故なら、売上を検討する際には、売上という観点だけでなく、原価である仕入、外注及び棚卸資産等にも目を向けて調べていくからです。企業経営の上で資金がなくてはなりません。 それなら資金ということだけで考えれば借入という手もありますが、借りた資金は返さなくてはならないことからも儲かっていなければ返済することもできませんし、資金がなければ仕入や人件費など経費を支出することもできなくなります。
 売上を調べることは、その会社がどのような製品を製造しているのか、どのような商品を販売しているのか、どのようなサービスを提供しているのかを知り、そのためにはどのような経費が掛かっているのか、利益率はどのくらいか、棚卸資産はどのくらいの期間で販売されるのかなど様々な情報を得ることができます。更に情報を得なければ何も調べることはできません。 情報を得ないで調査することは不正計算の把握には近づくことはできないということになります。また、調査方法は業種によって異なります。すべての業種を同じ方法で調べることありません。
 売上除外を把握することは実は難しいものなのです。なぜなら、原始記録、証拠書類が破棄されているか、最初から作成されていないことが多いからです。何もないのは強いですよ。調べる手掛かりがないのですからね。しかし、そこはプロです。何かしら突破口を捜します。では、どこから手をつけるか。

                

PLからの追跡

  • 総勘定元帳または補助元帳と納品書・請求書・領収書を突合する。オーソドックスな方法ですが、売上除外となることは少ないですね。通常使用している書類ですから、記帳されているでしょう。稀に記帳忘れということはあるかもしれませんね。
     請求書・納品書・領収書の控え枚数を数えて破棄されていないか。見積書を作成していれば見積書が発行されている相手先の売上が計上されているか。受注方法により受注状況が確認できる資料を検討することにより、売上除外用の書類がないかを検討していきます。つまり、単純に売上関係資料からの検討でもいろいろな角度により検討することが可能であり、展開を広げることはできるのです。
  • 売上原価、製造原価、棚卸資産から。無い書類を捜そうとしても、端緒がなければ探せない。ならば、有る資料から考えればいいことになります。売上の構成となる原価等は仕入、外注、さらに棚卸資産が売上になっていくことから対応させればいいことになります。仕入はあるが売上がない。外注へ仕事を依頼しているが売上がない。棚卸資産として商品はあるが、その商品の売上がないといった具合に紐解いていきます。
  • 現金商売。査察案件で常に上位に入る業種が現金商売ですね。お金のことをお足といいますよね。取引決裁金を振込にすれば銀行預金に履歴が残ります。しかし、現金は足がつかないですね。だから、小売業、飲食業、対個人サービスなど現金決済による商売は売上を除外し易いと考えられています。銭函勘定ならなおさらです。現在、多くのお店はレジスターを設置していますが、それでも売上除外は可能のため注視されているのです。取引先は不特定多数のため反面調査もできません。どうするか。
             

現金収入法人は、調査する際は内観や外観を行うわけです。状況によっては張り込みまでします。現金は誰がどこにどのようにして管理しているか。閉店後、現金はどうするか。自宅へ持っていくのか、夜間金庫に預けるのか。その銀行は1行なのか複数の銀行か。取引銀行か。取引のない銀行へ預けていないか。公表外銀行であればビンゴ。
 レジを打っていても間違いないか。疑えばきりがないですが、昨今のITは優秀ですからね。不正プログラムというものも存在します。場合によってはプログラム解析により売上除外を把握します。端緒は些細なもので十分なのです。何か売上除外の臭いがするかしないかが深く入り込む分岐点なのです。
 今日も、税務職員が客を装いあなたのお店にやって来るかもしれません。
(次号につづく)

税務総合戦略室便り 第66号(2015年05月01日発行分)に掲載

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