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税務職員とはいったい何者なのか~採用時研修編③~

category: 税務署
第68号(2015年07月01日発行分)

執筆者12

この第68号が発行される7月は、税務職員にとって1年で最も落ち着かない時期だと思います。それは年に1回ある定期人事異動があるからです。税務職員の異動のサイクルは、平均して2~3年と比較的短いです。私も10年間の税務職員生活の中で人事異動を何回も経験しましたが、発表直前1週間前くらいからは落ち着かず、毎回ドキドキしていました。税務職員に限らずどの会社でも人事異動は予想できるものではなく、人事異動がその人の人生に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
 さて、今号では、前号に引き続き、人事異動と同じくらい影響がある専門官基礎研修(以下「基礎研」といいます。)の3つのターニングポイントである①簿記2級受験②事務系統発表③配属先決定のうちの②事務系統発表について紹介したいと思います。

事務系統とは何か

そもそも「事務系統」と言われても国税独特の用語であるため、わからないと思います。税務署では、取り扱う税金ごとに部署が分かれています。
 大雑把に分けると
法人税を担当する「法人課税部門」、所得税を担当する「個人課税部門」、相続税を担当する「資産課税部門」、税金の徴収をする「徴収部門」、納税者の窓口となる「管理運営部門」となります。消費税については、会社が申告する場合には、「法人課税部門」、個人事業者が申告する場合には、「個人課税部門」が担当します。「事務系統」とは、「法人」、「所得」、「資産」、「徴収」など自分が専門とする分野のことをいいます。別名「背番号」ともいわれます。実はこの「背番号」は一度付けたらほとんど変わらないのが特徴です。定年まで一度も変わらない人もいます。つまり、自分の専門分野以外の税金については、ほとんど知らずに過ごすことになります。

事務系統を野球で例えると

もう少しわかりやすく説明するために、私は野球が好きなため、「事務系統」を野球に例えてみたいと思います。日本のプロ野球選手を想像してください。選手は、ドラフトで入団時には、「投手」、「捕手」、「内野手」、「外野手」のポジションが決まっています。少年野球であれば、どのポジションでもこなせると思いますが、プロの世界ではそういう訳にはいきません。稀に「投手」から「野手」にコンバートされる人もいますが、基本的には入団時のポジションで現役生活を送ります。他のポジションでプレーするのはファン感謝デーくらいではないでしょうか。
 現在「二刀流」で成功している選手がいますが、プロの世界ではレアケースであり、才能と相当の努力が必要であることは間違いありません。税務署でも全税目を総合的に扱う部署がありますが、各ポジションからの寄せ集めであり、個人個人が「二刀流」とまではいえません。しかし、プロ野球と同様に税務職員でも近い将来例えば「法人」と「資産」の本物の「二刀流」職員が登場するかもしれません。

先発から抑えへ

「事務系統」については、さきほど紹介した以外にも勤務を重ねていくと「総務」、「人事」「査察」、「調査部」、「国際」などの新しい分野が登場してきます。例えば「調査部」、「国際」などは基本的には「法人」の「背番号」の人が行くことが多い分野です。「投手」で入団し、「先発」担当だった人が、「中継ぎ」「抑え」の適性が認められて配置転換されるイメージです。「投手」というポジションは同じですが、それぞれの役割が異なるため、調整方法や意識も変える必要があります。
 つまり、「調査部」を例にとってみると、法人税を専門にすることには基本的に変わりはないですが、税務署が担当する会社と規模が異なるため、今までの調査手法と全く同じという訳にはいきません。税法の知識についても高度なものが要求されます。
また、中には人事業務などの管理業務の「背番号」が付く人もいます。「投手」から選手ではない「フロント」に入ることになります。
 調査官の「背番号」が何かを知ることは税務調査に対応する上で、調査官のレベルを図る上でも重要な要素の一つであることは間違いないと思います。
 基礎研での「事務系統発表」の様子については次号へ続く。

税務総合戦略室便り 第68号(2015年07月01日発行分)に掲載

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