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元国税調査官のひとりごと 第11回 
どんな会社が調査に入られるのか

第70号(2015年09月01日発行分)

伊藤 徹也

オーナー社長の方にとって、「税務調査に入られる」ことはやはり、大きな税務ストレスになっていると思います。
 私ども、元国税職員ということで、「どんな会社が調査対象に選ばれるのか」とよく質問されます。
 私も、国税に入った当初、先輩にどうやって調査先を選んでいるのか伺ったことがありますが、「それはなあ、臭うんだよ」と教えられて、何のことかさっぱりわからなかった思い出があります。
 会社の税務調査割合は、4%にも満たない状況です。(数字上は平均して25年に1回ということになります。)
 それなのに3年毎に来る会社もあれば、設立以来、20年以上一度も来ていない会社もあるなど、様々だと思います。これでは、調査対象に選ばれるのは、何か法則があるのではないかと思いますよね。
 調査対象に選ばれるまでには、次の3つのステップがあります。

1 KSKシステムによる粗選定

現在国税庁では、KSKというシステムを導入しています。英語の略でなく、「国税総合管理システム」(KOKUZEI SOUGOU KANRI)の頭文字をとっているのですが、NHK(日本放送協会)みたいな感じですね。
 地域や税目を超えて情報を一元的に管理するもので、全国すべての税務署がネットワークで結ばれているので、申告データはもちろん、全国の税務職員が収集した情報も蓄積されていて、それらの情報を一つずつ丹念にチェックすることで、調査に行くべき会社を選んでいきます。

2 外観・内偵調査による選定

申告書、ネット情報から、会社の所在地、店舗、倉庫、社長の自宅などを知ることはできますので、その外観を見て、調査が必要か否かの判断材料にもします。
 近隣の銀行が申告書に記載されているか、止まっている車に書かれている会社名が申告書に記載されている先か、高級外車が止まっていれば、会社のものかなど結構多くの情報が得られるのです。
 店舗であれば、実際客として入ってみたりもします、客入り状況や、レジ打ちの有無、伝票の記載状況(例えば連番がふってあるか)などをチェックし調査が必要な会社か判断する材料にします。

3 決算データ分析による選定

過去からの決算書や、内訳書を並べてみてその流れから、指摘する事項を想定することもします。
 前述のKSKシステムからは、色々な分析数値が抽出されます。
 さらに全国のデータが入っていますので、「標準値」が出てきます、その値との比較で、様々な疑問や想定がされるのです。
 この3ステップを踏んで調査先は決められていくのですが、その他にも調査先に選ばれる流れがあります。

4 第四のステップ

投書やタレコミといったもの、つまり告発です。
 ほとんどは、根拠のないうわさであったり、妬みであったりするものが多いのですが、なかには、会社経営者の元奥さん、元愛人、元役員、従業員など内部事情に詳しい方からの情報もあるのです。
 信憑性の高い情報に対しては、すぐに調査対象にすることもあります。予期せぬところから災難が降りかかってくることもあるのです。

5 税務調査対象に選ばれないために

ここまで読んでいただいたとおり、調査対象は、様々な情報から選んでいますのでどんな会社に調査が来るか、答は1つではないのです。
 様々な情報を総合的に勘案して、やはり「臭う」ところに来るというのが答えになるのだと思います。

 私どもであれば、現職時代の経験から、申告データの分析や、ご商売の状況のヒアリングを通じて、当局から見て「臭う」会社なのかどうか、中期的に「臭わない」会社にするにはどのような経理をしていけばいいのかよくわかっています。
 たとえ実際に調査に来た場合でも、私どもにお任せいただければ、調査官の思考回路は熟知しておりますので、税務調査を短期間で、もめることなく終結させるためのお役にたてるものと考えております。
 ご不安なことがあれば、是非一度相談してみてください。適切なアドバイスをさせていただけると思います。

税務総合戦略室便り 第70号(2015年09月01日発行分)に掲載

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