海外も視野に入れた税務サービスの提供
エヌエムシイ税理士法人 統括マネージャー
〈経歴〉 平成14年11月より、エヌエムシイ税理士法人の設立・立ち上げを担当。20年以上、中小企業に対して経理事務の合理化や節税対策のアドバイスを行う。 |
昨秋、弊社からの税務セミナーの案内DMがご縁で、70代前半のオーナー社長Sさんにお会いする機会を得ました。ご自身がそろそろ引退をお考えで、その時の退職金がいくら位までなら税務署がOKを出すのか、という相談だったのですが、その際、次のようなことを仰っていたのが、今でも頭の片隅に残っています。「もし日本の法人税が50%を超えるようなことにでもなれば、私にも考えがある」と……。
初対面であったこともあり、その先言葉を濁されていましたが、推測するに、次のような強い思いがあったのではないでしょうか。
・利益の半分も税金でもっていかれたら、もう一生懸命に働く気がしない。
・正直に申告をして税金を払うのが馬鹿らしい。
・どうせ頑張るなら、海外のもっと税金の安い国で事業展開しよう。
Sさんは、50歳で脱サラし、会社を興されてわずか20年たらずで年商100億を達成された、超優良企業のオーナー社長です。同業の経営者仲間からは、馬鹿正直と言われるぐらいに、創業以来、ごまかすことなく税金を納めてきたとのことでした。
大増税時代の到来に思う
年末から年始にかけて、政府税制調査会は、税と社会保障の一体改革に伴う消費税増税と合わせて、所得税の最高税率引き上げによる累進機能の強化や相続税増税など、高所得者の課税負担を高める検討に入りました。
この大増税時代の到来を予感させるニュースを、今ごろS社長は、どのような心境で受け止めていらっしゃることか……。
そして、年明け早々には、次のような税務相談がありました。
相談者は、会社役員のAさん(ご主人が代表取締役)。今日、区役所で、Aさんと娘さんの住民票の転出届けを出して来たとのこと。ご主人は日本に残り、来週には、お二人でシンガポールに移住予定。移住後の課税関係について教えてほしいというのです。
- シンガポール国内で引き続き受取るAさんの役員報酬は、日本の所得税の課税対象になるのか。
- また、決算時に会社から受取る利益の配当にかかる税金はどうなるのか。
- さらには、5年間シンガポールに居住した後で、Aさんから娘さんに現預金や自社株を贈与した場合、贈与税はゼロになるのか。
- 非居住者になるためには、日本での滞在日数を何日程度にすればよいのか。
- 他に、非居住者(Aさんと娘さん)の税金メリットには何があるのか等々。
税務相談のグローバル化
このところ、S社長やAさんのケースのように、日本の重税感に不安を抱く企業様や個人の方々からの税務相談が、徐々に増えつつあるように思います。その内容も、国内にとどまらず、海外も視野に入れたグローバルな税務知識を必要とするものになって来ております。
手前味噌になりますが、昨年の5月より開催しております、弊社「税務総合戦略セミナー」の中でも、次の海外税務関連の講座は大好評を得ました。
- ・国際税務(入門編) 「これさえわかれば、国際税務も怖くない」
- ・国際税務(応用編) 「具体的事例の検討と最適なタックスプランニングのすすめ」
- ・海外投資対策 国税はキャピタル・フライト(海外資金逃避)を狙っている!
- ・非居住者対策 お金持ちは非居住者を目指す「税金天国への脱出」
まるで手品のような海外税務コンサルティング
このような海外税務となると、20数年来、日本国内だけで事業展開する中小企業様の税務相談やアドバイスに携わってきた私の経験・知識だけでは、とても太刀打ち出来ないというのが正直なところです。
昨年来、海外税務の専門スタッフとの税務相談に同席してみて、徐々に分かってきたことがあります。それは、海外税務という特殊分野においては、ある特定の税務情報(例えるなら、手品の種のようなもの)を知っているのと知らないのとでは、その税金メリットに雲泥の差が生じるということです。
現に進行中のコンサルティング案件においては、海外取引を活用することで、年間数千万円単位の税金コストの削減を複数年にわたり予定しております。その仕組みたるや、まるで手品のように感じることすらあります。
弊社の税務総合戦略室には、海外税務のスペシャリストが在籍し、一般の税理士と二人三脚で、最良の税務サービスの提供を心がけております。ご相談等ございましたら、お気軽にお声掛けください。また、税務総合戦略室では国際税務対策セミナーを開催しております。まずはこちらにご参加いただければ幸いです。
税務総合戦略室便り 第34号(2012年1月1日発行分)に掲載
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