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税務職員とはいったい何者なのか~採用時研修編①~

category: 税務署
第66号(2015年05月01日発行分)

執筆者12

4月に採用された新入社員が研修などを終えて各部署に配属され、何もかもが初めてで、苦労している人が多いのではないかと思います。
 前号で「税務職員として採用される人はどのような人か」について紹介しました。今回は税務職員の研修について、紹介したいと思います。

大学卒業してまた大学に行くの?

               

4月に国税専門官として採用されると、「税務大学校」(以下「税大」といいます。)に通うことになります。
皆さんの中にも「税大」について大学と勘違いしている人が多いかもしれません。調査先で「税務職員の人は税務大学という大学で税法を勉強してきた人達だよね?」と言われたこともあります。実は、「税大」とは国税庁の研修機関であり、大学ではありません。本校校舎が埼玉県の和光市にあり、その他札幌から沖縄まで12の地方研修所があります。
 「税大」では、税務職員の採用時の研修から専門的研修まで数多く行われています。ホームページもあり、研修の内容などが公開されていますので、参考に一度見てみるとおもしろいと思います。また、税務調査に来た調査官がどの研修を受けてきたかを雑談などで聞いてみると、例えば、「国際科」を出ている人は、「海外取引について普通の職員よりは詳しいな」など対応しやすくなると思います。
 私も税務職員としての10年の間幸運にも数多くの研修に参加することができました。そこで、今回は、「税大」での研修の中から国税専門官として採用された職員が採用時に学ぶ「専門官基礎研修」(以下「基礎研」といいます。)についてご紹介します。

和光校舎とは

「基礎研」は、採用された4月から6月までの3か月間「税大」和光校舎で行われます。現在は、一部変更になっていると思います。
 和光校舎を初めて見た第一印象は、「すごい設備で大学と同じだな」です。実際、校舎の中には、大小様々な教室、大きな食堂、宿泊施設、グラウンド、体育館そしてプールまであります。全く知らない人が外観だけを見て、大学と勘違いするのも納得できます。
 その校舎に国税専門官として採用された研修生が全国から集まってきます。私が採用された時の同期は700人以上いましたので、一つの教室にその人数が一堂に会して研修を行う光景は圧巻です。私の時も人数は多かったですが、最近の採用人数は1000人を超えていますので、一番大きい教室でも全員を一度に集めることは不可能になっているのではないかと思います。

全税法を学ぶスーパー研修!?

                

実際に「基礎研」ではどんなことを行っていると思いますか?実は「税大」のホームページには研修カリュキュラムも公表されています。そのカリュキュラムを見ると、講義時間数306時間中約51%の157・5時間が税法科目、約21%の66時間が簿記会計学となっています。
 では、研修時間数をみると多くの時間を税法科目及び簿記会計学に費やしていますが、「基礎研」を修了した税職務員が税務調査に来た場合には、どの程度の知識を持っていると考えればいいと思いますか?
 もちろん人それぞれレベルの違いはありますが、私だけでなく、多くの同期は、税法についてほとんどわかっていなかったと思います。税務調査の経験が少ないというだけではなく、そもそも税法自体がわかっていなかったため、「何が正解かがわからない」「何をどうすればいいのか」「何のためにこの資料を調べているのか」という状態でした。
 なぜ、多くの研修時間を費やしているにもかかわらず、ほとんど知識がなかったかというと、もちろん、私がしっかり勉強していなかったこともあると思いますが、「基礎研」で学ぶ税法科目については、基礎の基礎レベルでしかなく、実務的内容はほとんどなかったからだと思います。現在は、育成体系が変化しているため、全く同じではありませんが、そんなに大差はないと思います。
 税法の基礎の基礎しか学んでいない「基礎研」ですが、私は「基礎研」には、その人の人生を左右しかねない3つのターニングポイントがあると思います。その3つについては、次回紹介したいと思います。
(次号につづく)

税務総合戦略室便り 第66号(2015年05月01日発行分)に掲載

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