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固定資産税の節税

第73号(2015年12月01日発行分)
元国税調査官・税理士
黒崎 俊夫

土地の固定資産税評価額は、地価公示価格水準の概ね70%で評価され、税率は固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%である(東京都の場合)。 
 地価公示価格=時価とすると、時価1億円の土地に対しては、以下で述べる住宅用地特例等をないとすれば、1億円×0.7×(0.014+0.003)=119万円を毎年納付するわけであり、決して少ない金額ではない。
 固定資産税は賦課課税だから、毎年都税事務所から通知される税額を黙って納付している人がほとんどであろうが、通知書に記載された数字を吟味することで、都税の計算が誤っているのではないか、と検証することは可能である。以下はそのための節税のヒントになればと思い記載したものである。

1 分筆

固定資産税は通常土地は各筆ごとに評価される。下図のように一筆の土地にA、B2棟の建物が建っている場合、一体として高い50万円の路線価(固定資産税も独自の路線価を基に評定している)を基に一筆評価されている可能性がある。そこでABを点線で分筆し、各筆ごとの評価に置き換えれば、Bは20万で評価され、合計の評価額が下がることになる。

2 住宅用地特例(その1)

住宅用地は上図下段の表のとおり優遇されている(床面積の10倍が限度)。この特例は自己の「居住用敷地」に限らず、他人の「居住用敷地」でもいいので賃貸アパートを建築することにより、戸数×200㎡まで約1/6の評価で課税される。その結果、冒頭の例で書いた119万の税額が約1/6に減少することになる。

3 住宅用地特例(その2)

賃貸アパートと隣接する別筆の土地にアパート住民専用の駐車場があるような場合、駐車場部分は非住宅用地として住宅用地特例の対象外になっている可能性がある。そこで駐車場用地とアパート敷地を合筆する等により、一体として住宅用地特例の対象にすることができる。

4 住宅用地特例(その3)

2世帯住宅の場合、各階が区分登記されていれば通常各階ごとに住宅用地特例が適用されるが、区分登記でないと、1戸の建物として課税されているかもしれない。敷地が400㎡の場合、前者の場合200㎡×2が1/6課税の恩恵を受けるが、後者になれば200㎡のみが1/6課税の対象に留まる。ただし相続税の小規模宅地特例の規定では、区分登記建物の敷地は原則として全部がその対象にならないので注意が必要でもある。

5 住宅用地特例(その4)

併用住宅の場合、居住部分の割合が1/2以上だと、すべてを居住用敷地として取り扱ってくれる。事業を廃業しその部分を住居用にした場合などは「固定資産の住宅用地申告書」を提出することで特例の恩恵を受けられる。増築した時や居住割合を増やした時なども同様である。

6 縦覧期間中の審査申し出

固定資産税係では、航空写真や職員の現地調査等により、その土地の利用状況を確認しているがその地域に存するすべての土地を調査することなど不可能である。以上に述べた住宅用地特例も既に納税者有利に計算評価されているかもしれない。本稿で「可能性がある……」と記載しているのは通知書を見ないとわからないからである。
 毎年4~6月に固定資産税賦課通知書が郵送されるが、そこに記載されている価格、課税標準、税額等の数字を分析することでそれがわかる。価格に疑問があれば縦覧期間(4~6月)に審査申し出をして、場合により過誤納金の還付を過去に遡り受けることもできる。そのためには事前に分析検討をして、地図や写真を用意するなどして相談に行くのが望ましい。

税務総合戦略室便り 第73号(2015年12月01日発行分)に掲載

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