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税務見聞録~多税に無税~第26回 
税制改正

category: 節税その他
第75号(2016年02月01日発行分)

執筆者4

昨年暮れに平成28年度税制改正大綱が決定しました。
 法人税、所得税、消費税等において、税率の改定、制度の創設、延長及び廃止がされています。今回の改正の柱は、法人実効税率の引き下げ、消費税の軽減税率制度の導入といったところではないでしょうか。

法人実効税率引き下げ

平成28年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率が23.4%に引き下げられ、さらに平成30年4月1日以後開始する事業年度からは法人税率が23.2%に引き下げられることになり、その結果、国.地方を通じた法人実効税率が現行の32.11%が平成28年度には29.97%、平成30年度には29.74%に下がることとなります。確かに、目標としていた「20%台」を実現したことになります。しかし、その反面で「財源なき減税」と言われ、それを補うための課税ベースの拡大等によって補完されていることは否めないのです。
 所得金額が1億円の場合、現行の税額は3211万円であるが改正後の初年度の税額は2997万円となり、税コストのキャッシュアウトが214万円減少、つまり内部留保が増加することになります。ただし、この税率がいつまで続くかはわからないし、この先の税制改正により税率が引き上げられるかもしれない。だから、この税率を上手く使う必要があると思います。
 しかし、税率が下がったといっても利益がでれば納税は避けて通れないわけで、どうしても節税をして利益を低くすることを考えてしまいがちです。次の表のように節税した場合とそうでない場合を比較してみました。節税のために3千万円を費用計上して現金がキャッシュアウトしたものとして計算してあります。

単位:万円

表のように内部留保額、つまり、資金的な余裕の違いが出てきます。しかし、税金を900万円減少させるために3千万円を支出することが正解かどうかということになります。
 高税率の時代は節税ありきで決算が考えられる風潮があったかもしれませんが、これからは節税ありきではなく、節税方法を吟味する必要があります。

 

課税ベースの拡大

税率が引き下げられましたが、減税だけですと財源不足となることから減税財源確保のために課税ベースの拡大がされています。
 再生可能エネルギーで注目を集めた太陽光発電設備は即時償却という税制上のメリットにより大きな効果があったと思いますが、需要と供給のアンバランスが生じてきています。そして、生産性向上設備投資促進税制の廃止が決まり、建物付属設備及び構築物の償却方法も定額法のみとなり所得金額は増加することになります。

消費税

ぎりぎりまですったもんだしましたが、軽減税率制度の導入がされることになりました。しかし、正直言って面倒くさいことをしたものだと思います。
 今回の税制改正では、ほかにも所得税ではセルフメディケーションの推進があります。これは、予防医学、健康志向の表れだと思います。将来的にはサプリメントも対象となるかもしれませんね。
ー法人税、所得税等の税制自体の改正は必要ですが、さらに重要なのが納税環境整備です。なかでも、納税者権利憲章の策定ではないでしょうか。平成23年12月の国税通則法改正に留まり、納税者権利憲章策定は見送りとなり現在に至っています。先進国 の仲間入りはいつになるのでしょうか。

税務総合戦略室便り 第75号(2016年02月01日発行分)に掲載

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