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住まいに関する税金

第75号(2016年02月01日発行分)
元国税調査官・税理士
黒崎 俊夫

住宅は購入した方が得か賃貸の方が得かという問題は永遠のテーマでもある。買ったはいいがローンが払えず手放したり、年金生活者が月々家賃の重い負担に「家を買っておけば」と悔やむケースなどさまざまで、結局はその人のライフスタイル次第ということであろう。
 税務等においては持家購入者偏重(賃貸に比して)とも言える優遇政策の拡充がみられる。

1 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅ローンを組んで住宅を取得する場合の税額控除である。所得控除ではなく、税額から直接控除する税額控除だから効果は大きい。10年間で最高500万円が控除できるが、枠一杯使いきれる人は少数であり、所得税から引ききれない人は住民税からも差し引ける(上限あり)。
 後記3住宅取得資金の贈与等を受けた人はその分を差し引いて限度計算をすることに注意。

2 すまい給付金

一昨年の消費税増税による負担解消のため設けられた。最高30万円が支給される。(ただし収入制限あり、現状の目安は年収で510万円)。
この辺のことは税理士でなく不動産業者が詳しい。

3 住宅取得資金の非課税贈与

父母や祖父母から住宅取得のために金銭の贈与を受けた場合に最大1500万円(平成27年)が非課税となる規定である。消費税率が10%に引き上げられた場合、今年10月以降契約分から非課税限度額が3千万円と大幅にアップする。ただし申告期限までの取得、入居が原則だから、特に青田買いで購入するときは、引渡し予定日に注意。

4 居住用資産の譲渡損失の
損益通算及び繰越控除

平成15年までは、土地建物の譲渡損失も他の所得と損益通算することが可能だったが、現在ではこの居住用財産の譲渡損失だけが損益通算可能となっている。
 所有期間5年超の居住用財産の譲渡損失について、譲渡年の他の所得との損益通算と以後3年間の損失の繰越控除ができる規定であるが以下の2つに大別される。

①買換えをする場合

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譲渡後さらに借入を行い住宅を購入する場合である。(買換え物件の価格のしばりはない)。譲渡損を出して売却し、再度ローンを組んで新物件を買い替えるような人がいるのかと当時思ったが、結構いるのに驚いた記憶がある。

 

②買換えをしない場合

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買換えをする必要はないが譲渡契約前日に、譲渡物件に係る借入金残が存在し、かつ譲渡対価より残高が大きい場合に始めて、その超える部分を譲渡損失の金額とするもの。従って実際の譲渡損失より小さく適用者も少ない。
他にもいくつか要件はあるが省略した。いずれも住宅ローン控除との併用は可能である。

 

3 住宅取得資金の非課税贈与

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消費税が平成29年4月から10%になる影響(予定)を低減するため、注文住宅を購入する場合、本年9月までに契約すれば、たとえ引渡しが来年4月以降であっても消費税率は8%が適用される措置である。

 

毎年国土交通省が発行する「土地白書」では、国民の土地に対する意識調査が掲載される。「土地は金融資産に比べて有利な資産と思うか」の問いにYES30・3%、NO40・1%(平成26年)、ちなみに平成6年ではYES61・9%、NO21・9%であり、土地の有利性を感じる人間は半減しているものの、「持家を持ちたいか」の問いにはYES80・5%、NO12・1%と持家願望の根強さが伺われる。そんなところも上記の施策に反映していると思われる。

税務総合戦略室便り 第75号(2016年02月01日発行分)に掲載

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