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税務見聞録~多税に無税~第20回 
不正Ⅳ

第68号(2015年07月01日発行分)

執筆者4

アナログからデジタル!(67号より続く)

税務調査の手法も時代の変遷のよって変化してきています。その最たるものがコンピュータの進化によるものです。
 私が税務署に配属された昭和56年頃は、補助簿、総勘定元帳などの書類、帳簿はまだまだ手書きの時代でした。そのため、記載した内容の訂正も二重線で消したり修正液で消したりしてそのうえに訂正されていたものです。次第に元帳はコンピュータ入力されたものをアウトプットされるようになりました。
 しかし、中小企業が会社の業務に使用していくまでにはいたっていませんでした。そのなかでも、特定の業界はその業界独自のコンピュータシステムが確立されていきました。パチンコ業界のホールコンピュータ、ラブホテルのラブコンといわれるシステムです。共に売上を管理集計するためのものです。
しかし、適確な売上管理をする反面、売上除外を設定できるものでもありました。つまり、不正プログラムが存在するということであり、その解明をするための調査手法の開発が行われていくことになります。
バブル時期には取引などが拡大されていくことに伴いコンピュータを導入する企業が増加し始め、国税組織も対応できる者を育成すべく研修などを実施していきます。当時はDOSの世界のため、コンピュータ概論から始まり、プログラミングができように、またはプログラムが読めるようにということです。
その後、ウィンドウズ95の出現により、急速に企業のIT化が進み、それと同時に税務調査のIT化への対応が急務となっていくことになります。しかし、企業の進化に国税の調査法が追随していく状況でした。

 デジタルフォレンジックという言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞きなれない言葉だと思います。不正アクセスや機密情報漏えいなどコンピュータに関する犯罪や法的紛争が生じた際に、原因究明や操作に必要な機器やデータ、電子的記録を収集分析し、その法的な証拠性を明らかにする手段や技術のことです。
対象となるのは、パソコンやサーバ、ネットワーク機器、携帯電話、情報家電などデジタルデータを扱う機器となります。コンピュータを押収してハードディスクから証拠となるファイルを探し出したり、サーバのログファイルから不正アクセスの記録を割り出したり、破壊消去されたディスクを復元して証拠となるデータを押収したりといった技術が該当します。
国税の世界では、主に査察の犯罪捜査に用いられるものではあるが、通常の税務調査においても似たような調査を行います。国税の社会でも国際化高度情報化広域化への対応を掲げきています。ICT(情報通信技術)の進化と国税の対応は開きがあります。昭和の終わりごろから注目はさせていたましたが、実際、電子データをベースに調査を展開することはほとんどなく、アナログである「ペーパー」を基準に調査され、不正に関しては、不正内容や不正金額を記したメモがあると考え、メモを捜すことを優先していました。
 しかし、現在は隠されたデータを捜すことになります。そのため、前述したような消去破壊されたデータを復元したり、隠されたデータや非表示のデータなどを捜し解析します。そのため、企業の様々なデータをダウンロードしてエクセル、アクセスの活用、検索機能を利用して不審点の抽出を行うのです。特に、メールには非常に関心を持ち、企業のメール監視ツールやメールサーバなどのデータを分析するのです。今や当たり前のようにパソコンの保存データを確認したり、データをダウンロードしたりしているのです。

 今では、納税義務者の申告事績はKSKシステムにより一元管理されています。そのため、全国の納税者の申告状況を瞬時に検索でき、同業者比較も時間を掛けずにできるようになっています。電子申告が定着してきています。
これは、電子政府への確立の一環です。現在、不動産登記、商業登記などは電子データによる提供がされています。マイナンバーが導入され、官公庁への書類等が電子化されればすべてを一元管理できることになるのです。

(次号につづく)

税務総合戦略室便り 第68号(2015年07月01日発行分)に掲載

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