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税務総合戦略室 室長通信 第四十一回 
「戦わずして勝つ」ための戦略

第74号(2016年01月01日発行分)

執筆者1

新年おめでとうございます。本年も税務総合戦略室を宜しくお願い申し上げます。
 昨年から、私達はオーナー社長の「税金ストレスからの解放」を実現するための、新しい税務サービス【税金ストレスフリーパック】をスタートし、その税務サービスに込めた想いをお伝えする新しいセミナーを9月から開講いたしました。
 おかげをもちまして全国各地から大勢の方々にこのセミナーに参加いただき、私達のサービスに共感をいただけた多くの新しいお客様とご縁を結ぶことができました。

 この【税金ストレスフリーパック】という新しい税務サービスのコンセプトは、会社の全責任を背負い、人一倍苦労され、資金繰り・税金・従業員問題など、様々なストレスを抱えていらっしゃるオーナー社長から、せめて税金に関するストレスだけでも取り除いて本業(経営)に集中していただける体制を築いていくためのお役に立っていこうというものです。
 そのためには毎期の決算に対する利益調整だけを目的とした、対処療法的な節税プランニングにとどまらず、経営者が本当の意味で税金のストレスから解放されるために会社の税金・個人の税金・ご家族の税金・後継者問題・自社株問題・相続まで、経営者及び家族の人生と税金を関連付けて複合的に検討していくことが必要だと考えています。
 『税務総合戦略室』は子や孫の代まで安心して資産を継承できるように、各専門分野の税理士がチームを組んだ総合病院的な体制で、オーナー社長の人生における《短期・中期・長期》それぞれの場面で税金を最小化するための知恵を絞り、お客様の立場に立った合法的なタックスプランをご提案し続けて参ります。

現状分析における徹底したヒアリング

この新サービスではご契約いただくと最初に「会社と個人の現状分析」を行います。
 会社を深く理解するため、創業以来の会社の歴史、ご商売の内容、同業他社との差別化など、会社の状況を掘り下げてお聞きします。同じように個人の状況、ご家族の状況、保有資産の状況、趣味などのお話も伺っています。
 たった一人で何もない裸一貫の状態から会社を成長発展させ、その過程において様々な天国と地獄を味わってこられた創業社長のサクセスストーリーは、巷の小説以上にワクワクするような面白さがあり、私自身時間を忘れてお話に聞き入ってしまうことが多々あります。まさに笑いあり、涙ありの感動物語です。
 さらに人生を通じた最適なタックスプランのために、これからの事業計画、人生計画、後継者へのバトンタッチ、引退後の夢など「未来」に対する想いもできるだけお聞かせいただくようにしています。本当に喜んでいただくための提案を行うためには、お客様の夢とライフプランを良く理解することが必須であると考えているからです。
 このような徹底したヒアリングの中では、過去に行われた税務調査のエピソードも登場します。指摘事項がどのようなものであったか、追徴税額はいくらぐらいだったかという点だけではなく、どこの税務署(国税局)の、どこの部署から、何名の調査官が来て、どのような雰囲気の中、何を問題にし、どれくらいの期間調査が行われたのか、雑談も交えながら様々な事項をお聞きしていると、私達にはそのときの調査の状況が手に取るようにまざまざと見えてきます。
 20年も30年も毎日のようにずっと税務調査を行ってきたメンバー(元国税調査官)には、その当時の決算内容・調査担当部署・調査の際のやりとりをお聞きするだけで、調査官が「何を狙って調査に選んだのか」が容易に推測できます。
 そして、どのような項目(多くは調査官があらかじめ問題がありそうだと想定して調査に臨んだ事項)について税務当局と争いになったのか、なぜ争いになってしまったのかその理由もよくわかります。
 税務当局と争いが起こった事柄に関する顧問税理士の対応について「味方になってくれなかった」「自分の代わりになって戦ってくれなかった」という不満の声をお聞きする機会が度々あります。
 また様々な税理士がホームページで事務所の広告・営業活動を行っている中、「税務署と徹底的に戦います!」ということをアピールしている事務所も数多く見受けられます。
 たしかに理不尽な課税に対し納税者の代理人としてきちんと主張することは大切なことです。
 しかし、税務調査で争いになってしまってから喧々諤々やりあうのは良い対応策とは思えません。私達はもっと違うアプローチでお客様をお守りしたいと考えています。

孫子の兵法

「孫子の兵法」では、「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり」(百回戦って、百回勝ったとしてもそれは最善の策ではない。戦わずして勝つことが最善の策である)と教えています。
 日本の戦国時代でも本当に強い武将・軍師は「戦わずして勝つ」ことを目指しました。
 そのために強固な城を築き、外堀、内堀を作り容易には敵が攻めてこられないような体制を整えたのです。
 私は良い税務調査対策も同じようなものだと考えています。
 一旦争いになってしまえば、たとえ最終的に申告是認を勝ち取ったとしても、調査は長期化し、その間対応に追われ、時間的なロスが発生し、さらには悶々とした不愉快な気分でストレスを抱えたまま事業を行っていかざるを得ません。
 今回の調査を乗り切ったとしても「問題のある会社」という烙印を押されてしまう可能性もあります。
 税務問題を「争いの土俵」に上げてはいけないのです。土俵に上がってしまえば税務当局は総力を挙げて何とか課税する方向に持っていこうと考えます。それが調査官としての職務であり本能です。
 ちなみに、税務調査で国を相手に争った場合、どれくらいの勝ち目があるのでしょうか。
 国が行った課税処分に不服があるときには独立した中立的な立場の組織である国税不服審判所に「審査請求」をすることができます。審査請求に対する国税不服審判所長の採決があった後の処分に、なお不服があるときは裁判所に訴えを提起することになります。
 審査請求の結果はどのようなものでしょう。平成26年度の審査請求の処理件数は2980件となっています。処理件数のうち、納税者側の主張が何らかの形で受け入れられた件数は239件(一部認容122件、全部認容117件)で、その割合は8.0%にすぎません。つまり、不服を申し立てたとしても92%は認められていないのです。
 さらに、審査請求の結果にも不満を持ち、訴訟に持ち込んだ件数は平成26年度で237件、うち国側が一部敗訴及び全部敗訴したものは、たった19件です。
 長い時間とコストをかけて争い、その挙句に負けてしまったのでは目も当てられません。

最良の税務対策

税務問題を争いの土俵にあげないためにどうしたらよいのでしょうか。
 争いになることを恐れるばかり、普段の経理・監査において必要以上に保守的な(税務署ににらまれることを恐れた)処理を行い、税金を多く納めすぎているようでは問題外です。
 税務署は税金を多く納めすぎていたとしても一切文句は言いません。保守的な処理を行った結果による申告是認では意味がありません。
 税理士はクライアントのことを考え、専門家のプライドを持って少しでも納税額が少なくなるように知恵を絞るのが仕事です。その過程でしっかりと理論武装を行い、税務調査でも問題視されない状況を作っておくことが求められます。
 「戦う税理士」といえば聞こえはいいかもしれませんが、国を相手に争って税務調査が長期化し、疲弊してしまうのはお客様です。
 大人の対応は争わないように理論武装・準備しておくことです。そのために私達は「税務予防調査」という模擬的な税務調査を行い、正解のないグレーゾーン部分の事実認定をしっかり行って、納税額を減らしながら、かつ、税務リスクを極限まで減少させることを目指します。税務当局が争う気にならないような状態を作り上げるということです。
 調査がなければ戦う必要はありません。最終的には「あの会社に税務調査に行っても何も問題を見つけられない」「税務総合戦略室が顧問をしている会社は簡単に追徴できない」という信用を構築し、「税務調査が行われない」会社にすることが、私達の考える最良の税務対策です。

税務総合戦略室便り 第74号(2016年01月01日発行分)に掲載

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